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【DOCU/2022/3Q決算速報】、2022年第3四半期の結果は売上◎、EPS◎、ガイダンス×。売上ガイダンスミスでAHで大暴落。

このマガジンは取り上げた企業の投資を推奨する意図は全くないことを改めて確認いたします。企業の業績チェック、ビジネスモデル、新着ニュースをシンプルに定点観測する読み物です。

(DOCUの会社概要・歴史・ビジネスモデル考察は以下を参照してください。)

「DocuSign(ティッカーシンボル:DOCU)」のQ2-2022の結果が出ました。


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※YoY = year over year(前年同期比)

$DOCU 3決算速報!

売上 ◎ 545.63 YoY164% vs s 予想530.67M
EPS ◎ 0.58 YoY164% vs 予想0.46

ガイダンス
売上× 560M YoY30% vs s 予想573.79M 
EPS ◎ 1.96 YoY429% vs 予想1.7

売上ガイダンスミスだけでAH△30%….

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ガイダンスの売上をミスしただけで△25%….毎度のことじゃが期待が高すぎる。

既に株価は200MA(黒)を割り込み、今回の決算を受けた大暴落で下落フェーズ入りが確定してしまいました。しばらく厳しい展開が続くことが想定されます。

長期の方向性を見る上で重要な200MAを下回る銘柄の危険性を見せつけられた決算でした。

それでは詳しく決算を見ていきたいと思います。(まずは速報です。Earning Callの内容を踏まえて夕方までに肉付けします)

1. Revenue(売上高)

Q2-2022:売上$511.8M/YoY+49.6%増(アナリスト予想:$ 487.5M)。
以下過去からの推移をご覧いただくと成長率が鈍化しているようにも見えますが、現在でもYoYで50%の成長を維持しているのは流石といえます。

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■ 売上推移

※YoY = year over year(前年同期比)

Q4-2020:$274.9M(YoY +38%)
Q1-2021:$297.0M(YoY +39%)
Q2-2021:$342.2M(YoY +45%)
Q3-2021:$382.9M(YoY +53%)
Q4-2021:$430.9M(YoY +57%)
Q1-2022:$469.1M(YoY +58%)
Q2-2022:$511.8M(YoY +42%)
Q3-2022:$545.6M (YoY+42%)

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国際部門は前年同期比で68%の成長を遂げ、現在では総売上高の23%を占めておいるとEarning Callで発表されています。米国以外でも急激に伸びているということですね。特にアジア大洋州での伸びが顕著とのことです。


顧客が大きな前払いの契約をした場合はどうなるでしょうか?

前受分は収益として認識されずにバランスシートの前受収益に認識されます。サービス提供が始まったら提供期間に応じて収益として認識されるということになります。(詳しくは銘柄解説記事で記載しています)

Billingも順調に上昇してきています。Billingの方が大きいということは今後発生する売上が積み上がっていることを意味しています。

利益率は以下の通りとなっています。売上総利益率は一定の水準ですが、営業利益率と純利益率は上昇傾向にあります。

利益率についてはコロナ特需により予想より早くマイルストーンを達成していたということで、今後は下落する可能性についてEarning Callで言及されています。

長期的な目標利益率を予想よりもずっと早く達成することができました。今後も成長のための投資を続けていきますが、それに伴って営業利益率も下がっていくものと考えています。


経費率の各項目は以下となります。S&M(=販促費)が売上に占める比率は減少していますが、研究開発費は安定した推移となっていますね。マーケティングに費用をかけなくても売上高がのびていくブランディングができているというフェーズに移行しています。

ただ、グローバルの売上が増えていることもありS&M比率に関しては今後上昇する可能性があります。以下Earning Callの抜粋です。

また、ダイレクトセールスやチャネルセールスへのマーケティング投資をグローバル化することで、国内および拡大する海外市場でのブランド認知度を高め、適格なセールスリードを獲得していきます。

また、その他の取り組みとしてSalesforceとのパートナーシップの拡大やMicrosoftとの協業を行なっており売上拡大の施策を打っている様が語られていました。

