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(米国株式市場10月11〜15日)今週の合戦の振り返り!NYダウ S&P500 NASDAQ ラッセル上昇。4指数共に50日移動平均を上回る。 株式市場ステータスは「Market in correction(調整相場)」から「Confirmed Uptrend(確固たる上昇相場)」に格上げ。 テスラが7%上昇, 納車台数で過去最高を記録。10年債利回り、ブレイクイーブンインフレ率も10月より上昇に転じる。債券市場はインフレ長期化を懸念?来週はTSLA PG NFLX SNAP JNJが決算。

おはようございます。相場が「Market in correction(調整相場)」だったのでNETFLIXのアニメ「範馬刃牙」を鑑賞して過ごしていましたが、木曜日にConfirmed Uptrend(確固たる上昇相場)」に返り咲きましたね。相場に向き合う時間が戻ってきました。



まだ予断は許さない状況ではありますが、来週に備えて株式市場を取り巻く環境をここで網羅的におさらいしてしまいましょう。

先週の合戦については以下↓↓↓


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どうも、秀次郎(@hidejiromoney)です。今週の週報は久しぶりに私がまとめていきます。

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1. 今週の合戦の要約


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・NYダウ、S&P500、NASDAQ、ラッセル2000上昇。4指数共に50日移動平均を上回る。
・株式市場ステータスは「Market in correction(調整相場)」から「Confirmed Uptrend(確固たる上昇相場)」に格上げ。
・テスラが7%上昇で強い。半導体不足が叫ばれ、自動車メーカーが新車生産に苦しむ中、テスラは納車台数で過去最高を記録。
・10年債利回りは上昇、ブレイクイーブンインフレ率は10月より上昇に転じる。債券市場はインフレ長期化を懸念か。
・VIXは低く緊張感なし。
・NAAIMナンバーは低水準であり積極的なアクティブファンドは少ない。
・9月CPIは前年同月比5.4%上昇(予想+5.3%)、伸びは前月の5.3%から加速(食品や家賃の上昇分が半分強を占める)。
・決算シーズン本格化。来週はTSLA、PG、NFLX、SNAP、JNJが決算。

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2. 代表株価指数動向(&強気相場 or 弱気相場判定)

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代表株価指数は全て上昇。今週、ダウ平均、S&P500、NASDAQ、Russel2000共に50日移動平均線を奪還しました。このまま上昇トレンドが続くのかどうか、来週の動きにも注目です。


赤線が50日移動平均線です↓↓

(NYダウ)

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(S&P500)

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(NASDAQ)

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(Russel2000)

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□ 現在は強気相場?弱気相場?

今週は「Market in correction(調整相場)」から「Confirmed uptrend(確固たる上昇相場)」へ格上げされました。フォロースルーDayに至ったばかりなので売り抜け日カウントはありません。

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◇ フォロースルーDayとは?

フォロースルーデイは調整局面が底入れしたことを示す最初のサインです。前日比で上昇した日を1日目として、2日目、3日目が直近安値を下回らずに4日目以降に大幅な出来高上昇を伴って急激に上昇した時に、フォロースルーDayと考える。時には数週間後に起こるときもある。

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普段CANSLIM判定している個別銘柄のCANSLIMの「M」の判定が全て「△」→「◯」に変更されます。


ただし、上昇トレンドはまだ始まったばかりであり、ここからしっかりと株価指数に出来高が戻っていけば、安定した上昇トレンドになっていくでしょう。底入れが確定したわけではありません。

グロース株は適正なベースを形成しブレイクアウトする銘柄(CRWD, AMD, SNOW, MSFTなど)を慎重に購入していきましょう。一気に大きく張るにはまだ時期尚早です。


(Market in correction)


(Confirmed uptrendへ格上げ)


3.セクター別(1week)

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(+)TSLA+7.33%, CRM+7.04%, ADBE+5.76%, NVDA+4.95%, AMZN+3.66%, MSFT+3.17%

(-)T-4.00%, USB-3.37%, TMUS-3.02%, MRK-2.85%, PFE-2.26%, JPM-2.12%, FB-1.60%

半導体不足が叫ばれ、自動車メーカーが新車生産に苦しむ中、テスラは納車台数で過去最高を記録し株式市場に好感されました。7%の上昇です。テスラは来週20日に決算です。


□ セクターETF騰落率 Highlight(1week)

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(金鉱)GDXJ+6.87%, GDX+6.03%
(エネルギー)TAN+10.98%, OIH+4.63%
(素材)XME+5.46%, XLB+3.66%


