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【FB/2021/3Q決算速報】、2021年第3四半期の結果は売上◎、EPS◎。広告単価の上昇が寄与し業績を引き上げる。ガイダンスの明言控える。アフターで暴落。CANSLIM定点観測。

このマガジンは取り上げた企業の投資を推奨する意図は全くないことを改めて確認いたします。企業の業績チェック、ビジネスモデル、新着ニュースをシンプルに定点観測する読み物です。

(FBの会社概要・歴史・ビジネスモデル考察は以下を参照してください。)

大注目の「FB」のQ3-2021の結果が出ました。売上とガイダンスがミスしているにも関わらずAHで上昇しています。

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直近高値の384.33ドルからの下落である程度織り込まれていた可能性が高いの。後述するが、未来志向が好感されている可能性もあるぞい!

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それでは詳しく見ていきましょう!(Earning Callsが発表されたら内容も補完してパワーアップしていきますので、夕方以降にまた覗いてみてください!)

1. Revenue(売上高)


Q3-2021:売上$29.01B/YoY+35.12%増(アナリスト予想:$ 29.58B)。

売上成長率は鈍化しています。明確にブレーキが掛かっていますね。今回のガイダンスでも言及ありましたが、やはり想定以上のAppleのiOSの規制強化の影響が大きかったことが見て取れます。

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■ 売上推移

※YoY = year over year(前年同期比)

Q1-2019:$15,077M (YoY +26%)
Q2-2019:$16,886M(YoY +28%)
Q3-2019:$17,652M(YoY +29%)
Q4-2019:$21,082M(YoY +25%)
Q1-2020:$17,737M(YoY +18%)
Q2-2020:$18,687M(YoY 11%)
Q3-2020:$21,470M(YoY +22%)
Q4-2020:$28,072M(YoY +33%)
Q1-2021:$ 26,171M(YoY +48%)
Q2-2021:$ 29,077M(YoY +56%)
Q3-2021:$ 29,010M (YoY+35.12%)

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広告単価が期待ほど上昇していないことが大きな要因となっています。前3Qに比べると上昇していますが、1Qから殆ど横ばいですね。

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Monthly Active Userも予想通りの増加となっていますが、明らかに鈍化しているのが見て取れます。

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Earning Callsでも記載しておるが、AppleのiOSの変更のほかに、今まで順調に成長していたSNS Commerceが軟調に陥っていることが示されています。

SNS CommerceとはSNS上で見つけた商品をその場で購入できるサービスのことです。(6のEarning Callsを参照)

更にこれらの要因に加えて、世界的なサプライチェーンの問題や労働力不足により、多くの広告主が消費者向けビジネスの在庫を抱えているというビジネス側の側面もあります。

提供する物やサービスがなければ、企業が広告費を支払うことができませんからね。すべての地域の、さまざまな業種のビジネスが影響を受けているとしています。

逆境に次ぐ逆境ですね。

2. EPS(1株当たりの当期純利益)

Q3-2021:(non-GAAP)EPSは$3.22/YoY+18.8%(アナリスト予想$3.19)

成長率はYoYで100%超えを記録した前四半期から一転して大きく鈍化しています。ただ、事前の予想はクリアしています。

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■ EPS推移

※YoY = year over year(前年同期比)

Q1-2019:$0.85 (YoY △50%)
Q2-2019:$0.91(YoY △48%)
Q3-2019:$2.12(YoY +20%)
Q4-2019:$2.56(YoY +8%)
Q1-2020:$1.71(YoY +101%)
Q2-2020:$1.8(YoY +98%)
Q3-2020:$2.71(YoY +28%)
Q4-2020:$3.87(YoY +51%)
Q1-2021:$ 3.30(YoY +93%)
Q2-2021:$ 3.61(YoY +100%)
Q3-2021:$ 3.61(YoY +100%)

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利益率は営業利益率と純利益率で低下傾向が続いています。

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3.ガイダンス

さて、重要なガイダンスの話に移ります。

2021年第4四半期の総売上高は31.5Bから34.0Bの範囲になると予想。アナリスト予想が34.89Bであることを受けると弱いガイダンスです。

この見通しはアップル社のiOS 14の変更による継続的な逆風や、マクロ経済やCOVID関連の要因を考慮していると説明しています。

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これはSNAPと同じじゃな。iPhoneでアプリ起動すると以下のような表示目にするじゃろ?

