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【RBLX/米国株銘柄分析】「かくれんぼ」も今は仮想空間で!?ゲーム版Youtube/メタバース中心銘柄「ロブロックス(Roblox)」の概要, ビジネスモデル, 今後の株価見通し(将来性/成長性)を直近決算&Earnings CallとCANSLIMの観点から考察。

このマガジンは取り上げた企業の投資を推奨する意図は全くないことを改めて確認いたします。企業の業績チェック、ビジネスモデル、新着ニュースをシンプルに定点観測する読み物です。

(全文無料で読めます)


オンラインゲーミングプラットフォームを展開する「ロブロックス(Roblox)」を取り上げます。

ロブロックスは2021年3月10日にIPOしました(Form S-1)。最近のバズワード「メタバース」ど真ん中銘柄でもあります。

(最新決算の詳細は以下目次記事に掲載していきます↓↓)


ロブロックスといえば、一時非常に話題となったメタバースETF「META」でもポートフォリオ組み入れ率2位となっている銘柄です。

「レゴ(LEGO)」をモチーフにしたゲーム(レゴとの関係は不明)で、月間アクティブユーザーが億人超えのPC、スマホを使って遊ぶゲームです。

RBLX Form S-1


ロブロックスは仕組みがとても面白いです。ゲーム内で「Robux(ロバックス)」という「仮想通貨」があります。その通貨がなんと現金と換えられます。というか換えないとロブロックスでまともに遊べません、楽しくありません(笑)


ユーザーはロブロックス内でアバターの衣装などをデザインして売買ができたりします。ゲームで遊ぶだけではなく、お金が稼げてしまうんです。キャッシュがマジでメタバース(仮想と現実を超える)しています。

ドラクエやファイナルファンタジーなどプレイする上で、FFなら自分のお金を「ギル」に変えて強い剣を買ったりする感じです。

FINAL-FANTASY-VII-REMAKE


ロブロックスは株価も凄まじいことになっています。IPO時のNYSE設定の参考価格45ドルを大きく上回る$113.25(+152%)となっています。約2.5倍になっています。

RBLX 12月7日時点株価チャート



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もう3倍近く上がっちゃったのかよぅ...買い場逃したわぁ...プンプン!!と落ち込む必要はありません。以前に取り上げたショッピファイ(SHOP) はIPO から80倍超えです。ドン引きです。これからさらなる時流に乗ればテンバガーを超える...ピリオドの向こうを越えていける可能性があります。

秀次郎も虎視眈々と狙っていますので、今回じっくりと一緒に分析していきましょう。

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さて、今回の記事では、「ロブロックス(Roblox)」の会社概要・ビジネスモデルと今後の「株価」の成長性を、直近の決算結果(Q3-2021)、そしてオニールの成長株発掘指標である「CANSLIM」の側面から掘り下げていきます。


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秀次郎(Twitterアカウント)が担当者として随時更新していく予定じゃ。フォローしておいてくだされ。

中身は目次から知りたいところだけジャンプして読むと良いぞよ。全部読むのは大変じゃし、まじで疲れる故に投資を検討した時に「そういえば」的に活用していただけると有難いぞよ。わい自身も活用しておる。

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会社概要

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・企業名:Roblox Corporation(ティッカーシンボル:RBLX)
・本社:カリフォルニア州サンマテオ

・設立年月日:2004年
・IPO(上場):2021年3月10日(NYSE)

・主要事業概要:オンラインゲームプラットフォーム提供およびゲーム制作システムの提供

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シリコンバレーにあるかと思っていましたがサンマテオに本社があるんですね。


Robloxの歴史

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・2004年:共同設立者のDavid BaszuckiとErik CasselによってRobloxのベータ版(DynaBlocks)が作成される。
・ 2005年:会社名をRobloxに変更。
・2006年9月1日:正式にサービスを開始。
・2016年4月:RobloxはOculus Rift向けに「Roblox VR」を発売(リリース時には1,000万本以上のゲームが3Dで利用可能だった)。
・2020年7月に:オンラインの「たまり場」として機能する「Party Place(Bloxy Awardsで使用された新技術を用いて作成)」の創設を発表。

Party Place [BETA]

・2020年12月3日:中国でのリリース許可取得。
・2021年:チャットプラットフォームGuildedを買収。

Roblox HP 2021年12月7日時点

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2004年にベータ版作成って...ロブロックスって結構歴史長いんですね。ここ数年で出てきたと思っていました。「漸く時代が俺たちに追いついた」ってやつでしょうか?

