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【番外編03】作楽×MONOHA-2/総紗縫

1、デザイン

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デザインは三日月。
今回のモノづくりでは、帯地の無地(空白)部分を意識したくなる。そんなデザインの帯を考えて制作しました。

無地を見ると、どうしても『柄が無い』とネガティブな方向で捉えられてしまいます。でも、帯地の場合、色はあるし、経糸と緯糸で作られる無地の地紋もあります。また無地と言っても、様々な織組織による風合い、見え方、光での変化など、表現されていることは本当にたくさんあります。

なかなかそれには気づかないため、今回は無地が活きるシンプルな三日月をスッと銀箔で入れる。そのため、この銀が活きる地色をつくるため・・・、そこに時間と手間をとったモノづくりです。

このMONOHAシリーズでは基本的に、同デザインでは薄地と濃地の一本ずつ(場合によってはその中間色で1本)の制作。同じ帯は一本として無いという限定品となっています。

2、織組織/総紗縫

織組織は総紗縫。
このMONOHAシリーズでは、シンプルなモノづくりがコンセプトですので、織組織の持つ透け感・素材感。これを活かすことが帯の決め手となります。

この総紗縫は、世間にある通常の紗よりも、数倍細かく打ち込みを入れているため、透け感を持ったまま、緻密な表現が可能。そのため、もし同様の柄を通常の紗で制作した場合だと、透け感に気が取られてしまい、地部分を楽しむ余裕がなくなるおそれがあります。

夜空の色は、黒、青みが入ったり、満月であれば、白く。さまざまな顔を見せてくれます。今回の三日月は、そういった意味でも総紗縫の透け感と相性良いように思います。

3、お腹部分

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お腹部分もシンプルに、天の川の様な星屑を銀箔表現しています。このMONOHAシリーズの帯では、関東腹に柄を入れ、反対側は敢えて空けています。巻き方を変えることで、柄部分を出したり、帯留を入れる。その想定をして制作しています。

帯を結ばれる方のご要望に応じて、関西腹にも柄を入れることは可能です。

3,コーディネート

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総紗縫の帯地の特性のため、一年を通じて袷物・夏物を問わず、コーディネート可能です。帯デザインがシンプルなため、オシャレ着であれば、ほとんどの着物と合わせて頂くことができると思います。

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