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これでトラッキングしないように要求をクリックすると、企業は消費者の履歴を元に広告を最適表示できなくなり広告単価が伸びなくなるんじゃ。

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また、昨年の年末商戦で「Quest 2」を好調に発売したことを受け、第4四半期の広告以外の収入は前年同期比で減少すると見込んでいるとのことです。

また、大西洋をまたぐデータ転送の実行可能性と欧州事業への潜在的な影響に関する動向を引き続き注視しています。(上記点については以前からずっと続いている事案ですが欧州から北米へのデータ転送ができないということで決着しそうです)

アイルランドの高等法院は14日、欧州連合(EU)域内からの個人データ移転を禁じたアイルランドデータ保護委員会(DPC)の仮命令を不服とした米フェイスブック(FB)の訴えを退けた。最終的に米国のサーバーへのデータ転送が禁止されるようになれば、FB以外にも影響が及ぶ可能性がある。

ロイター通信などが報じた。アイルランドのDPCが昨年8月にFBへの調査を始め、データ移転を禁止する仮命令を出していた。高等法院は「FBがDPCの決定に反論する根拠を示せなかった」と指摘した。

欧米間の個人データ移転を巡っては、米中央情報局(CIA)元職員のスノーデン氏が2013年に米IT企業を通じた政府の情報収集を暴露し、欧州でプライバシー保護の機運が一段と高まった。(産経)


2021年の総支出は、前回の見通しである700億ドルから730億ドルに変更し、700億ドルから710億ドルの範囲になると見込む。

2022年通年の総費用は、技術・製品関連の人材への投資やインフラ関連費用などにより、910億ドルから970億ドルの範囲になると見込む。

2021年の資本支出は、事前予想の190-210億ドルから更新して約190億ドルを見込む。2022年の資本支出は、データセンター、サーバ、ネットワークインフラ、オフィス施設などへの投資により290億〜340億ドルの範囲になると見込む。(メタバース関連)

2021年第4四半期の税率は10%台後半になると予想。

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また、今回大きな発表があったぞ!

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4QからFacebook Reality Labs(FRL)を独立した報告セグメントとして分離予定と発表。

現在、FBは次世代のオンライン・ソーシャル体験であるメタバースの実現に向けてAR・VRおよび関連サービスに多大なリソースを投入中。新しいセグメントの開示では、FRLの業績およびFBが同領域に対して行う投資に関する追加情報を提供しておる。

今後は以下のメッシュで決算を発表するとしています。

Family of Apps:
Facebook、Instagram、Messenger、WhatsApp、その他のサービス

Facebook Reality Las:
ARやVR関係


Facebook Reality Labsへの投資により、2021年の営業利益は約100億円減少すると予想するほど力を入れており、今後数年間は投資を増やしていく予定としています。


フェイスブックは7月にメタバースに取り組むチームの結成を発表。その2ヵ月後には、現在フェイスブックのハードウェア部門の責任者であるアンドリュー・"ボズ"・ボスワースを、2022年に最高技術責任者に昇格させると発表しており人材面でも資金面でも肝いりという感じですね。


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AHのプラスは新たな世界実現に向けた未来志向が好感されておる可能性があるの!

ではそもそもメタバースとは何かということについて簡単に説明していこうぞ!

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メタバースとは3D環境の中で複数の人が交流できるデジタル世界です。つまり、仮想現実世界の中で、あたかも実社会のような交流ができる新世界の構築を目指しているわけです。(そもそも、この現実が仮想現実である可能性があるとイーロンマスクもいっており、夢かうつつか状態ですがw)


◎メタバースとは何か
メタバースという言葉は幅広い意味を持つ。人々がインターネット経由でアクセスできる共有の仮想世界空間の全般を表すための用語だ。

メタバースは、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)技術を使い、より現実世界に近づけたデジタル空間を指すこともある。

メタバースのファンは、これがインターネットの次の発展段階になると考えている。現在、人々がオンラインで交流する際にはソーシャルメディアのプラットフォームを訪れたり、メッセージアプリを利用したりする。メタバースが目指すのは、人々がもっと多次元で交流できる新たなオンライン空間を作り出すことだ。そこではユーザーがデジタルコンテンツを見るだけではなく、自らその中にどっぷりつかることができる。

メタバースへの関心が加速度的に高まったのは、新型コロナウイルスのパンデミックが原因かもしれない。リモートで勤務や学校の勉強をする人々が増えたため、より現実世界に近づけたオンライン交流の需要が高まった。

