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予定のない朝

秋時雨というのだろうか、雨音が聞こえている。
目は覚めたのだが、何の予定もない。
若い頃ならまた寝てしまっただろう。

もぞもぞと起き出して一通りのことをやり、こたつに座る。
少しでも前向きにと、コーヒーも豆から挽いてみた。
古くなっているようで香りも漂わない。
やはり新しい粉で入れればよかった。

昨日二回も投稿したから今日は書くまいと思っていたのに、またnoteを開いている。
文字や言葉と戯れれば、気分も変わるかもしれない。

「桃紅一〇五歳好きなものと生きる」写真と短い文の、絵本のような作りの小さな本を読んだ。
県立図書館専用の棚から見つけた。

篠田桃紅。
百七歳まで、自由に表現、創作に生きた特別に選ばれた人。
この本は、住まいや調度品、愛用のものを紹介した写真集のようなものだ。
白州正子も似たような本がある。
おそらく、桃紅さんは文章を書いただけか、口述だと思う。
いつものゆったりとした言葉使いである。

まさに垂涎の生活振り。
同じように好きなものに囲まれているはずの我が家が、なんとみすぼらしく感じることか。

書くことで気分をあげようとしたのに、いよいよ落ち込んでくる。
外は雨から風に変わったようだ。
無理に気分をあげなくとも、こういう日はこたつで丸くなっていよう。
おそらく風も止むだろう。
雨風の朝にも明けの明星は輝いている。

雨はあがる
ツワブキにつぼみができている
適当に切った自家用のミカンだとわかる

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