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CEOの経歴

創設者、そしてCEOはDavid Baszuckiです。デヴィッドです。でもメディアではバズーキ氏と呼ばれているようです。バズーカみたいですね。

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バズーキ氏はロブロックス 創業前はスタンフォード大学で電気工学の理学士号を取得し卒業。MSCソフトウエアコーポレーションで様々な役職を務め、最後にはゼネラルマネジャーに。

やっぱりスーパー高学歴なんですね。十中八九、有望IPO銘柄の創業者は超有名大学出身です。


ちなみに、やはりメタバースCEO。ツイッターアカウントも存在します。

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約20万人抱えています(なんとなく調べてAFRMのCEOであるMax Levchinも26万人いました)。日本ではソフトバンクの孫さんが約300万人ほど抱えています。前澤さんは1000万人超え。どうでもいいですね。イーロン・マスクは6,472万人です。はいやめます。


バズーキ氏はそういえばあの米国株人気パーソナリティであるジム・クレイマー氏にも壮大なマウントをかましていました。

「20年近く前のオンラインゲームプラットフォームの事業計画では、インタラクティブで没入感のある仮想世界を表す言葉として、ウォールストリートで人気が高まっている「メタバース」の台頭を予見していた」

スクリーンショット 2021-11-26 13.40.28


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ナイスマウンティング!!それでは事業内容を見ていきましょう。

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主要プロダクト(ビジネスモデル)


Form S-1 RBLX


ロブロックスが展開するのはゲームプラットフォームです。「ゲーム版Youtube」とも言われています。プレイヤーが自分のアバターを作成し、他プレイヤーと仮想空間(Roblox)で集います。プラットフォーム上にあるゲームを遊べ、自分でゲーム製作することも可能です。


実際に触ってみないと机上の空論野郎になってしまうので、メタ次郎も自分のアバターを作ってRobloxに潜ってみました。


メタ次郎のRBLXアカウント
Blush Canyon (Obby King)をプレイしながら顔をキメるメタ次郎


お金かかるな・・・と思った点はまずアバターをカッチョよくして仮想空間でもモテようとしたらまさかの課金ボタンが。「時を超越した顔の新しい形」なので仕方ないですかね。

「くっきり」顔は300Robux

Robux(ゲーム内通貨)を購入する必要があります。クレジットカード、デビットカード、ペイパルなどで購入。

アマゾンでモノを買う感覚と一緒です。参考Rateは以下の通りです。1ドル(113円)で80Robux程度。上記の「時を超越した顔の新しい形」は424円ほどで買えます。


  • $0.99 = 80 Robux

  • $4.99 = 400 Robux

  • $9.99 = 800 Robux


サブスク形式での両替もあり、そちらはRobux換算レートが改善します。どんどんロバックスを買ってしまいそうです。これはハマってしまいそう。

以下の記事でも触れましたが、小学生くらいの子供達は誕生日のお祝いなどはロブロックスでお祝いをしたいと思うみたいですね。

キャシー・ハックルさんの息子さんが9歳の誕生日にパーティーを開きたいと言ったとき、彼は友達のためのプレゼントやテーマに沿った飾り付けを要求しませんでした。その代わりに、Robloxでお祝いをしたいと言いました。ロブロックスは、ユーザーがさまざまなゲームを作って遊ぶことができるデジタルプラットフォームです。

「彼らは、一緒に遊んだり、別のゲームに行ったりしていました」と彼女は言います。「仮想空間での出来事だからといって、それが現実でないということはありません。私の息子にとってはとてもリアルなのです」。

https://time.com/6116826/what-is-the-metaverse/


ロブロックスのビジネスモデルは簡単に言えばゲーム内空間でユーザーに「課金(ロバックスに両替してもらいアイテムなどを買ってもらう)」してもらうビジネスです。

年々ユーザーは急増(後述決算分析参照)しており、また「メタバース」という言葉が流行化しますますその存在感は猛威を振るっています。


ゲームといえば、筆者の場合ストリートファイターやマリオカート、PCでいえばHots(Heroes of the Storm)、ワークラ(World of Warcraft)などを思い浮かべてしまいます。