メタバースについては6番のEarning Callsで詳しく取り上げています。

4. CF (営業CF,投資CF,財務CF)

以下はFBのCFの推移です。営業CFで投資CFと財務CFのマイナスを賄っています。

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今期財務CFが大きくマイナスになっているのは自社株買を大量に行なっているからです。

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といってもYoYで△0.63%というレベルではありますが、いつもより大きい自社株買ではあります。

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自社株買を多く行なったということはFBの経営陣が将来の成長を考えると現在の株価が割安であるというアナウンス効果も持ちます。

メタバース実現後のFBのことを考えると割安であるというアナウンスも込められているのかもしれません。

5. 財務状況

FBの財務状況は安定しています。以下は総負債比率ですが下落傾向にありますが、今回は若干上昇しました。今後、メタバース拡張に向けて比率が上昇することはあるかもしれません。

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6.Earning Calls

今回はEarning Callsが非常に重要となりますね。会社側参加者は以下3人です。

CEO:マーク・ザッカーバーグ
COO:シェリル・サンドバーグ
CFO:デイヴ・ウェナー


□Earning  Calls 要約

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ワシがよみとったEarning Callsの重要なポイントをまとめると以下ぞ。ただニュアンス掴むために以下のパートの訳にも目を通す方がよいぞ!

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✔︎ 優先事項は短編動画のリールの進展、ショップ機能の進展、メタバースの順
✔︎ リールはInstagramで収益化できてきており今後FBに拡大予定
✔︎ 勢いよく成長してきたショップ機能の成長は鈍化。今後仕掛けていく
✔︎ メタバースは長期的に実現させたい肝いり。今後支出を毎年ふやしていく
✔︎ AppleのiOS変更の対応をおこなっている。Webでのコンバージョン(成約)の測定漏れの修正をおこなっている。今年末までには、過少報告の半分以上に対応できると思う。そして、2022年に向けて、この取り組みを続けていきます。
✔︎ 第3四半期には、主に技術職を中心に4,700人以上の新規採用を行なっており技術の進展の速度を早めるよう努めている。


□ザッカーバーグパート(今後の報告性を示すパート)

予想通り、当四半期は収益の逆風に見舞わている。当社のビジネスだけでなく、何百万もの中小企業に悪影響を及ぼすアップル社の変更の影響があり、中小企業や経済にとってすでに困難な時期となっています。(Appleを非難する姿勢)

ただ、今後行う投資で乗り越えていくことができると信じている。

クリエイティブエコノミーとコマースツールはまだ発展途上であり、何百万人もの人々が自分の好きな仕事で生計を立てる機会があるはずです。私たちの3つの製品の優先順位は、クリエイター、コマース、そして次のコンピューティングプラットフォームの構築の順番です。

非常にエンターテインメント性が高く、今後も大きな可能性を秘めていると思います。これは今後も成長を続けると予想しており、「リール」が「ストーリーズ」と同様に当社の製品にとって重要なものになると考えている。一番大きな競合はTikTokだ。

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リールはまあ短編動画じゃな。まさにTikTokとばちばち競合じゃ。
リールについての説明URL

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次の優先事項はコマースです。

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これは以前から話がでておるFacebookやInstagram上で物が購入できるSNS Commerceの分野じゃな!

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人々が興味のある新製品を発見し、アプリ内で顧客を獲得できるようサポートするサービスです。私たちは多くの機会を解き放つことになるでしょう。アップルの変化により、ウェブ上でのEコマースや顧客獲得が困難になる中で、企業がアプリ内でショップを立ち上げることができるソリューションは、企業にとってますます魅力的で重要なものになるでしょう。

私たちは、企業のウェブサイトとプラットフォーム上のショップのどちらを表示するかを、企業のパフォーマンスに応じて動的に選択できる広告などのソリューションを構築。

これにより、より多くの企業が、この困難な環境を乗り越えることができるようになりった。本格的なコマースプラットフォームの構築には、何年もの歳月が必要です。マーケットプレイスはすでに大規模化しており、多くの人々に利用されています。特に、サプライチェーンの問題で新製品の入手が困難になっている現在、マーケットプレイスは重要な役割を果たしています。

今年のホリデーシーズンにはエキサイティングなプログラムを計画しています。ショップに最も多くの投資をしている企業と密接に協力して、新しい顧客を見つけ、ビジネスをさらに急速に成長させるために何が有効かを確認します。そして2022年には、これらのソリューションをより広く展開していく予定。


