儚げな下弦の月
真夜中にのぼり、日中に沈む下弦の月。
弓張月ともいう。
弓の糸が下を向いている。
上弦の月は上を向く。
明けがた、まだ中天でうっすら浮かんでいるのはいかにも儚げだ。
闇に浮かぶ月は皓々とひかり、妖しくてぞくぞくするが、有明の月は今にも消え入りそうにふあふあとしている。
月は女性的だと単純に考えていた。
満ち欠けがあって、満月に出産が多いとも言うし。
アルテミスは月の女神だし。
しかし日本の月読命(つくよみ)は男性だ。
美しい、中性的なイメージなのでどちらでもないのかもしれない。
日本語に女性名詞、男性名詞はないが、どちらか決める遊びは結構面白い。
朝がたに見ることが多い下弦の月は、青空の中で儚く頼りなげだ。
満月から新月に向かうちょうど半分の月。
身体に溜め込んだよけいなものを、排出するのに適した時期ともいう。
食べ物も少し控えて、静かに過ごしたい。
昨夜は別れ話の相談というか話の聞き役の長電話で、起きるのが遅くなった。
noteの更新ができなかったが、それでもいいやと受け入れられるのは柔軟になった証拠。
出奔した甲斐があるものだ。
そんなに悩むなら、さっさと別れたらいいのにと言えなくて。
出奔して新しく出直せばすっきりするよとも言えなくて。
人はそれぞれの朝を迎える。