4. FRB動向

(FRBの金利動向に気をつける)過去を振り返ると、FRBの金利が引き上げられたことがきっかけで弱気相場が始まり不景気に突入した歴史があります。弱気相場が終わるのは金利が下げられた時が多いです。

最も簡単で役に立つ金融指標はFederal Fund(FF)レート(政策金利)。コンピューターによる自動売買や様々なヘッジサービスによってリスクの高い弱気相場で発生する株価の下落から資金を守るために、ポートフォリオの大部分をヘッジするファンドが現れました。金利が急騰する場面は相場が下落しやすい仕組みになっています。


□ Highlight

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□ 先週のHighlight(10月4日〜8日)

◇ 全般

・米10年債利回りは1.6%台まで上昇。
・米債務上限問題は12月までの延期が決定。
・不透明なパウエル議長再任問題

◇ 雇用統計

・雇用統計は予想+50万人に対して+19.4万人と大きく乖離
・乖離の主要因は教育部門の大幅な減少。民間部門は及第点。
・失業率は予想5.2%に対して4.8%と改善。
・平均給与は前月比+0.6%と加速。

雇用統計の詳しい解説は先週の週報をご参照。


□ 今週のHighlight(10月11〜15日)

◇ 全般

・FRBは前回のFOMCで今年末の失業率予想を4.8%としたが、9月時点ですでに達成。
・FRBは早ければ11月2、3日に開催する米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリングに着手すると予想されている。

◇ 米労働省が消費者物価指数を発表(CPI、季節調整済み)

・9月CPIは前年同月比5.4%上昇(予想+5.3%)、伸びは前月の5.3%から加速(食品や家賃の上昇分が半分強を占める)。
・エネルギー製品の価格が急騰する中、上昇は今後数カ月も継続する見通し。
・前月比でも0.4%上昇(予想0.3%)、前月の0.3%上昇から加速。
・変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.2%上昇。前月は0.1%上昇。前年同月比では4%上昇と前月から変わらず。ともに市場予想と一致。
・食品は0.9%上昇し、伸びは前月の0.4%から加速。
・帰属家賃も0.4%上昇、前月は0.3%上昇。
・新車も1.3%上昇と、5カ月連続1%を超える伸びとなった。

(参考:ロイター


◇ 米NY連銀が月次調査公表(1300世帯が対象)

・1年先のインフレ期待の中央値は5.3%と、11カ月連続で上昇(2013年調査以来最高水準)。
・3年先のインフレ期待も4.2%と、前月の4.0%から上昇(統計開始後の最高記録)。
・1年先の住宅価格の上昇率予想は5.5%と、前月の5.9%から低下(4カ月連続)
・1年先のガス価格上昇予想も平均5.9%上昇と、先月の9.2%から大幅に低下。


□ 今後の予定

・11月2-3日にFOMC開催予定

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□ ドットチャートの動き (9月FOMCの復習)

ドットチャートはFOMCメンバーによる金利予想です。

更新は3月・6月・9月・12月です。6月は3月から引き続き、2021年での利上げは見込んでいませんでした。しかし今回の9月のFOMCで見通しが大きく変更されました。全体的に高い金利に向かってFOMCメンバーの予想が動いていますね。

(最新ドットチャート)

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経済進捗が順調であれば、年内テーパリング開始、2022年中頃にテーパリング終了。そして利上げという順番で進んでいきます(テーパリングが終わったらすぐに利上げ!ということではないのでご注意ください)。


利上げ見通しに加え、経済見通しについても発表がありました。来週のFOMCでもデータが更新されますので注目しましょう。経済見通しは引き下げ、インフレ見通しは上昇。

スタグフレーション(景気後退+インフレ率上昇)を想像してしまいますね。生活者にとって極めて厳しい経済状況が懸念されます。

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◇ GDP(前回→今回)
2021年:7.0%→5.9%
2022年:3.3%→3.8%

◇ インフレ(前回→今回)
2021年:3.4%→4.2%
2022年:2.1%→2.2%

◇ コアインフレ(前回→今回)
2021年:3.0%→3.7%
2022年:2.1%→2.3%

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□ FRBのバランスシート(BS)拡大・縮小動向

FRBは金利を引き上げる前に、まずはバランスシート(BS)の縮小(テーパリング、資産買い入れプログラムの変更)を実行することを見込まれています。

BSが拡大するということは、市場に流通する資金が増大して、景気を加熱させることに繋がります。


(2002/12/18-2021/10/13)