Robloxユーザー」は結構ライト(軽い)な感じで、ロブロックス内でかくれんぼなどをするようです。我々が(年齢バレる)幼少期にリアル世界で行なっていたかくれんぼ、缶蹴り、ドロケイなどをロブロックス内でやってしまっている感じです。面白いですよね。日本では「あつまれ どうぶつの森」が流行りましたが、アレをリアルマネーを使って操作している感じです。

Youtubeで実況してる人いました。こんな感じでみんな遊んでるんですね。鬼滅の刃の禰豆子コスチュームとかもあるんですね。課金しちゃうわ。

(この子達、チャンネル登録者数336万人なんですけど・・・笑)


ロブロックスはクリエイター(エンジニア、プログラマー)も自作ゲームを製作し、ゲーム自体を有料にする、ゲーム内のアイテム、特殊能力などを販売するなどで収益が得られます。(ユーザー利用状況に応じてロブロックスより報酬もあり)


Robloxにはキャッシュポイントはいくらでもありますね。ユーザーに自社通貨を買わせ、自社(やユーザーが製作した)ゲームが提供するアイテム、特殊能力などを売るわけですから。プラットフォーマーの強みが最大限に発揮されます。


それではここからは、株式投資で一番見なければならない、具体的な数字を決算で見ていきましょう。


業績(Q3/2021決算)

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それではこの記事の本番とも言える、直近の決算をReviewしていきましょう。

FORM 10-Q
Q3 2021 Supplemental Materials


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□ 2021年度第3四半期決算結果:

※YoY = year over year(前年同期比)

・売上:$509.3M/YoY+102%(予想に統一感なく無判定試合)
・EPS:-$0.13(
Yahoo Finance 予想:-$0.14)→ ◯

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■ Revenue(売上高)

◇ Q3-2021:$509.3M/YoY+102%

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※YoY = year over year(前年同期比)

Q2-2019:$110.5M
Q3-2019:$119.2M
Q4-2019:$131.1M
Q1-2020:$161.6M(YoY+46.2%)
Q2-2020:$200.4M(YoY+68.1%)
Q3-2020:$251.9M(YoY+92.1%)
Q4-2020:$310M(YoY+110.0%)
Q1-2021:$387M(YoY+139.5%)
Q2-2021:$454.1M(YoY+126.6%)
Q3-2021:$509.3M(YoY+102.2%)

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■ EPS(1株当たり純利益)

◇ Q3-2021:-$0.13(Yahoo Finance 予想:-$0.14)→ ◯

EPSは予想を上回りました。但しSeeking Alphaの予想値は-$0.13と一致でした。そもそも売上高の予想がバラバラすぎるので、このEPSも判定は有効なのか?という感じではあります。

売上とEPSが微妙な判定になりますが、それでも株価は大きく跳ねました。オニール流では機関投資家の動向に注目するため、素直に乗っていきましょう。


(Net loss per share, basic and diluted)

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Q1-2020:-$0.44
Q2-2020:-$0.40
Q3-2020:-$0.26
Q4-2020:-$0.11
Q1-2021:-$0.46
Q2-2021:-$0.25
Q3-2021:-$0.13

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■



■ 営業キャッシュフロー

◇ Q3-2021:$181.2M(YoY-2.2%)

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※YoY = year over year(前年同期比)

Q1-2019:$25.5M
Q2-2019:$14.3M
Q3-2019:$22.9M
Q4-2019:$36.5M

Q1-2020:$43.5M(YoY70.6%)
Q2-2020:$116.6M(YoY+715.4%)
Q3-2020:$185M(YoY+708.7%)
Q4-2020:$179M(YoY+390.4%)
Q1-2021:$164.5M(YoY+278.2%)
Q2-2021:$191.2M(YoY+64%)
Q3-2021:$181.2M(YoY-2.2%)

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Covid-19パンデミックを機にとんでもない営業CFの伸びを記録していますね・・・。多くの人が仮想現実の世界に飛び込んだということでしょうか。凄まじいムーブメントです。


