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作楽#12 三日月に満月/上品綟

1,デザイン

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帯のデザインは、月。三日月と満月です。月は、世界中の文明で大きな意味をもっていてました。日本では満ち欠けに応じて、一つずつ名前が付けられたり、月齢が暦になったりと、身近なモノです。意味合いとしても、太陽の男性に対し、女性を表し、安らぎや優しさ、再生の意味を持っています。

2,織組織/上品綟(じょうぼんもじり)


この帯の織物は、上品綟。
織物は、経糸を上下、そこに緯糸が入ることで柄・生地を織り成していきます。そして、この上品綟は隣り合う経糸を交差させ、緯糸を通す、元に戻すということを繰り返し、透け感を作り出します(=綟織)。

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上の写真をよく見てもらうと、横に糸が通っています。これが交差した糸を止めている緯糸この後、経糸を元に戻す、そしてまた交差・・・この繰り返しです。昔から日本にあった織組織ですが、やはりひと手は余分に掛かりますので、現在の生産量は極端に減っています。

となみ織物は、従来の綟織『紗』に独自の技術を追加し改良、『上品綟』という織物を作り出しました。通常、綟織・紗は夏の季節の織物ですが、この上品綟は、真冬を除いた3シーズン着用可能な織物となっています。

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3,お腹柄、裏地

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六通の袋帯ですので、お腹部分もお太鼓と同じ繰り返し柄。
お腹部分は文様に通した『紬糸』が際立つように設計しています。

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この帯の裏は完全な無地をあわせています。
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実は、素無地を織るには、かなりの技術が必要ですので、避けたいところです。が、個人的にこの帯を制作するときは、必ず柄無しの綟織のみと考えていました。表には、三日月、満月、裏は新月のつもりです。

仙福屋Online
 → https://www.senpukuya.jp/products/detail.php?product_id=3638

4,コーディネート








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