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【NVDA/2022/2Q決算速報】成長するNVDA、2022年第1四半期の結果は売上◎、EPS◎。市場予想を上回る。CANSLIM定点観測。

(NVIDIAの会社概要・歴史・ビジネスモデル考察は「【NVDA】CPU参戦で話題のNVIDIA(エヌビディア)の株価を業内容や決算を含めて徹底分析!業績やチャートを含めてCANSLIM分析を実施。」を参照。)


「NVIDIA(ティッカーシンボル:NVDA)」のQ2-2022の結果が出ました。

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※YoY = year over year(前年同期比)

◇ 売上:$6.51B/YoY+68.3%(予想$6.33B)◎
◇ EPS: $1.04 /YoY+90.8%(予想$1.02)◎

FY2 ガイダンス
◇ 売上:$6.8B/YoY+44% (予想$6.53B)◎
◇ 売上 :$1.10/YoY+51% (予想$1.04)◎

IR情報を元に作成

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After+1.8%

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結果とガイダンスともに強い!これぞ覇王!株価もAfterで上がっておる!(とはいえもっと上昇してもええ内容なのでは!?)

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直近、好決算をうけてもガイダンスの失敗や不透明性をしめした企業が暴落したことをうけNVDAでさえも軟調な推移となっていました。

しかし、今回の決算で反転上昇となるのか?今後の動きに注目したいところです。

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それでは詳しい決算内容について見ていきましょう。

1. Revenue(売上高)

Q2-2022:売上$6.51B/YoY+68%増(アナリスト予想:$ 6.33B)。

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■ 売上推移

※YoY = year over year(前年同期比)

Q4-2020:$3.01B(YoY △5.3%)
Q1-2021:$3.10B(YoY +40.8%)
Q2-2021:$3.87B(YoY +49.9%)
Q3-2021:$4.73B(YoY +56.8%)
Q4-2021:$5.00B(YoY +61.1%)
Q1-2022:$5.66B(YoY +83.8%)
Q2-2022:$6.51B(YoY +68.3%)

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この規模の企業で売上が68%というのは素直にバケモノよの。上場直後のIPO企業でもなかなかないぞい!

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売上総利益、営業利益率、純利益率ともに改善してきているのもポジティブな点です。特に今回は営業利益率が上昇しています。(本業の利益率が高まっているということになります。)

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2. EPS(1株当たりの当期純利益)

Q2-2022:(non-GAAP)EPSは$1.10/YoY+51%(アナリスト予想$1.04)

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■ EPS推移

※YoY = year over year(前年同期比)以下は4分割修正後

Q4-2020:$0.47(YoY +105.4%)
Q1-2021:$0.45(YoY +104.5%)
Q2-2021:$0.55(YoY +75.8%)
Q3-2021:$0.73(YoY +63.5%)
Q4-2021:$0.78(YoY +64.0%)
Q1-2022:$0.92(YoY +103.3%)
Q1-2022:$1.10(YoY +90.8%)

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これまた、売上と同じく上場直後を思わせる動きです。EPS成長率が100%近くで推移しています。

3.ガイダンス

現在コロナ後の経済再開を見据えてハイテク企業ではガイダンスの重要性が増しています。NVDAは毎四半期に次の四半期のガイダンスを細かいメッシュでだしています。今回だと10末の3Q決算のガイダンスとなります。(内容は以下です)

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上記じゃとわかりづらいゆえ、ワシがエクセルに落とし込んだのが以下ぞ!EPSは2Q末の発行済株式数で算出しておる!

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ガイダンスもしっかりとYahoo financeのアナリスト予想平均を上回ってきています。売上高のBeat率が凄まじいですね。

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何度も強調したいが時価総額50兆円企業じゃからの!!

超大型はイパーグロース企業とはまさにこのこと。4年前にNVIDIAを謎のAI半導体メーカーと評した日経新聞は頭を冷やした方がよい

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4.KPI (セグメント売上高の推移)

NVDAは各主要セクター毎の売上高を発表しています。

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ゲームとデータセンター事業がNVDAの主要セクターになっておるし成長力も高い水準で維持しておる。各事業領域のビジネスモデルについては以下をご参照あれ!

【NVDA】CPU参戦で話題のNVIDIA(エヌビディア)の株価を業内容や決算を含めて徹底分析!業績やチャートを含めてCANSLIM分析を実施。

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以下が各セグメント毎の売上高と成長率の推移です。主力のGamingは引き続き高い成長率を維持しています。若干、もう1つの主力であるData Centerの成長率が下がっていることが懸念されます。(ここらへんはプレスカンファレンスで確認したいところです)

Gaming:3.06B/YoY+85%

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Data Center:2.37B/YoY+35%

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Professional Visualization:519M/YoY156%

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Automotive:152M/YoY37%

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5.CF (営業CF、投資CF、財務CF)

CFについてみていきます。

営業CFで基本的に投資CFをまかない大型の投資をするという傾向は変わりません。

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今期は財務CFが大きくプラスになっています。内容としてはCF計算書とBSを確認すると借入金の借入となっています。

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本格的にArmの買収に向けて資金を調達している可能性があります。

6.財務状況

総負債比率も減少傾向にありますが借入を行なっていることで上昇に転じています。

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ただ、支払利息は$54milと営業利益$3,071milに対して僅か1.8%と軽微な値になっているので収益を圧迫はしていません。

7.CANSLIM分析

前回から変更した分を更新いたします。8月19日時点でNVDAのInvestors Business Daily上の総合評価は96点でしたが、因みに5月27日朝時点で総合評価は93点に評価が上がっています。

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C:◎
A:△
N:○
S:△ → ×
L:○→ △
I: △
M:△→○

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◼️:  C(=Current Quarterly Earnings)◎

「C」は直近の利益に関する評価項目になります。CANSLIMのファンダメンタル的要素の中で最も重要な項目です。

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以下から文句なく「C」は◎ということになるの!