フリーキャッシュフロー

◇ Q3-2021:$170.6M

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(投資額次第で大きく前年同期比は変わるのでYoYはここではあまり良い指標ではないですが)キャッシュ創出力が凄まじいことになっています。

営業CFと同様、2020年は革命の時代だったのではないでしょうか。直近は流石にパンデミック期との比較になりますので、大きく増加はしていませんが、FBのメタバースへの取り組みなども相まってまだまだ株価は元気ですね。


企業KPI

■ BOOKINGS

◇ Q3-2021:$637.8M(YoY+28.5%)

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こちらもCovid-19パンデミック特需の関係でやはり成長率は下がります。


Bookingsとは何か全くわからなかったのでFormS-1まで探しにいきました。

Bookings represent the sales activity in a given period without giving effect to certain non-cash adjustments. Substantially all of our bookings are generated from sales of our virtual currency which we record as deferred revenue and then recognize that revenue over the estimated average lifetime of a paying user. See the section titled “Management’s Discussion and Analysis of Financial Condition and Results of Operations—Critical Accounting Policies and Estimates—Revenue Recognition” for more information, including the methodology for the average lifetime of a paying user estimate. Bookings also include a minimal dollar amount from advertising and licensing arrangements.


Bookings(予約)は、測定期間中にユーザーが購入した仮想通貨(Robux通貨)の量に相当。これを繰延収益として計上し、その後、有料ユーザーの推定平均寿命(平均的な利用期間)に亘って収益(売上)を認識していきます。会計原則的には売上とされませんが、ロブロックスの業績をタイムリーに示す指標として公表されています。


FF7で言えば、自分のお金をFF7内の「ギル」に換金した瞬間にBookingsに反映されるということです。ドラクエでいえばゴールド。ギルがないとマテリア(魔法を使うための球状のアイテム)や強い武器を買えません。

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(Final Fantasy7の武器屋)


ユーザーの平均寿命(estimated average lifetime)」の見積もり方法は、各有料ユーザーグループ(共通した因子を持ち、観察対象となる集団)の月間保有データに基づいて計算されます。

そして、有料ユーザーがプラットフォーム上で過ごし、ロブロックス環境に参加するであろう、と予測される加重平均期間を決定します。

これにより、平均保有期間を算出します。2018年12月期および2019年12月期、ならびに2020年9月30日に終了した9ヵ月間の有料ユーザーの平均保有期間は23ヵ月でした。


1万円を1万ギルに変換したら、1万円を23ヶ月に亘って売上に計上していくというイメージですね。つまり、最新の売上は大半が過去にユーザーがRobux通貨に換金したものが遅れて計上されてきていることが想像できます。


Daily Active Users (DAUs/1日あたりのアクティブユーザー数)

◇ Q3-2021:47.3M(YoY+30.7%)

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右肩上がりに成長しています。1日に4730万人もロブロックス内で遊んでいるんですね。まさにメタバース。


デイリーアクティブユーザーは、「特定の暦日にロブロックスのウェブサイトまたはアプリケーションを介してロブロックスにログインし、訪問したユーザー」と定義されています。要するに1日あたりどれくらい来ているのかです。

2つの暦日にまたがる24時間以内に複数回ロブロックスを訪問した場合、そのユーザーは最初の暦日についてのみDAUとしてカウントされます。ダブりは無しですよと。


Hours Engaged

◇ Q3-2021:11,184M(YoY+28.4%)

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11184百万時間、111.84億時間となっています。こちらも過去最長。

「アワーズ・エンゲージド(接続時間)」は、ユーザーがプラットフォームで過ごした時間です。


Average Bookings per DAU

◇ Q3-2021:$13.49(YoY-1.7%)

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Average Bookings per DAUは、ユーザー1人当たりのBooking(BookingsをDAUで割る)です。こちらは、前年同期に比べるとマイナスになっていますね。


財務状況(資本配分/自社株買い/M&A)

■ 資本配分

まだIPOしたてで公募は行われていません。今後の株価次第ですね。

■ M&A

8月に対戦型ゲーマー向けのチャットプラットフォームを構築するGuilded(Discordの競合/非公開企業)を9,000万ドル(現金と株式)で買収を発表。

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ROBLOX ACQUIRES GUILDED, A PLATFORM TO CONNECT GAMING COMMUNITIES

階層型のボイスチャット、ビデオチャット、統合カレンダー、スケジューリングツールなどのツールや機能を含むプラットフォームを持つGuilded社と共に、ゲームコミュニティの強化を目指します。