10年以上にわたる協力関係を基に、Salesforce社とのグローバルな戦略的パートナーシップを拡大することを発表しました。これにより、契約プロセスの自動化、カスタマー・エクスペリエンスの向上、ROIの向上、Salesforce傘下のSlackを利用する組織間のコラボレーションの促進など、新たな共同ソリューションを構築していきます。今回の提携拡大は、SalesforceとDocuSignがパートナーとして一貫して成功してきたことを反映したものであり、Slack for SalesforceやCLM for DocuSignなどの優先分野での提携機会を生み出しています。
今年初めのMicrosoft Teamsとの電子署名の統合に続き、DocuSignはMicrosoft Office 365とDynamics 365での統合に加えて、Microsoft Teamの承認アプリでの正式な電子署名の提供者となりました。この最新の機能強化により、ユーザーはTeamsから直接承認を作成、管理、共有することができ、承認状況を常に把握しながら承認申請を効率化することができます。


また、既存顧客の単価アップを狙った新製品や機能も発表しておる。詳しくは4のKPIのNRRの項目で取り上げておる。


2. EPS(1株当たりの当期純利益)

Q3-2022:(non-GAAP)EPSは$0.58/YoY+164%(アナリスト予想$0.46)

EPSもアナリスト予想はクリア。EPS予想は「Yahoo Finance」で取れます。アナリストは保守的に予想を出すため、決算企業はこれを超えなければ市場から好感されません。

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■ EPS推移

※YoY = year over year(前年同期比)

Q1-2021:$0.12(YoY +71%)
Q2-2021:$0.17(YoY +1600%)
Q3-2021:$0.22(YoY +100%)
Q4-2021:$0.37(YoY +208%)
Q1-2022:$0.44(YoY +267%)
Q2-2022:$0.47(YoY +177%)
Q3-2022:$0.58(YoY +164%)

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DOCUはしっかりと過去から継続的に市場の予想を上回ってきています。まだ更新されていませんが、今回もしっかりBeat。(決算美人銘柄ですね)

今回はまだ反映されていませんが、無事Beatしています。

株式の数は落ち着いているので、発行済株式数を増加させて資金を調達するフェーズは落ち着いています。純利益が増加すれば素直にEPSが増加する環境が整っています。

3.ガイダンス

DOCUは4Qのガイダンスと年度末のガイダンスを発表しています。

中央値を用いて前年同四半期や前年度の結果と比較したものが以下となります。ヤフーファイナンスの結果も並べています。

通期は2Qに出されたガイダンスから売上とEPSともに引き上げられています。

売上に関してガイダンスが予想より弱ぶくんでいることを受けてAHで△25%という大暴落となっています。ただ、そもそも下落フェーズ入りの中で更にハイグロにとって厳しい市場環境ということを考えると、売られる理由を探されたとみれます。

また、Earning Callではガイダンスが低い理由について自信のないコメントがCEOよりあり、ネガティブな印象ですね。以下抜粋です。

第3四半期に見られた市場のダイナミクスは、今年前半に経験したものとは明らかに異なっていました。過去1.5年間のCOVID-19による後押しもあり、かつてないペースで顧客の需要を取り込み、規模的にも非常に高い成長率を達成しました。第3四半期から下半期にかけては、需要が鈍化し、お客様の購買パターンの緊急性が低下しました。パンデミックの最中に達成したピークレベルの成長から、最終的にはステップダウンすると予想していましたが、環境の変化は予想以上に早く、これらが第3四半期の請求実績と第4四半期の見通しの主な要因となりました。

4. KPI (CustomerとNRR)

それではDOCUの企業KPIについて見ていきたいと思います。

■ 顧客数

DOCUはSaaS企業なので顧客数の増加が非常に重要になってきます。顧客数は前四半期から110K増えて1,110Kとなっています。YoYで35%という驚異的な成長率を維持しています。

また、大口の顧客の数も重要になってきます。Earning Callでも発表がなかったので次回のAnnualのプレゼンでの更新を待ちたいと思います。

ただ年間消費額が30万ドル以上の大口顧客は前年比45%増の785となったと述べられており、大口は堅調に推移していることが分かります。

■ NRR

既存顧客にどれだけ契約延長させたり、アップセルできているかという指標にNRRがあります。

【NRR(=Net Retention Rate)】
既存顧客の売上が前年比でどれほど増減しているかを示す指標です。NRRが100を上回っていれば、契約の延長に加えてアップグレードが行われていることを意味します。