3つめはメタバースです。(長期的に主要な戦略)

リールやコマース以外では、次のコンピューティングプラットフォームを構築し、メタバースの立ち上げを支援するための長期的な取り組みについてもご紹介したいと思います。これは当社の主要な投資分野であり、今後の戦略の重要な部分を占めています。なぜなら、まるで他の人と一緒にいるかのような臨場感を提供することは、オンライン・ソーシャル体験の至上命題だからです。

今後10年の間に、これらの新しいプラットフォームが、私がFacebookを始める前から構築したいと考えていた種類の体験を実現してくれるでしょう。このような社会的体験とともに、クリエイターの経済活動や、デジタル商品や商取引の量も大幅に増加することが予想されます。

もしあなたが毎日メタバースにいるのであれば、デジタルウェアやデジタルツール、さまざまな体験が必要になるでしょう。私たちの目標は、メタバースがこの10年間で10億人の人々と数千億ドルのデジタルコマースに到達するのを支援することであり、次のプラットフォームの形成を戦略的に支援することで、競合他社へのサービス提供への依存度を減らすこともできるはずです。メタバースの基盤となるプラットフォームの構築は、長い道のりになるでしょう。

私たちは、複数世代のVRおよびAR製品を同時に開発しているほか、新しいOSや開発モデル、デジタルコマースプラットフォーム、コンテンツスタジオ、そしてもちろんソーシャルプラットフォームも構築しています。そこで、当社のビジネスにとっての重要性を反映させるために、本日、財務報告の変更を発表しました。次の四半期から、Facebook Reality Labsの財務指標を、当社のアプリ群とは別に開示することにしました。

これにより、投資家の皆様には、当社が行っている拡張現実やバーチャルリアリティへの投資について、さらなる可視性を提供することができます。2021年には、これらの投資によって当社全体の営業利益が約100億ドル減少すると予想しています。そして、この投資は今後数年ごとにさらに拡大していくと考えています。


□ シェリル・サンドバーグのパート(今回決算について)

第3四半期に見られた収益の軟化について説明するとともに、逆風を緩和し、重要なホリデーシーズン以降のビジネスを支援するために当社が行っていることについて説明する。

最も大きいのは、アップル社のiOS 14の変更による影響です。この変更は、同業他社にも逆風をもたらし、中小企業には大きな課題となり、アップル社自身の広告事業にも有利に働きました。この影響は第2四半期から見られ始めましたが、6月下旬にはコンシューマー向けの導入が活発化し、第3四半期には臨界点に達しました。その結果、2つの課題が発生。

1つは、広告のターゲティング精度が低下し広告主の成果を上げるためのコストが増加したこと。もうひとつは、成果の測定がより困難になったこと。

私たちは、企業がより多くの新規顧客を獲得し、より多くの売上増を達成できるようなコマースツールを構築している途中(ザッカーバーグパート参照)。また、長期的には、業界他社と協力してプライバシー保護技術を開発し、適切な広告を表示しつつ、処理する個人情報の量を最小限に抑えられるようにしている。これらの分野での進展には時間がかかりますが、2022年以降も重点的に取り組んでいきたいと考えている。

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コンバージョンが正しく測定されないと広告をどう打てばよいのかわからなくなるからの。これは広告を打つ企業にとっては把握することが不可欠なことなんじゃ。

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計測に関しては、先日のブログ記事でお伝えしたとおり、IOSのウェブコンバージョンを過少に報告していると考えています。これは、多くの広告主、特に秋の広告主にとって、売上やアプリのインストールなどの実際のコンバージョンが報告されている数値よりも高いことを意味していますが、我々はその修正を順調に進めている。

今年末までには、過少報告の半分以上に対応できると思う。そして、2022年に向けて、この取り組みを続けていきます。

もうひとつの外部要因は、Eコマースの成長の流れです。ここ数四半期のEコマースの力強い成長は、デジタルトランスフォーメーションの加速が一因でしたが、現在は先細りとなっています。

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これは由々しいの。今まで堅調が伝えられておったSNS Commerceが軟調じゃと。

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しかし、Eコマースの成長が止まったわけではありません。企業はいまだにオンラインへの移行を進めていますが、流行の最盛期のようなペースでeコマースが成長しているわけではありません。

これらの要因に加えて、世界的なサプライチェーンの問題や労働力不足により、多くの広告主が消費者向けビジネスの在庫を抱えています。これにより、消費者からの需要を喚起する意欲が減退し、広告費に影響を与えています。すべての地域の、さまざまな業種のビジネスが影響を受けています。

