ねんきんシニアライフ研究室

社会保険労務士· CFPファイナンシャルプランナー· 1級ファイナンシャルプランニング技能士· 行政書士·宅地建物取引士 などの資格保有者です。 専門知識を生かして、経済・社会の激しい変化に適応できる老後設計・資産形成を研究して発信していきます。

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最近の記事

「老後生活」を襲う6つの環境変化

老後設計の前に知っておくこと  これから老後設計を考えている皆さん! 今までとは違い、今後の「老後生活」には6つの環境変化が襲ってきます。 人口減少と高齢化に苦しむ日本社会。それが社会に及ぼす衝撃的な変化をあらゆる世代が逃れることはできませんが、この社会の変化がこれからの日本人の「老後生活」にどういう影響を与えて行くのでしょうか? その中で私たちは、どのように「老後設計」をして行ったら良いのでしょうか? 誰しもが考えて行かないといけないテーマだと思います。  まず、私達の「

    • 『人生百年時代』というフレーズに騙される日本人

      日本人の脳裏に埋め込まれた言葉ー「人生百年時代」  「人生百年時代」という言葉がメディアで飛び交い、当たり前の様に使われ出して定着しています。「人生百年時代」というフレ―ズ、たった6文字のこの言葉は簡単で覚えやすく、ポジティブな響きがあり、あっという間に人々の脳裏に焼き付けられたようです。 そしてこの言葉の影響力で、あたかも現代を生きる日本人がすでに「人生百年時代」を生きているかの様な錯覚さえ感じさせられます。 しかし実際には現時点で100歳まで生きている人は女性でも全体の

      • これまで誰も経験した事のない社会がやってくる!(その3)

        住民がいない!ー 空家があふれる街はさながらゴーストタウン  総務省統計局では5年に1度、10月1日に住宅・土地統計調査を行っています。直近では、令和5年に調査が行われていますが、その結果のポイントは次の3点です。                          ① 全国の総住宅数は6502万戸で,2018年の6241万戸から5年間に261万戸(4.2%)増加している。 ② この内、空き家は900万戸で過去最多を記録しており,2018年の849万戸から51万戸(6.0%)

        • 「逃げ切り世代」は逃げ切れるのか?

          人口問題は高齢者の生活を直撃する ー 5つのリスクをどう乗り切るかがカギ ー  ハッピーリタイアメントを夢見て「老後資金はもう十分に用意した」と考えている人も多いでしょう、しかしリタイア後の高齢者にはその計画の障害となるいろいろなリスクが襲いかかってきます。   特に高齢者のライフプランでは必ず考えなければならない5つのリスクがあります。それは「インフレリスク」・「健康リスク」・「長寿リスク」·「家族リスク(こどもリスク・親リスク)」の4つと、新たな、そして一番恐ろしい「制

          これまで誰も経験した事のない社会がやってくる!(その2)

          若者がいない! ― 大学の大倒産時代!  ちょっと古い話になりますが、2012年11月、田中文部大臣がすでに大学設置審議会が認めた翌年度新設予定の3大学について不認可としたことが大きな話題になりました。その決定の仕方が突然であったし、もうすでに、建物も出来上がり、学生募集もしていることから、大臣の決定に対し批判の声が多数あがりました。  一方でこの問題が、今日の大学の現状と将来にかかえる問題点をあからさまに炙り出しました。少子化の中でも定員が増え続ける大学の実態が明らかにな

          これまで誰も経験した事のない社会がやってくる!(その2)

          これまで誰も経験した事のない社会がやってくる!(その1)

           『人口減少はもう止められない』の記事で、少子化対策をいかに行っても日本の人口減少は止められないということをお話してきました。次にこの破壊的とも言える人口動態が私達の社会、そして私達の生活にどのような影響を与えていくのかを見ていきたいと思います。(ただし、インバウンド消費や外国人労働者の数は今回は考慮に入れておりません)  市場経済の社会では、市場の拡大と潤沢な労働力の確保が求められます。 それゆえに「人口減少」は市場経済社会に深刻なマイナスの影響を与えます。「市場の縮小」に