NRRについては121%と高い水準を維持してはいますが2四半期連続で下落しているのは気がかりな点です。

NRRを上昇させるためには既存顧客のアップセルが必要です。アップセルには新製品をセールスことが重要となります。DOCUは今期以下の新製品をリリースしているので期待したいところです。以下Earning Callの引用です。

先月、「DocuSign Notary」を強化し、管理者が第一当事者である公証人の利用状況を管理できるようにしました。これは、「DocuSign Notary」が不動産、保険、その他の金融サービスプロバイダーに選ばれるツールになると確信している理由の一つです。第3四半期には、フィデリティを含む多くの金融機関がこのサービスを追加しましたが、個人的にはM&T銀行がこの分野での初期のサクセスストーリーであると考えています。

また、本業のCLM(=契約ライフサイクル管理)でも新しい機能を追加して提供しています。

今期、DocuSign CLM(=契約ライフサイクル管理)製品にいくつかの重要な機能強化を行いました。これにより、企業は手動のビジネスプロセスを自動化し、契約ごとに効率を向上させることができます。また、今月は、CLMのUI上でコメントやタグ付け、タスクの割り当てができるコラボレーション・ツールの提供を開始しました。これらの革新的な機能に加えて、署名後の作業を自動化するためのGoogleやMicrosoftのアプリケーションとの新しい契約アクション、企業顧客のための新しい委任署名機能、人気製品であるDocuSign Gen for Salesforce billingを使用して請求書作成を簡素化するための新しい技術など、Agreement Cloud全体で重要な機能強化を継続しています。

5.財務状況とキャッシュフロー

財務の健全性とキャッシュフローについても十分に注視する必要があります。

■ 負債比率の推移

DOCUの負債比率は以下の通りとなっています。高い負債比率となっています。

負債比率が高い場合に重要となってくるのが、支払利息が利益を圧迫していないかという点と返済可能なのかという点です。

まず、利益に与える影響についてみていきましょう。直近の四半期では売上545Mmilに対して支払利息は△3.3milと僅か0.6%という水準に止まっています。

収益を大きく圧迫している水準ではありません。

■ 高まる営業CF

以下はドキュサインのCFの推移です。最初に財務CFで資金を調達して、投資にあてて徐々に営業CFが伸びてきているということになります。2Qに比べて小さくなっているのは2QにOperating leaseで85Mの特殊要因があったことに起因しています。

FCFも順調に増加基調を維持しています。

6.Earning Call

以下は全文ですが、要点や重要な点は上記の1-5に肉付けしています。

CEOパート

まず、業績についてご説明します。第3四半期は、売上高と収益性が引き続き堅調に推移しました。売上高は前年同期比42%増の5億4,500万ドル、営業利益率は22%に達し、ガイダンスを上回りました。国際部門は前年同期比で68%の成長を遂げ、現在では総売上高の23%を占めており、再び明るい話題となりました。

しかし、売上高は前年同期比28%増となり、当社のガイダンスを下回る結果となりました。顧客基盤は111万人に拡大し、ドルネットでの維持率は121%と引き続き好調です。

第3四半期に見られた市場のダイナミクスは、今年前半に経験したものとは明らかに異なっていました。過去1.5年間のCOVID-19による後押しもあり、かつてないペースで顧客の需要を取り込み、規模的にも非常に高い成長率を達成しました。第3四半期から下半期にかけては、需要が鈍化し、お客様の購買パターンの緊急性が低下しました。パンデミックの最中に達成したピークレベルの成長から、最終的にはステップダウンすると予想していましたが、環境の変化は予想以上に早く、これらが第3四半期の請求実績と第4四半期の見通しの主な要因となりました。

このような状況にもかかわらず、世界中の組織にとってデジタル・トランスフォーメーションが依然として高い優先順位を持っていることから、500億ドル規模の契約クラウドの機会がまだ始まったばかりであることは明らかです。DocuSignは、市場をリードする強力なブランド力と製品の差別化により、電子署名とより広範な契約クラウド市場の機会をリードし、獲得するためのユニークな立場にあります。パンデミックが終息し、人々がオフィスに戻り始めても、紙に戻ることはありません。電子署名と幅広い契約クラウドは明らかに存在し、DocuSignの価値は、仕事の未来がどのように展開しても持続するでしょう。