FY-2021ガイダンス

10月までの実績が発表されています。2021年10月29日より「Roblox(ロブロックス)」にログインができないトラブル発生。


・10月の最初の27日間の平均DAUは5,050万(YoY+43%)、10月通期は4,710万に減少。
・10月の最初の27日間のHours Engagedは32億時間(YoY+41%)、10月通期は34億時間。
・10月の最初の27日間のブッキングは、1億7,700万ドル〜1億7,900万ドルと推定(YoY+30〜34%)、10月通期は1億6,510万ドル。
・2021年10月通期のGAAPベースの売上高は1億7700万ドルから1億8000万ドルと推定(前年同期9,470万ドル、YoY+90%)



Earnings Call(Q&A)


Q1)障害発生後、プラットフォーム上のユーザーの動向はどのようになっている?エンゲージメントやユーザーの支出はすぐに回復した?

David Baszucki(CEO)

これは、何が起こったのか、また、このようなことが二度と起こらないようにするために取っているすべての手順を共有するために、分析結果を公開する予定だ。それくらいの出来事だった。

復旧後もユーザー数の減少はなく、ユーザーの傾向が継続していることにも非常に満足している。

Q2)第4四半期の典型的な月次スケジュールを教えて欲しい。11月は10月と比べてどう?また、歴史的に見て、ホリデーシーズンにはどの程度の増加が見られる?

Michael Guthrie(CFO)

11月の第1週は非常に好調だった。これは基本的には「障害前の状態に戻る」ための回復が好調の中身。幸運なことに、ユーザーへの継続的な影響は見られなかった。喜ばしいこと。

季節性に関連して言えば、第4四半期は一般的に最も大きな四半期であり、休日のためにバックエンドが多いので、大きな驚きはない。10月と11月は大体同じようなもの。これは何年も前にさかのぼって、ここ2ヶ月間を見てみると、予想通り、人々が家にいることが多くなる感謝祭の前後に、多くのピックアップが見られる。

全体的には、10月の27日間は好調で、良い傾向が見られた。復帰したときには、ユーザーも一緒になって復帰したように見えた。


Q3)現在、プラットフォームの「Average Bookings per DAU」が+13以上に達しているが、開発者がプラットフォーム上で起きていることに反応して、より成熟したコンテンツを作っているということ?また、ボイスチャットやRDCで発表されたレーティングシステムのようなツールを使って、それがどの程度加速すると思う?


David Baszucki(CEO)

私たちは16年以上にわたってこのプラットフォームを構築してきたが、その鍵の1つは、ユーザーが作成したコンテンツ、つまりロブロックスの全てを作っている何百万人ものクリエイターによって支えられていること。

私たちも成長し、パーソナライズされた検索と発見の質を向上させてきたが、私たちのプラットフォームを利用する人々は、自分が探しているものと非常に一致した素晴らしいコンテンツを見つけている。また、クリエイターのコミュニティは、プレイヤーのコミュニティの要望やニーズに非常によく応えている。

面白いことに、1年前、トップ1,000のゲーム体験のうち、13人以上のプレイヤーが13人未満のプレイヤーよりも多かったのは約10%だった。最近では、この数字が28%になっている。

つまり、トップ1,000体験のうち、28%が13人以上の体験となっている。開発者コミュニティはこれに応えて、あらゆる年齢層、世界中の人々、興味のある分野に向けた素晴らしいコンテンツを生み出している。

ニッチなコンテンツもあれば、非常に幅広いジャンルのコンテンツもある。私たちが期待していたことが現実に起こっている。



CANSLIM考察

「CANSLIM」は成長株発掘法の著者、ウィリアム・オニール氏の成長株の見極めに用いられる判断指標です。


オニール氏の理念は以下です。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

・CANSLIMを満たすかどうかで真の成長株かどうかを見極める。
・株価チャートで売買のタイミングを測り大きな利益の獲得を狙う。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


CANSLIMとは以下の頭文字です。これら全てを満たすと「大化け株」となります。(満たしていなくても有望銘柄として売買はOK、投資家の技量が試される)