          これまで誰も経験した事のない社会がやってくる!(その1)

          的外れの少子化対策で迎える 2026年「丙午」(ひのえうま)             

          60年ぶりの「丙午」(ひのえうま)で試される日本社会  2年後の2026年、60年ぶりの「丙午」(ひのえうま)の年がやってきます。 前回1966年の「丙午」は人口ボーナスを謳歌する高度成長期の真っただ中であったにもかかわらず、前年より25%も出生数が減少し、日本社会の前近代性が如実に表れたかたちになりました。出生数の推移を示す下のグラフで明らかなように1966年はその年だけ櫛の歯が1本だけ欠けたように特異な状態を示しています。当時の日本の人々にはそれまで続いてきた迷信を打ち

          的外れの少子化対策で迎える 2026年「丙午」(ひのえうま)             

          “失われた30年”は          失われる100年”の序章に過ぎない

           日経平均株価が史上最高値を更新しました。株式市場は久しぶりに活況を呈し始め、急激な円安を含め、日本経済にとって明るい空気が醸し出されています。熊本県に建設された台湾の半導体メーカーTSMCに対する期待感も高まり、日本は再生するという希望を抱かせるような空気感がしばらくは続くかも知れません。しっかりとリスク管理をしたうえで、この上昇気運に乗ってみるのも良いかもしれません。  ただ私はこの雰囲気を歓迎しながらも、一方で、これが将来に対する過剰な楽観論を生み出して、現実を覆い隠し

          “失われた30年”は          失われる100年”の序章に過ぎない

          人口オ―ナスと人手不足で苦しむ日本

           国立社会保障・人口問題研究所が2023年に発表した令和2(2020)年国勢調査に基づく全国将来人口推計を見ると、今後、日本の人口がどれほどの規模でまたどれほどのスピードで減少していくかがよく解ります。 日本の人口が最も多かった最後の年である2008年から2020年までの12年間に減少した人口は190万人程です。このくらいですと私達は日常生活で社会の高齢化は肌で感じても、人口減少は実感していないかもしれません(もちろん地域差はありますが)。  しかし今後50年間の減少規模の推

          人口オ―ナスと人手不足で苦しむ日本

          人口減少はもう止められない

          トレンドはもはや変えられない!  人口減少、特に労働力人口の減少を食い止める為に少子化対策が叫ばれて久しいですが、近年の著しい人口減少ペースを見て、岸田内閣は「異次元の少子化対策」を最重要課題に掲げ、児童手当や給付金など子育て世代への支援に対する予算を厚くし、人口減少のトレンドを何とか「増加」に変えようと苦慮しながら、様々な施策を打ち出しています。  一方、政治家、特に地方選挙の候補者の政策を聞くと、「子育て世代の手厚い支援で人口を増加させます」といった類いの政策主張をよく

          人口減少はもう止められない

          老後設計に影を落とす「人口問題」

          リタイアメントプランの作成 FP(ファイナンシャルプランナー)の仕事の1つに「リタイアメントプラン」の作成があります。これは、主に定年退職前の方を対象に老後の生活設計のお手伝いをするしごとです。 老後の生活設計で大事なのは「健康」・「生きがい」・「お金」の3つだと言われていますが、実際この内の1つでも欠けていると「ハッピーリタイアメント」というわけには行かなくなります。 FPはこの3つの内、「お金」の部分に関し、クライアントの高齢期の夢や希望を伺った上で、個々の年金や就労に

          老後設計に影を落とす「人口問題」

          国民の1番の不安は「老後の生活設計」

          「老後2000万円問題」  コロナウイルスが世界中を席巻して4年が過ぎました。 この間、当然のことながらメディアが取り上げる話題もコロナ一色に染まってしまいましたが、今思い返してみるとコロナ禍前2019年に大きな話題になっていたのは、金融庁の金融審査会がまとめた報告書において「平均的な夫婦世帯が老後30年間生活していくためには年金だけでは足りなくて2000万円ほどの貯蓄が必要だ」とされたことでした。 いわゆる「老後2000万円問題」です。 「老後2000万円問題」はコロナが

          国民の1番の不安は「老後の生活設計」