新規企業の獲得から既存顧客の拡大に至るまで、スケールの大きな成長を継続するためには、チームがすべてのシリンダーに火をつける必要があります。私たちは、最近の傾向に対抗するため、2つの重要な戦略分野に積極的に投資し、成長を倍増させています。まず、グローバルな営業力強化、トレーニング、現場対応への投資を拡大し、新規ビジネスのパイプライン構築を加速し、顧客基盤の拡大を推進しています。また、ダイレクトセールスやチャネルセールスへのマーケティング投資をグローバル化することで、国内および拡大する海外市場でのブランド認知度を高め、適格なセールスリードを獲得していきます。

その一環として、全世界のセールス、マーケティング、サクセスのオペレーションを、最高執行責任者であるスコット・オリッチのもとに統合します。これに伴い、Chief Revenue OfficerのLoren Alhadeffと、SVP of Customer SuccessのLambert Walshは、Scottの直属となります。また、6年間DocuSignに貢献してきたマイク・シェリダンは、最初はCFOとして、最近では国際戦略をリードしてきましたが、11月末をもって退社しました。DocuSignの発展に重要な役割を果たし、多くの貢献をしてくれたマイクに、心から感謝しています。彼の退職が成功することを皆が祈っています」。

この1.5年間でこれらのGo-to-Market組織は大きく成長しており、今回の異動は、需要創出、需要獲得、そして全体的な成長に向けた統一的な動きを促進するものと考えています。

2つ目の重要な戦略分野は、製品の革新であり、これは今後も当社の成功に不可欠な要素です。ここでは、DocuSign Agreement Cloudを構成する製品の拡大したポートフォリオにおいて、どのようにイノベーションの取り組みを進めているかについて触れたいと思います。

先月、「DocuSign Notary」を強化し、管理者が第一当事者である公証人の利用状況を管理できるようにしました。これは、「DocuSign Notary」が不動産、保険、その他の金融サービスプロバイダーに選ばれるツールになると確信している理由の一つです。第3四半期には、フィデリティを含む多くの金融機関がこのサービスを追加しましたが、個人的にはM&T銀行がこの分野での初期のサクセスストーリーであると考えています。

M&T銀行は2018年から顧客になっていますが、彼らのDocuSignユースケースは約50件から200件以上に急増しました。最初はID認証の導入で、今は公証人の導入で。これは私たちにとって明らかな勝利ですが、M&T銀行にとっての勝利は、彼らが7分以内にリモートで公証文書を作成できるようになったことです。eSignature、ID認証、公証人の組み合わせは、M&Tの700のリテール支店にとってゲームチェンジャーであり、オペレーションコストに顕著な影響を与えているだけでなく、顧客体験にも大きなプラスをもたらしていると聞いています。

IDV(ID verification)といえば、先月、お客様がIDV封筒にSMSによる再認証を追加できる機能拡張を発表しました。これにより、署名者は最初のIDVに合格した後、SMSテキストで配信されるパスコードを入力してエンベロープにアクセスすることができます。

今期、DocuSign CLM製品にいくつかの重要な機能強化を行いました。これにより、企業は手動のビジネスプロセスを自動化し、契約ごとに効率を向上させることができます。また、今月は、CLMのUI上でコメントやタグ付け、タスクの割り当てができるコラボレーション・ツールの提供を開始しました。これらの革新的な機能に加えて、署名後の作業を自動化するためのGoogleやMicrosoftのアプリケーションとの新しい契約アクション、企業顧客のための新しい委任署名機能、人気製品であるDocuSign Gen for Salesforce billingを使用して請求書作成を簡素化するための新しい技術など、Agreement Cloud全体で重要な機能強化を継続しています。このような革新的な取り組みにより、当社のリーダーとしての地位をさらに高め、お客様を次世代の契約へと導くことができます。

当社は、製品とプラットフォームの両方のイノベーションに多額の投資を行っています。これは、お客様の成功を促進し、今後の持続的な成長に向けて当社を有利に導くものと確信しているからです。

