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Golden Week に読んで良かった本3冊

2年前、Wantedlyの仲さんの記事に触発されたところも大きいのですが、ゴールデンウィークはほぼ引きこもって、ゆっくりと読んだ方が良さそうな本の読書や、新しい分野の勉強をするようにしています。

https://www.wantedly.com/users/8558/post_articles/60841
ゴールデンウィークが近づいてきました。
最近つくづく思うんだけれども、ぼーっと生きてると本当に人生が一瞬で終わる。そして努力しないと、日々感動することも少なくなるし、知的に刺激されるみたいなこともなくなる。だからこそ、読書の時間は大事にしてそれなりに確保しているつもりだけど、長い休みはさらに贅沢に時間をかけて本を読むべき。
(Golden Weekに読むべき本3冊 / 仲 暁子)

個人的に、今年のゴールデンウィークに読んで良かった本3冊について書きます。主に積読(ツンドク)本の消化に当てたので、2019年5月時点で流行の本は含まれませんが、3冊とも3年以内に出版された本です。


いま世界の哲学者が考えていること / 岡本裕一朗
https://www.diamond.co.jp/book/9784478067024.html
仲さんの紹介していた、「サピエンス全史」、「人類の未来」が時間軸で人間の本質を捉えようとしているのに対して、この本は、現代を領域横断的に水平に見て、思想の紹介だけではなく、それ以前の、「彼ら/彼女らは何を問題にしているのか」という切り口で書かれています。前提知識はほとんど必要とせず、現代哲学の勉強というより、現代という自分自身が生きている時代の特性を知ることで、世界の多様さ、複雑さを実感できる一冊。網羅的に書くときりがないけど、具体的に言うと、GAFAやバイオテクノロジ、AI、ブロックチェーン技術等も哲学の対象として扱っています。

筆者がはじめに宣言する、この本の内容は、

1.哲学は現在、私たちに何を解明しているのか?
2.IT革命は、私たちに何をもたらすのか?
3.バイオテクノロジーは、私たちをどこに導くか?
4.資本主義制度に私たちはどう向き合えばいいのか?
5.宗教は、私達の心や行動にどう影響をおよぼすか?
6.私たちを取り巻く環境は、どうなっているか?

となっていますが、一応の章立てはあるものの、それぞれの領域を行ったり来たりして、とてもリズミカルな構成になっており、各トピックのアカデミックな背景や、引用元や推薦書籍もきちんと書かれているので、(自分が学生を始めるときに読みたかったという意味で)学際系の領域の入門書としても、良い本なのではないかと思います。

この本の領域のイメージ


ゼロから作るDeep Learning

https://www.oreilly.co.jp/books/9784873117584/

技術書ですが、世の中でこれだけ「AI」が連発されている昨今においては、教養書としても位置づけられるのではないかと思い、入れました。実際に、Python入門から始まるので、非エンジニアが前提知識なしでも頑張れば読めると思います。
"外部のライブラリに頼らずに、Python 3によってゼロからディープラーニングを作ることで、ディープラーニングの原理を楽しく学びます"
という紹介文にもある通り、実際に最小限のライブラリのインポート(主にNumPy)だけで、パーセプトロン、ニューラルネットワーク、誤差逆伝搬法、CNN、ディープラーニングと順を追って、その原理を説明していき、最後にちょっとだけ TensorFlow 等のライブラリの紹介をするという、文字通り、「ゼロから作る」内容となっています。数学の知識もそこまで高度な知識は前提とされず、高校レベルの微分積分、基本的な行列演算の知識があれば読み進められます(学生の時、数学やらなかったよという人でも、がんばってググればなんとかなる範囲だと思います)

僕は律儀にコードを写経したので読み終えるのに結構時間がかかりましたが、エンジニアの人が写経をせずに読むだけなら頑張れば2、3日で読めるのでは無いでしょうか。

また、巻末の参考文献は、何から読めばいいのか分かりづらい機械学習分野の「とりあえずこれだけは読んどけ」リストになっているっぽいので、それを元に知識を広げていく役に立ちそうです(今の所、専門家に直接ちゃんと聞いたわけではないので断言はできません)

エンジニアとして、これから TensorFlow 等のライブラリを勉強するにあたって、「自分は一応ではあるけれど、基礎を勉強したぞ」というなんとなくの安心感を得た事も大きいですが、実際にAIエンジニアを目指す訳ではなくとも、世の中に広く普及しつつある、機械学習、AIという技術が実際どのようなものかを知っておく事で、盲目的にAIを信仰するとか、逆に、盲目的にGAFA怖いとかならずに済むと思います。

また、完全に皮肉ですが、少し前にバズったツイートを添付します。
「機械学習とAIの違いについて、こんなに明確な定義を見たことがない」
「機械学習とAIの違い : Pythonで書かれていれば、それはおそらく機械学習、パワーポイントで書かれていれば、それはおそらくAI」
https://twitter.com/ats/status/1094759183034040321/photo/1



エンジニアの知的生産術 / 西尾泰和

https://gihyo.jp/book/2018/978-4-7741-9876-7

川喜田二郎をはじめとした、先人たちの提唱した手法を踏襲しつつ、今風なライフハック要素を取り入れた内容で、主に、自分にとって新しい分野の、知識のインプットからアウトプットまでの方法、ベストメソッドが論理的かつわかりやすく書かれた本です。(そもそも、この文章も、この本の影響を受けて、アウトプットのために書いています)

タイトルに「エンジニアの」と入っており、実際にプログラミングの話など、エンジニア向けの内容も多く、「エンジニアのための知的生産術」でもありますが、「エンジニアリングに基づいた知的生産術」でもあり、非エンジニアが読んでも得るものが多い本だと思います。


さいごに

なんとなく "3" という数字を使ってみたかったのと、ほぼ思いつきで書いた文章なので、結果、教養書/技術書/ライフハック本とぱっと見では、ぐちゃぐちゃな構成になってしまいました。
人によって背景知識が違うので、理解のしやすさは違うでしょうが、興味を持ってくれれば、どんな立場の人が読んでも価値のある本だと思うので、Qiitaとかではなく、noteで公開しました。


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