■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

・C(=Current Quarterly Earnings=当四半期のEPSと売上)
・A(=Annual Earnings Increase=年間EPSの増加、高いROE水準)
・N(=New Products, New Management, New Highs=新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値)
・S(=Supply and Demand=株式の需要と供給)
・L(=Leader or Laggard=主導銘柄か、停滞銘柄か)
・I(=Institutional Sponsorship=機関投資家による保有)
・M(=Marker Direction=株式市場の方向)

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


また短期投資・中長期投資などと投資手法を分けず、「正しい銘柄を正しいタイミングで売買する」としています。

短期投資か長期投資かという選択はほぼないはずだ、ということです。

良い銘柄はそもそも売り時を与えてくれず、そのまま何倍株になると言っています。


まずは、CANSLIMを通して、ロブロックスはオニールが定義する「大化け株」と言えるのかどうかを見ていきましょう。

筆者がロブロックスで行った2021年12月6日時点の判定結果は以下の通りでした。


■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□

C:△
A:X
N:X
S:△
L:◯
I:◯
M:X

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

IPO銘柄故に、CANSLIM判定は輝かしい成績にはどうしてもなりません。しかし、しっかりと高い売上成長率を誇る素晴らしいビジネスを展開している企業です。タイミングによってはリターンを狙っていって良い銘柄と言えます。12月7日時点はMarket in correction(調整相場)中なので、新規の買いは控えてください。


RBLX 12月7日時点株価チャート


それでは各項目の詳細を見ていきましょう。


■ C(=当四半期のEPSと売上)  △

C(=Current Quarterly Earnings)を見ていきます。

ここでは以下の2つを判定します。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴ 当四半期のEPSが前年同期比で25〜30%以上か?
⑵ 売上が25%(または直近3四半期で伸び率が加速)以上伸びているか?

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


⑴ 当四半期のEPSが前年同期比で25〜30%以上か?

当四半期のEPSが前年同期比で大きな伸び率を示しているかどうかを見ます。最低目標は25〜30%です。より保守的に見るのであれば40〜500%です。

ロブロックスはまだ赤字フェーズであり、判定自体は「×」となります。


(Net loss per share, basic and diluted)

スクリーンショット 2021-11-26 15.17.29

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

Q1-2020:-$0.44
Q2-2020:-$0.40
Q3-2020:-$0.26
Q4-2020:-$0.11
Q1-2021:-$0.46
Q2-2021:-$0.25
Q3-2021:-$0.13

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


すでにメインの判定は「×」ですが、以下の補足条件も確認します。

① 過去10四半期に以前に比しEPS成長率が加速しているか?
② 2四半期続けて大幅にEPSが成長しているか?
③ 翌四半期、翌々四半期も力強い成長が予想されているか?
④ EPS成長率が66%以上の減少が二四半期続けば危険水域。

①②③④はまだIPOして間もなく、赤字なので無判定。


⑵ 売上が25%(または直近3四半期で伸び率が加速)以上伸びているか?

次に売上の伸びを見ていきます。ロブロックスのQ3売上は$509.3M/YoY+102%です。25%以上伸びていますので、楽勝でクリアですね。「◯」です。

スクリーンショット 2021-11-26 14.07.20

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

※YoY = year over year(前年同期比)

Q2-2019:$110.5M
Q3-2019:$119.2M
Q4-2019:$131.1M
Q1-2020:$161.6M(YoY+46.2%)
Q2-2020:$200.4M(YoY+68.1%)
Q3-2020:$251.9M(YoY+92.1%)
Q4-2020:$310M(YoY+110.0%)
Q1-2021:$387M(YoY+139.5%)
Q2-2021:$454.1M(YoY+126.6%)
Q3-2021:$509.3M(YoY+102.2%)

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴EPSは「×」、⑵売上も「◯」です。C(=Current Quarterly Earnings)は「△」とします。


■ A(=年間EPSの増加、高いROE水準) X


ここでは以下の2つを判定します。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴ 年間EPSが過去3年連続で増加しているか?
⑵ 企業のROEが最低でも17%を超えているか?

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


⑴ 年間EPSが過去3年連続で増加しているか?

