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【レポート】山崎まどか×ゆっきゅん登壇!「イーニドは『ローマの休日』アン王女にも負けない普遍的なヒロイン」映画『ゴーストワールド』大ヒット記念イベント

この度、いよいよ11月23日(木祝)より公開となった映画『ゴーストワールド』の大ヒットを記念して、 Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下(東京都渋谷区)にてトークイベントが実施されました。映画上映後、コ ラムニスト・山崎まどかさん、 DIVA ・ゆっきゅんさんが登壇し、ゴーストワールド愛を語っていただきましたので、一部レポートをご紹介いたします。

映画『ゴーストワールド』大ヒット記念トークイベント
実施日時 : 12 月 15 日(金) 21:25〜22:15 ※19:20 の回
実施場所 : Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下 
登壇者 : 山崎まどか、ゆっきゅん

11 月 23 日(木・祝)より公開となった映画『ゴーストワールド』が世間を賑わせている。本作は 22 年振りのリバイバル上映となったが、全国各地で満席回が続出。パンフレットや関連グッズも完売が続く異常事態だ。この状況について、22 年前にリアルタイムで本作を観たコラムニストの山崎まどかさんは「2023年、この映画が更新された年と言えると思う」と語る。

「昔はそれこそ幻の名作と言われていた作品。ガイドブックや色々な書籍には紹介されている作品だけれども、配信も無い時代で、DVD も廃盤だった。今年もリバイバル上映がすごく多かったけど、今回の上映は新しい世代もたくさん観てくれて本当に良かった。でも、もし自分が 15 歳とか 18 歳でこの映画を観ていたら同族嫌悪が酷くてまともに観れなかったかも」と思い入れの強さを表した。

逆に、これまで周囲からのオススメや情報で何度も本作に触れるタイミングはあったものの、観るタイミングを逃してきたというゆっきゅんさんは「ついに観られたわけですが、自分の実人生ではそれこそ沢山のイーニドを見て生きてきたので、どこか見覚えのある感情だったり、あの不機嫌さとか、すごく普遍性があると思った。現代の若い人たちが観るのもよく分かる。『映画史に残る〜』のように語られる作品ではなくて『好き!』と思ってくれるファンがたくさんいる作品ですね」と、ゴーストワールドが持つ独特のバイブスを表現。

本作をリアルタイムで観ていた山崎まどかさんは「生き証人として毎回お話するエピソード」を紹介。news23(TBS テレビ)で当時メインキャスターだった筑紫哲也とおすぎが半年に一度、公開作を語り合うコーナーで本作が取り上げられた回について「筑紫さんがこの映画について『観ている間、苦痛でしかなかった』と言ったら、おすぎさんが立ち上がって『何言ってんのよ!』と、被せるくらいの勢いでおっしゃって。そこで言った『ブスは町を出るのよ!町を出なさい!』という言葉が本当に印象的で。今でこそ問題のある発言ととられると思いますけど、あれは親しみを込めての“ブス”というか、自分と重ねて言うような、まっすぐな言葉だったと思う。それを見ていて、私はおすぎさんに敵うような言葉は何一つとして言えないと思った」と、その鮮烈な体験を回想した。

周囲に馴染まずに二人でつるんでいるイーニドとレベッカの関係性がよく分かるというゆっきゅんさんは「“自分は自分でしかない”という諦めみたいなものをまだ持っていなくて、(自分は何にでもなれるというような)色々な可能性を諦めていない一方、自分たちが社会の真ん中にはいないことも自覚しながら生きている。自分以外を全部ダメと見下しながら、さらに自分自身のこともダメだと思う、そんな最悪な時があったんですよね」と自身の過去とも絡めて分析した。

それに対して、山崎まどかさんは「舞台がカリフォルニアの内陸部、田舎のほうで、イーニドは車も持っていないから移動手段が徒歩かバス。しかもバスは来ないんですね。だから、回遊魚みたいにうろつきまわる。どこにも行けないという象徴で、そんななかで必死に頑張っているんですよね」と、理解を示した。

本作のイーニドを”『ローマの休日』のアン王女にも負けない普遍的なヒロイン”と位置付ける山崎まどかさんは、その語り尽くせない魅力について「失敗を山ほど繰り返して大人になりました、という話じゃないんですよね。成長なんてしたくもない、と思っていた時期があったと思う。そういう気持ちに寄り添って本作を観てもらえれば」と、この機会に劇場でイーニドとレベッカに会ってほしいと締め括った。

映画『#ゴーストワールド』
11 月23日(金)より Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下ほか大ヒット上映中
https://senlisfilms.jp/ghostworld/

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