このような逆風にもかかわらず、当社は将来に対して自信を持っています。FacebookとInstagramは、人々が友人や家族とつながり、コミュニティを構築し、ビジネスを成長させるための最高の場所であると信じている。

<<リールは好調>>

先ほどマークが動画の話をしました。この分野は全体的に成長しているだけでなく、収益化の面でも引き続き優れている。

毎月20億人以上の人々が、動画の前、中、後に表示される広告であるインストリーム広告の対象となる動画を視聴。また、Instagramのリール広告へのアクセスをより多くの広告主に拡大し、新しいクリエイティブへの自動配置を行っている。また、リードジェネレーションの分野でも大きな進展がありました。

当社の製品は、企業が質の高いリードを大規模に生成し、メッセージングフォームや電話などの好みのコミュニケーションチャネルを利用しているお客様に対応できるよう支援。4月からは、より質の高いリードを獲得するために、最適化を目的とした新しいコンバージョンの導入を開始した。また、広告主は、当社のコンバージョンAPIを通じて、CRMとFacebookを統合することができる。

テストの結果、最適化ゴールと統合の両方を利用した場合、広告主は平均してリードから売上への転換率が20%向上することが判明した。第4四半期は、大企業、中小企業を問わず、多くの企業にとって1年で最も重要な四半期です。いつものように、私たちは彼らのためにホリデーシーズンを成功させることに注力している。


□ ディブ・ウェナーのパート(数値面での補足)

第3四半期は、当社のサービスで配信された広告インプレッションの総数が9%増加。また、広告の平均単価は22%増加。インプレッション数の増加は、主にアジア太平洋地域を中心とした新興市場が牽引。単価面では、昨年第3四半期のCOVID関連の価格低迷を補う形で、広告主の需要が増加。しかし、シェリルが述べたように、成長の妨げとなったのは3つの主要な逆風でした。

売上原価が38%増加。これは主に、コンスーマーハードウェアのコスト、コアインフラへの投資、パートナー企業への支払いによるものです。研究開発費は、主に、主力製品およびコンスーマーハードウェアの開発をサポートするための雇用により、33%増加しました。

マーケティング・販売費は、主にハイエンド製品のマーケティング費用により32%増加。最後に、G&A費用は、主に法務関連費用と従業員関連費用の増加により、65%増加。第3四半期には、主に技術職を中心に4,700人以上の新規採用を行いました。当四半期のフルタイム従業員数は、前年同期比28%増の6万8,100人となった。

□Q&Aセッション

Q.リールに関するものです。長期的な普及に向けてかなり重要な部分を占めているようですね。現在のユーザーの採用状況、現在のエンゲージメント、あるいは現在リールを使用している人々の属性について、何か情報があれば教えていただきたいと思います。

A.リールは、インスタグラムにとって明るい話題であり、現在、さまざまな市場で世界的に順調な成長を遂げています。Facebookでの展開については、収益化の面ではまだ早い段階で、Instagramでは広告の展開を始めたばかりなので、その面ではまだ早く、FacebookでのReelsの収益化のポイントはまだ掴めていません。


Q.AppleとATTの変更についての質問です。精度と測定方法の改善についての説明に感謝します。これまでの投資で最も進展があった分野と、課題が増えている分野について、具体的に教えてください。ありがとうございます。

A.今回のiOSの変更には、2つの大きな課題があります。1つはターゲティング、もう1つは測定です。測定については既述しているので省略。

ターゲティングは、より長期的な課題です。当社のダイレクトレスポンス製品は、ユーザーレベルのコンバージョンで成り立っています。しかし、IOSの変更により、同じレベルのコンバージョンデータが入ってこなくなりました。

そのため、少ないデータでも機能するように、ターゲティングと最適化のシステムを再構築する必要があります。これは複数年にわたる取り組みで、私たちが知る個人情報の量を最小限に抑えるためのプライバシー強化技術を開発し、より集約された、あるいは匿名化されたデータを使用する一方で、関連性のあるパーソナライズされた広告を表示し、広告効果を測定できるようにしています。

この技術が本当に機能し、すべての企業にメリットをもたらすためには、業界を超えた協力体制と、より多くのコマースツールが必要です。これらは長期的な取り組みになるでしょう。


Q.Reality Labsの長期的なビジョンに基づいてマークが構築しようとしているものとをどのように考えるべきか、また、それが今後数年間の恒久的な設備投資と一時的な設備投資の性質をどのように左右するのか?