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Assets: Total Assets: Total Assets


現状はまだまだBSの拡大は継続しています。年内(11月開始見込み)にテーパリングが予定されています。経済進捗に問題なければ、11/2-3のFOMCでテーパリング実行が決定されます。

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※資産買い入れプログラムについて、現在では米国債を月800億ドル(約8兆4千億円)、住宅ローン担保証券(MBS)は同400億ドルのペースで買い入れています。こちらのペースを下げることを「テーパリング」といいます。

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□ ブレイクイーブンインフレ率


ブレイクイーブンインフレ率とは、債券市場が期待するインフレ率を意味します。

この1年間「5年ブレークイーブンインフレ率」と「10年ブレークイーブンインフレ率」は上昇基調で進んできましたが、5月に入り一服、6月に入り下落。横ばいが続いていましたが、10月に入り遂に上昇に転じています。


(2020/01/01-2021/09/24)

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10/5-Year Breakeven Inflation Rate


(2021/08/01-2021/10/15)

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パウエル議長が強調する「インフレは一時的である」という説明の説得力が弱まってきています。経済成長率は頭打ちし、インフレ率は上昇しているスタグフレーションが危ぶまれています。

原油、帰属家賃、新車、食品などインフレ率が上昇し、それにより圧力を受ける株式銘柄も続出しています。


□ 長期金利(5&10年債利回り)


長期金利の動向は株式市場関係者は非常に注意深く見ています。10年債利回りと株式のバリュエーションはシーソーゲームの関係にあるからです。金利が上がれば(債券が売られれば)株の評価は下がります(あえて、非常に簡易的に表現しています、評価が下がるのはそれだけではありません)。


(2020/01/01-2021/09/23)

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10・5 Year Treasury Constant Maturity Rate


(2020/09/01-2021/10/14)

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10/16土曜時点

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10月に入り上昇中です。グロース株には逆風です。債券が売られている背景には利上げ見通が前倒しになるのではないかとの観測で利益確定売りがあった、インフレ長期化懸念などの考察が見受けられます。秀次郎はシンプルにこのインフレ率上昇局面で債券を持つメリットは全くないので、売られて当然ではないかなと思っています。

債券投資家はインフレは長期化すると踏んでいるということだと思います。ブレイクイーブンインフレ率にもわかりやすく現れていますね。


5. プットコールレシオ

ここでは年初来からの比率(%)を観察します。直近の投資家心理を確認します。

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プットコールレシオ = Put売買金額 /Call売買金額

⑴プットコールレシオ > 1 = Putの売買代金が大きい = 投資家が株式相場下落を期待(悲観的)
⑵プットコールレシオ < 1 = Callの売買代金の方が大きい = 投資家が株式相場上昇を期待(楽観的)

で算出されます。つまりプットコールレシオが1を超えているということはPutの売買代金の方が大きく下落を警戒する投資家が多いことを意味します。これは相場が悲観的なことを意味しており相場の底局面ではプットコールレシオが高くなる傾向があります。

一方、プットコールレシオが1を下回っているということはCallの売買代金の方が大きく上昇を期待する投資家が多いことを意味します。ただ、これは楽観的であるということを意味しており、相場の高値圏ではプットコールレシオは低くなる傾向があります。

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PUT CALL RATIO CBOE


S&P500のプットコールレシオは0.904となっています。1を下回っています。以下に当て嵌まります。

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⑵プットコールレシオ < 1 = Callの売買代金の方が大きい = 投資家が株式相場上昇を期待(楽観的)

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投資家は楽観的です。今年はなんとなく、総じて弛緩した株式相場という感じですよね。少し不気味です。ダラダラとした相場の元凶のような気もします。


6. Volatility index(VIX指数/恐怖指数)

VIXとは市場で取引されている価格から逆算された「株式市場のボラティリティ」のことを指します。株価指数は上昇時は緩やかに上昇し、下落時は急落します。市場参加者が高いボラティリティを見込んでいるということは、市場に対して不安を抱いていると想像できます。


VIX指数は株価の先行きにどれほどの振れ幅(ボラティリティー)を投資家が見込んでいるかを示す「株価変動率指数」のうち、米国株を対象にした指数。通常、株安が懸念される局面で上昇し、20を超えると不安心理が高まっていると解釈される。その場合、「株価が今後1年間に約7割の確率で上下20%の範囲で変動する」と投資家が予想していることを示す。