年間EPSが過去3年連続で増加しているかどうか、増加率が25〜50%以上の銘柄かを見ていきます。2年目のEPSが下がっている銘柄は除外されます。また、アナリストのコンセンサス予想が翌年EPSが上昇すると見込んでいるかも確認します。

ロブロックスの過去の年間EPSを見ていきます。


■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

FY2020:-$1.09
FY2021:-$0.87(Q3までの実績+アナリスト予想)
FY2022:-$0.76(アナリスト予想

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


まだ赤字フェーズなので判定は「×」とします。IPO銘柄は仕方ないですね。


⑵ 企業のROEが最低でも17%を超えているか?


ROEが最低でも17%を超えているかどうかをチェックします。ロブロックスは赤字なので判定不能です。

⑴⑵合わせて、ここではA(=年間EPSの増加、高いROE水準)は「×」とします。


■ N(=新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値) X


N(=New Products, New Management, New Highs)を見ていきます。

株価が驚くような上昇を見せるには何か新しいもの(収益増加率を加速的に伸ばす原動力)が必要です。

ロブロックスはスクリーンの中でセカンドライフとも言えるメタバース空間を創出しました。今後もこの流れは加速していくとも思われます。ファンダメンタル部分はここでの判定において疑問はないでしょう。


さて、N(=New Products, New Management, New Highs)は正しい株価ベースを抜けて最高値であるという条件も加わります。チャートを確認しましょう。

過去最高値は$141.60です。

RBLX 12月7日時点株価チャート


この値を適切なベースを抜けて突き破っていかなければなりません。今は地合いも悪く、S&P500指数自体が50MAを割ってしまっているので新値を取りにいくのは時間がかかるかもしれませんね。

N(=New Products, New Management, New Highs)の判定は「×」になります。


■ S(=株式の需要と供給) △

S(=Supply and Demand)を見ていきます。Sは以下の複数項目があります。一つずつチェックしていきます。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴ 浮動株比率(大企業(米国基準で時価総額100億ドル以上)であれば経営陣が1-3%、中小企業であればそれ以上が望ましい)
⑵ 自社株買いをしている企業かどうか。
⑶ 企業の負債比率が低く推移しているかどうか。
⑷ 直近の出来高(機関の大きい買いが確認できるか)

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⑴ 浮動株比率(大企業(米国基準で時価総額100億ドル以上)であれば経営陣が1-3%、中小企業であればそれ以上が望ましい)

例えば、発行済株式数が5,000万株ほどの比較的供給量の少ない銘柄ならある程度の買いで株価が大きく上昇します(その分リスクも隣り合わせです)。

ロブロックスの総発行株式は527.5百万株です。非常に株数が多いです。「Implied Shares Outstanding」はここでは転換社債を指します。つまり潜在株がさらに存在するということです。


ロブロックスの浮動株の数を見ていきます。

大企業(米国基準で時価総額100億ドル以上)であれば経営陣が1-3%、中小企業であればそれ以上が望ましいです。企業として株価上昇に対する努力への期待度を示します。

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・Shares Outstanding(総発行済株式数):527.5百万株
・Float:(浮動株式数):331.4百万株
・浮動株比率:62.8%

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ロブロックスの時価総額は2021年12月6日時点で658.66億ドル(約7兆円)なので「大企業」です。

簡易的ではありますが、同社の浮動株比率は62.8%(つまり残りは37.2%)。経営陣が保有している株式比率が3%を超えています。こちらは「◯」です。


⑵ 自社株買いをしている企業かどうか。


上記「財務状況」の項目でも触れましたが、オニール流の「自社株買いをしている企業が望ましい」という点については、ロブロックスは満たしていません(IPOしたばかりで不可能)。アップルやペイパルのように積極的な自社株買いを行う方針は出していません。

「×」です。


⑶ 企業の負債比率が低く推移しているかどうか。


次に、総資本に対する負債比率の低い企業かどうかを見ていきます。過去2-3年で負債比率が減少していれば、利息支払い費用が削減されEPS向上が見込まれます。


特にIPOしたばかりの銘柄は収益が小さいため、この利息費用のインパクトが大企業に比べて大きいので、しっかり見ておく必要があります。

ロブロックスはIPOしたばかりなので、IPO前のデータを活用します。


RBLX S-1資料
RBLX IR



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■ 2020年12月31日

総資本:1,848 million
負債:1,735 million
負債比率:93.4%

■ 2019年12月31日

総資本:773 million
負債:741 million
負債比率:95.86%

■ 2018年12月31日

総資本:550 million
負債:503 million
負債比率:91.4%

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簡易的ではあるものの、負債比率は上下動しており改善しているとは言えないですね。今後も注視していきたい項目ではありますが、ここでは「×」としておきます。