顧客面では、先ほど第3四半期に59,000社の新規顧客を獲得したと述べましたが、その中でも特に当社の注力分野に関連する2社をご紹介したいと思います。新しいグローバル企業であるUPSは、DocuSign CLMを利用して契約プロセス全体を近代化するための全社的な取り組みを行いました。以前は別のソリューションを使用していましたが、9,000人以上の営業組織は、CLMと電子署名製品をSalesforceと組み合わせて使用し、すべてが1つのワークフローに統合されています。

この導入が成功したことで、より迅速で効率的なプロセスが実現し、可視性も高まりました。これは他のビジネスユニットからも注目されており、私たちは積極的に拡大の機会を探っています。eSignatureもCLMも、エンタープライズビジネスへの参入に効果的であり、部門を超えた採用率を高めることができることを示していると思います。

ワシントン州にあるCelerity Credit Unionは、テクノロジーの限界を超えて顧客体験を向上させることに誇りを持っている企業です。Celerityは、まずDocuSign Rooms for Mortgageを使って住宅ローンのプロセスを改善するためにDocuSignに注目しました。次に、独立したサービスとしてDocuSign Notaryの利用を開始しました。そして、Celerity社は、これらの機能を完全に統合し、住宅ローンのリモートクロージングのための完全なデジタルソリューションを提供した最初のDocuSign顧客となりました。Celerityのように、シームレスに統合されたソリューションによって顧客体験の差別化を図る顧客が増えていくことを期待しています。

また、すでに成功しているパートナーエコシステムにおいても、引き続き関係を深め、イノベーションを推進していきます。10年以上にわたる協力関係を基に、Salesforce社とのグローバルな戦略的パートナーシップを拡大することを発表しました。これにより、契約プロセスの自動化、カスタマー・エクスペリエンスの向上、ROIの向上、Salesforce傘下のSlackを利用する組織間のコラボレーションの促進など、新たな共同ソリューションを構築していきます。今回の提携拡大は、SalesforceとDocuSignがパートナーとして一貫して成功してきたことを反映したものであり、Slack for SalesforceやCLM for DocuSignなどの優先分野での提携機会を生み出しています。

今年初めのMicrosoft Teamsとの電子署名の統合に続き、DocuSignはMicrosoft Office 365とDynamics 365での統合に加えて、Microsoft Teamの承認アプリでの正式な電子署名の提供者となりました。この最新の機能強化により、ユーザーはTeamsから直接承認を作成、管理、共有することができ、承認状況を常に把握しながら承認申請を効率化することができます。

以上、パンデミックからの脱却に向けて、将来の成長に最も重要な分野に投資することで、需要動向の急激な変化に積極的に対応しています。現在の環境の不確実性を反映して短期的な見通しを修正しましたが、私たちは自分たちのビジョンと戦略に強い自信を持っています。私たちは、DocuSignの成長機会はまだほとんど手つかずであると確信しています。私たちには、お客様とそのお客様に愛される製品があり、世界のビジネススピードと地球の健康に変化をもたらす技術があります。

この1年でわかったことは、私たちがどれだけチャンスに恵まれているかということです。今後、数週間から数ヶ月の間に、大規模な成長を実現するための努力と投資を行っていきます」と述べています。当四半期の売上高の達成には失望しましたが、当社の長期的な成長については非常に楽観的であり、当社は史上最も急速に成長しているエンタープライズ・クラウド企業の一つであることに変わりはありません。私たちは、今後もプラットフォームの革新を続けながら、Agreement Cloud全体の拡大に向けた基盤を築いていきます。

以上、シンシアにお任せします。

CFOパート

6四半期にわたって需要が加速した後、第3四半期にはお客様の購買パターンの変化が見られました。売上高、収益性、キャッシュフローは引き続き堅調に推移していますが、特に厳しい前年同期比を考慮すると、売上高とドル建てネットリテンションは最高値を下回りました。ダンが述べたように、この現象はもっと徐々に起こると予想していましたが、第3四半期には予想以上に顕著な変化が見られました。