2008年の金融危機の際にVIX指数が80超に上昇して注目を集めた。18年2月と10月にもVIX指数の上昇をきっかけに米国株が下落する場面があった。VIX指数の上昇に連動して機械的な株売りを出す「リスク・パリティ」などと呼ばれるファンドが存在するからだ。(引用:日経新聞)


S&P500指数(VIX:青)とNASDAQ(VXN:ピンク)のVIX指数の5年推移は以下となります。

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VIX/VXNの5年推移


以下は1ヶ月の推移です。

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VIX:16.29、VXN:18.51

緊張感なし。


7. 空売り比率 (Short Volume)

空売り比率・ショートボリュームはNYSE(ニューヨーク証券取引所)で空売りされている株式の数をNYSEの総出来高との割合で示したものです。

この比率が高ければ投資家が市場をネガティブに見ていることが読み取れます。(「空売残」はShort Interestです。ここでは触れません)


特に暴落局面で注視するのが有効で弱気相場が底をつける時というのは空売りの急増を示す数値の上昇が通常2回か3回現れると成長株の巨匠・オニール氏は言及しています。

それではまずS&P500指数の空売り比率は以下となります。S&P500指数で最も取引Volumeが多いETFであるSPYで見ていきます。


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SPY - Short Interest - SPDR S&P 500 ETF Trust - Short Squeeze, Short Sale Volume, Borrow Rates, Fails-To-Deliver


10/7、10/8に大きな空売りが見られますね。続いて今週水曜日と木曜日。株式市場は上昇しましたが、空売り比率も高いですね。急増しているとは言えない上昇率であり(異常性がない)、底をつけたと言えるサインと言えるのかどうか微妙なところです。


ナスダックについても取引ボリュームが大きいQQQでみていきたいと思います。SPYよりも比率が小さいですね。ただ、木曜日に大きくナスダックは上昇しましたが空売り比率も比較的高いです。下落に賭けていた投資家もそれなりにいたということです。

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QQQ - Short Interest - PowerShares QQQ Trust - Short Squeeze, Short Sale Volume, Borrow Rates, Fails-To-Deliver


8. 機関投資家やアクティブファンドマネージャーの動向

□ センチメントインジケーター

センチメントインジケーターは、個人投資家、機関投資家、海外投資家の過去12か月の株式ポジションと比較したもの。スコアが1を超えていたら、ポジションが増大していることを示し、-1を下回るとポジションが縮小していることを示しています。


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Sentiment Indicator and Stock Positioning


10/4以降更新がありませんね。


□ NAAIM Number

次にNAAIM Numberです。NAAIM Numberはアクティブファンドの投資動向です。100を超えるということはアクティブファンドがレバレッジをかけていることを意味します。


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9月から相場は歴史的に下落する傾向にあり、例年NAAIMも低いですね。(昨年の9月も60%以下までNAAIMは下落しています)。

10/13時点で64.46でした。アクティブファンドも全くやる気がありませんね。当然ではありますが。10月も半分が過ぎましたね。


9. 注目経済指標の動向

今週10/13は消費者物価指数(CPI)の発表がありましたが、前年同月比5.4%上昇(予想+5.3%)、伸びは前月の5.3%から加速しました(食品や家賃の上昇分が半分強を占める)。来週は設備稼働率、鉱工業生産指数の発表などがあります。


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10. 米国企業決算スケジュール

決算シーズン本格化!来週はP&Gを始めとした配当貴族銘柄、航空銘柄、ネットフリックス、テスラなどFANGMAN-T銘柄の決算があります。TSLAは秀次郎が、発信予定です。注目している方はフォローしておいてください。


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今週のまとめ


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・NYダウ、S&P500、NASDAQ、ラッセル2000上昇。4指数共に50日移動平均を上回る。
・株式市場ステータスは「Market in correction(調整相場)」から「Confirmed Uptrend(確固たる上昇相場)」に格上げ。
・テスラが7%上昇で強い。半導体不足が叫ばれ、自動車メーカーが新車生産に苦しむ中、テスラは納車台数で過去最高を記録。
・10年債利回りは上昇、ブレイクイーブンインフレ率は10月より上昇に転じる。債券市場はインフレ長期化を懸念か。
・VIXは低く緊張感なし。
・NAAIMナンバーは低水準であり積極的なアクティブファンドは少ない。
・決算シーズン本格化。来週はTSLA、PG、NFLX、SNAP、JNJが決算。

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