⑷ 直近の出来高(機関の大きい買いが確認できるか)


最後に、直近の出来高についてです。

RBLX 12月7日時点株価チャート


直近は売買が集中しており、Pivot Pointoからしっかりと利確ポイントまで株価は上昇していきました。しかし、今は地合いの影響もあり株価は下落基調です。


機関投資家の動向をMarket Smithで確認すると、2021年12月6日時点で「Acc/Dis Rating」は「B」です。

Acc/Dis Rating = Accumulation/Distribution Rating(過去13週間における特定の銘柄に対する機関投資家の買い(集積)と売り(分配)の相対的な度合い)

A = 買いが多い
B = ほどほどの買い
C = 買いと売りが同程度
D = 適度な売り
E=売りが多い


⑷は機関の購入がそれなりに確認できますが、総合的に判定は「△」としておきます。


⑴「◯」⑵「×」⑶「×」⑷「△」なので、総合判断としてS(=Supply and Demand)は「△」を置きたいと思います。


■ L(=主導銘柄か、停滞銘柄か) ◯

業界内で最高の業績を記録しているかどうかを測る「L(=Leader or Laggard)」を見ていきましょう。

ここでは業界内上位2-3銘柄に入っているかどうかを判断します。


これは、レラティブストレングス指数が80〜90台かどうかで判断をします。

レラティブストレングス指数とは、ある特定の銘柄の値動きを市場の残りの銘柄の値動きと過去五二週間にわたり比較するものです。 各銘柄に1~99の数値が割り当てられ、高ければ評価が良いと判断されます。

ロブロックスのRSは、直近3ヶ月では99、1週間では96です。

RBLX 12月7日時点株価チャート


L(=Leader or Laggard)は「◯」です。



■ I(=機関投資家による保有) ◯


I(=Institutional Sponsorship)を見ていきます。

株価を押し上げるには大きな需要が必要です。投資信託、年金基金、ヘッジファンド、保険会社など。機関投資家に保有されている銘柄であるかどうかが非常に重要になります。


また、その機関投資家は高いリターンを出す優秀な組織体(ファンド)なのか?という点も大切です。

見極め方として、最近の四半期で保有する機関投資家の数が着実に増加しているか、株主数が著しく増加しているか。


また株主となった機関投資家は誰なのかまで詳しく調べます。

「優秀なファンドが大人買いしているか」を満たさなければならないのでかなり高度な判定です。

機関投資家の数自体は以下の推移となっております(Market Smithより)。

増加していますね。

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Mar-21:197
Jun-21:338
Sep-21:380
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直近の株主は以下の通りです(Yahoo Finance:Holders)。

◇ Top Institutional Holders(機関投資家保有上位)

アクティブファンド を見ても、優秀ファンドである「Morgan Stanley Inst Fd Inc-Growth Port」「Harbor Capital Appreciation Fund」などのお墨付きの銘柄であることがわかります。

◇ Top Mutual Fund Holders


I(=Institutional Sponsorship)は優秀ファンドに購入されており、機関投資家数、ポジション数も増加しているので、「◯」としたいと思います。


■ M(=株式市場の方向) X

M=Marker Directionはロブロックスに関わらず全銘柄に関わることです。

「強気相場」であればグロース株を積極的に買っていっても良いとされています。2021年12月6日現在は「Market in correction(調整相場)」です。積極的に株を買ってはいけません。

その根拠は週刊レポートで確認してください(毎週末に定期更新)。

米国株式市場:今週の合戦の振り返り!


2021年12月7日時点の株価チャート

RBLX 12月7日時点株価チャート


機関の買いなども確認できており、50MAの遥か上に株価もまだ止まっており、なんとかベースを作り新高値を取りに行くのであれば買い場とも言えますが、現在はMarket in correctionです。

新規の買いは一旦ストップでお願いします。


ーFINー

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