総売上高は前年同期比42%増の5億4,500万ドル、サブスクリプション売上高は前年同期比44%増の5億2,900万ドルとなりました。国際事業は、特に当四半期はアジア太平洋地域において健全なペースで拡大しました。海外売上高は、前年同期比68%増の1億2,800万ドルとなり、売上高全体の23%を占めました。

売上高は前年同期比28%増の5億6,500万ドルとなりました。これは、特に上半期が好調であったことに加え、顧客の購買行動の変化による影響を受けたためです。しかしながら、59,000人の新規顧客を獲得し、全世界の顧客数は前年同期比35%増の111万人となりました。また、1万1,000人以上のダイレクトカスタマーを獲得し、合計で約16万人となり、前年同期比41%増となりました。年間消費額が30万ドル以上のお客様は、前年比45%増の785名となりました。1.5年間という異例のペースで顧客数を伸ばしてきた当社は、引き続き堅調なペースで顧客数を増やしています。

既存顧客が当社製品の導入を拡大していることから、6四半期連続でドル建てネット・リテンションの過去の上限を超え、121%となりました。第3四半期の非GAAPベースの売上総利益率は82%(前年同期は79%)、サブスクリプションの売上総利益率は86%(前年同期は84%)となりました。第3四半期の非GAAPベースの営業利益率は、前年同期の13%(4,900万米ドル)に対して22%(1億2,200万米ドル超)に達しました。

第3四半期の売上高の伸びは、引き続き当社の投資能力を上回るものでした。また、オフィスの再開が遅れたことにより、旅費や交際費が予想よりも少なくなりました。ダンが述べたように、当社は将来の成長のための投資に注力しており、カスタマーサクセスに加え、デマンドジェネレーションを中心とした市場開拓の最適化や、製品開発およびイノベーションエンジンの加速化に取り組んでいます。

第3四半期の非GAAPベースの純利益は、前年同期が4,600万ドルであったのに対し、1億2,100万ドルでした。当四半期の従業員数は、前年同期比32%増の7,056人となりました。営業キャッシュフローは、継続的なトップラインの業績向上により、1億500万ドル(利益率19%)となりました。これに対し、前年同期は5,700万ドル(15%)でした。フリーキャッシュフローは、前年同期の3,800万ドル(10%)に対し、当四半期は9,000万ドル(17%)となりました。第3四半期末の現金、現金同等物、使途指定現金および投資は9億800万ドルでした。

次に、ガイダンスについて説明します。上半期の力強い成長を受けて、当社は現在のダイナミクスを理解するために厳密な分析を行いました。その結果、第4四半期の利用料収入の見通しを維持し、ビジネスに見られるリスクと機会を考慮して請求額を調整しています。

第4四半期および22年度通期の見通しは、第4四半期の売上高合計が5億5,700万ドルから5億6,300万ドル、前年同期比29%から31%の成長、22年度通期では20億8,300万ドルから20億8,900万ドル、前年同期比43%から44%の成長となります。このうち、サブスクリプション収入は、第4四半期に5億4,400万ドルから5億5,000万ドル(前年同期比33%から34%の増加)、22年度に20億1,700万ドルから20億2,300万ドル(前年同期比46%の増加)を見込んでいます。

売上高については、第4四半期に6億4,700万ドルから6億5,900万ドル(前年同期比21%から23%の増加)、22年度には23億3,500万ドルから23億4,700万ドル(前年同期比36%の増加)を見込んでいます。非GAAPベースの売上総利益率は、第4四半期および22年度ともに81%から82%になると見込んでいます。非GAAPベースの営業利益率は、第4四半期は17%から19%、22年度は19%から21%を見込んでいます。

金利収入およびその他の収入は最小限にとどまると見込んでいます。22年度の税引前利益は約300万米ドルから400万米ドルを見込んでいます。完全希薄化後の加重発行済み株式数は、第4四半期および22年度ともに2億500万株から2億1000万株を見込んでいます。

最後に、DocuSignは、世界中の企業のデジタルトランスフォーメーションにとって重要な要素となっています。短期的な変動はあるかもしれませんが、当社は長期的な成長戦略に自信を持っており、トップラインの成長を最優先するというコミットメントを堅持しています」と述べています。

本日はご参加いただきありがとうございました。それでは、質疑応答の時間を設けさせていただきます。

Q&A

Q:現時点で、今年を終えて来年に向けてのビジネスの見通しはどのようになっているのでしょうか?Billingsの見通しが21%から23%というのは、パンデミック前よりも成長率が鈍っていることを意味しています。これはパンデミック後のむち打ち症のようなものではないかと思うのですが、今年を終えたときの成長の見通しはどのようなものになるでしょうか?