A.2022年の費用の見通しについては、まだ時期尚早であることは明らかですが、通常は第3四半期に行うため、予想される費用の範囲について最初の見通しを示したいと考えています。マークが概説したように、当社には事業全体で投資している多くの優先事項があり、その中には中核となるアプリファミリーやFRLの多くの分野が含まれています。広告、AI、コマース、プライバシーなど、さまざまな分野で優先事項があります。

これらを総合すると、来年はかなり強力な支出計画が立てられることになります。主な要因は、2022年に向けて従業員数の増加を加速させることであり、当四半期のように従業員数が20%を超えることも考えられます。また、2022年に従業員の大部分がオフィスに戻ってくると、オフィス運営費や出張費が増加することも予想されます。現時点では、セグメント別費用の具体的な内訳は示していません。




コラム:直近の課題について

Facebookは現在、元従業員による内部告発がおこなわれています。以下CNBCの記事です。

ザッカーバーグは、内部告発者で元従業員のフランシス・ハウゲンが流出させた文書に端を発する報道が相次いだことを受けて、自社を猛烈に擁護する形で決算説明会をスタートさせました。

ハウゲン氏が公開した会社の内部文書によると、米国におけるFacebookアプリの10代のユーザー数が2019年以降13%減少しており、今後2年間で45%減少すると予測されています。また、20歳から30歳までのユーザー数は、その期間中に4%減少すると予想されていることが、文書に記されていました。

ハウゲンは当初、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に文書を提供し、ウォール・ストリート・ジャーナル紙はその文書をもとに一連のニュース記事を掲載しました。また、今月初めには上院の委員会に出席し、同社での経験について証言しました。それ以来、ハウゲンはさらに複数の報道機関に文書を公開し、追加のニュース記事につながっています。
これらの報告書によると、フェイスブックは、同社のアプリやサービスが特に10代の少女たちにもたらす害悪の多くを認識しているものの、問題を是正しないか、対処に苦慮していることがわかります。今後数週間にわたり、さらに多くの文書が毎日共有される予定です。


これに対してザッカーバーグはEarning Callsで以下のように釈明をして自社を擁護する形で冒頭の挨拶としています。

批判があることで改善されるのは良いことですが、私の考えでは、これらの文書を選択的に使用して当社の誤ったイメージを描こうとする協調的な努力が見られると思います。現実には、当社にはオープンな文化があり、当社の仕事についての議論や研究を奨励しています。

私たちは、製品の影響を研究し、進捗状況を透明化するための業界ミーティングプログラムを実施していますが、それはこの問題を正しく解決することを重視しているからです。意思決定を行う際には、表現の自由と有害コンテンツの削減、暗号化された強固なプライバシーの実現と法執行機関の支援など、競合する社会的要素のバランスを取る必要があります。例えば、表現の自由と有害コンテンツの削減、暗号化されたプライバシーの確保と法執行機関のサポート、研究や相互運用性の確保とデータの極秘化などです。

表現の自由と有害コンテンツの削減、暗号化されたプライバシーの確保と警察のサポート、研究と相互運用性の確保とデータのロックなど、社会的に相反する要素のバランスを取る必要があります。しかし実際には、これらの問題は主に私たちのビジネスに関するものではなく、さまざまな--難しい社会的価値のバランスをとるためのものなのです。私は、企業がこのような決断の多くを自ら下すべきではないと考え、明確な規制を設けるよう繰り返し求めてきました。

私は、グローバルな規模でサービスを提供する際の複雑なトレードオフを乗り越えてきた当社の実績を誇りに思っています。そして、私たちの仕事には研究と透明性があることを誇りに思っています。

これは、規模を調整しても、他のどのテクノロジー企業よりも多いと思います。私たちは、四半期ごとの執行報告書や、政治広告アーカイブなどのツールにより、透明性の基準を確立しました。また、独立した学術研究者が安全にデータにアクセスできる新しいモデルを確立しました。

また、自主規制のモデルとして監視委員会を創設し、その結果、業界全体で有害コンテンツの削減に最も効果的なシステムとなっていると考えています。私たちがこれらの問題にどのように対処してきたかを誠実に説明するためには、この点も含めて説明すべきだと思います。また、これらの問題は主にソーシャルメディアに関するものではないということも、正直に説明すべきだと思います。


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