A:ですから、皆さんが予想されているように、来年のガイダンスを提供するつもりはありません。しかし、この変化の原因について少しお話しさせてください。前置きが長くなりましたが、今年の上半期は、COVIDによる影響がもっと出ると思っていました。しかし、そうはならなかったんですね。その結果、上半期は予想以上の成果を上げることができました。

しかし、下半期には、追い風がなくなったことで、この影響がより劇的に現れました。これには2つの要素があると考えています。1つ目は、お客様の購買意欲の変化です。COVIDの時代には、特に従業員の大部分が自宅で仕事をしていて、DocuSignのどこでも仕事ができるソリューションの利点を活用する必要がある場合には、本当に何かを導入する必要があるお客様がたくさんいらっしゃいました。

そして、2つ目の要素は、購入の性質が変わってきたことだと思います。私たちは、自分たちの市場からの要求をより満たすようになり、これまで行ってきたことが少なくなり、実際にはより多くの要求を生み出すようになったことに気づきました。私たちが何年もかけて話してきた「土地を購入して拡大する」という動きについて考えてみてください。これは、実行面では予測していなかった部分だと思います。私は、これまでに行ってきた他のすべての動作を行っていないことに気付いたという、その側面を自分のものにしたいと思っています。

これが、ご存じのように、成長の原動力として成功してきたモードに戻れるようにするために、自分たちを少しずつ再編成している理由のひとつです。ですから、これらは何が変わったのかを説明する中核的な要素であると考えています。だからこそ、下半期の売上高は従来よりも減少すると思われます。将来的には昔のモードに戻って、これまでのように需要を生み出し、お客様と一緒に仕事をしていきたいと考えています。


Q:それから、もう1つ質問があります。営業への投資の規模と時期を明確にしてください。そうすれば、そこから得られるマージンプロファイルの影響を考えることができます。また、御社の営業は通常、従来のエンタープライズソフトウェアよりも少し早く立ち上がりますが、新しい営業リソースがトップオブファネルのリードジェネレーションの改善に貢献する時期を測ることができます。

A:CEO回答
はい、そうです。私の考えでは、損益面についてはシンシアがもう少し詳しく説明してくれると思います。これは、販売への投資についての考え方が劇的に変化したということではありません。これは、金額的に大きな影響があるというよりも、実行や調整の質の問題だと思います。私たちは、成長機会の頂点に到達するための投資を継続していくつもりです。しかし、私たちは歴史的にもそのようにしてきたと思います。そして、その規模でより効率的になってきました。私たちのモデルには、非常に魅力的なものがたくさんあります。

むしろ、シンシアがコメントで述べているように、この前の四半期では、私たちが望んでいた以上に収益性が向上しました、と言っても過言ではありません。成長を促進するために、より多くの資金を投入したいと考えていますが、当社の損益に対する見方を長期的に劇的に変えるような、ある種のステップ機能とは考えていません。

A :CFO回答
そうですね。成長のための投資に関するダンのコメントを補足しますと、ここ数四半期、このような営業利益率の水準を維持することは期待できないと話してきましたよね。これは主にトップラインの業績が向上したことによるもので、長期的な目標利益率を予想よりもずっと早く達成することができました。今後も成長のための投資を続けていきますが、それに伴って営業利益率も下がっていくものと考えています。

もうひとつ、ダンが言ったように、私たちが行っている投資は、セールス&マーケティング面でのステップ機能ではありません。しかし、私たちが非常に力を入れている分野のひとつに、イネーブルメントがありますよね。1年半の間に採用した社員や現場スタッフの数を考えてみると、彼らが実際に目にしたのは1種類の顧客需要だけで、それは緊急の需要です。ですから、私たちが投資していく一つのことは、今ある需要を捉えるだけでなく、需要を生み出すことができるように従業員を支援することです。

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