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「C」の条件

【絶対条件】
最低条件は前年同期比直近EPS成長率は25%以上
→ 余裕の合格
強気相場の時は前年同期比直近EPS成長率は40%以上
→ EPS成長率は90%と加速
過去10四半期に以前に比しEPS成長率が加速していることを確認する必要有
→2019年のマイナス成長率から大きく抜け出している
直近売上成長率は少なくとも25%以上上昇、又は直近直近3四半期で売上増加率が加速していることが最低条件。
→ 売上成長率は68%で高い水準を維持

【更に確度を高める条件】
2四半期続けて大幅にEPSが成長
→合格
✅翌四半期、翌々四半期も力強い成長が予想されている
→合格
✅今後2年間で成長の軌道にのるガイダンスがあるか(Yahoo finance等で確認)
→2022年度は+58%、2023年度+9.8%が見込まれており来年度の成長減速が見込まれている。
因みに1Q時点では2022年度+36%、2023年度+13%が見込まれており今年度に関しては上方修正がなされている。
✅同業他社でEPSの成長率が高い銘柄が少なくとも1つ以上存在
→同業のQualcomm、AMDも高い成長を実現

【注意点】
✅EPS成長率が66%以上の減少が二四半期続けば危険。
→ 問題なし

◼️ A(=Annual Earnings Increase)△

「A」の条件は以下です。2019年にマイナス成長だったのは大きなマイナスですが、2020年度から今期2022年度までは順調に成長している。

しかし、2023年度が減速気味であることを加味して△という評価としました。

「A」の条件

【絶対条件】
✅過去3年連続で年間EPSが増加。EPS Stability(後述)が25以下
→2019年にマイナス成長。EPS Stabilityも25と惜しくも基準以下
✅年間EPSの増加率が25%-50%以上の銘柄を選択
→2020年以降は満たすが2023年度は10%程度に減速
✅ROEが17%以上(出来れば25%以上)
→ROEは43%と基準を大きく上回る

【更に確度を高める条件】
✅アナリストのコンセンサス予想も翌年EPSが上昇すると見込んでいる
→ 合格だが来年度である2023年度は成長率が減速
✅実際のEPSに比べて営業CFが20%以上大きい
→ 殆ど同水準なので満たしてはいない

◼️N(=New Products, New Management, New Highs)○

ビジネスモデル記事でお伝えした通りGraceをリリースしてAI向けのCPUをリリースすることを発表しています。

それを受けて一旦新高値(New High)をとっています。その後、一旦下落に転じていますが今回の決算を受けて再び最高値を伺う動きとなることが想定されます。以下は週足です。

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 ◼️ S(=Supply and Demand) ×

S(=Supply and Demand)は株式の供給数が多く、需要面でも株価下落時に出来高が増加しており芳しくないため×とします。ただ、今回の決算を受けて十分改善する可能性はあります。

「S」の条件(絶対条件ではない)

(供給側)
✅発行済株式数が多い銘柄は上昇しにくい
→ 浮動株は23億株とそれなりに大きい(更に4分割される)
✅長期間かけて自社株買を継続している企業
→行なっていない

(需要側)
✅株価下落時で出来高が枯れてきているか、上昇時に出来高を伴っている
→直近株価下落時に出来高は増加しており、売り枯れは確認できていない。

(補足条件)
✅経営陣が発行済株式の1%-3%以上を保有(中小型株なら3%以上)
→CEOのJen Hsun Huangの保有株は約500万株と約0.2%しかない
✅過去2-3年の間に総資本に対する負債率が減少している
→直近借入金を行い総負債比率は増加している。

(注意点)
✅過度な株式分割を行う企業は危険
→株式分割を行なっており要注意。まだ直近1回目だからセーフ。

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◼️ L(=Leader or Laggard)○

業界の中で主導的な動きをしている銘柄かどうかも重要になります。以下を加味して△となります。

「L」の条件

● 業界内で上位2-3位の銘柄を狙う(時価総額ではない)
→ 業界の中で5位 (8月19日時点)。1位はAMD
● レラティブストレングス指数が80以上(大化け銘柄の平均は87)
→ レラティブストレングスは90と高い

(注意点)
● 共振株(=おこぼれ企業)には投資しない
→ おこぼれ企業ではない
● レラティブストレングス指数が60以下の企業に投資してはいけない
→ レラティブストレングスは90と高い。

5月の時点では1位でしたが、このレベルで5位というのは「Electric-Semiconductor Fabless Group」産業の強さを感じます。

(2021年8月19日時点)

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(2021年5月28日時点)

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■「I」(=Institutional Sponsorship=機関投資家による保有)△

株価を引き上げるのは機関投資家です。機関投資家の買が確認されているかの条件についてオニールは以下の基準をお伝えしています。

「I」の条件
● 直近四半期で、株主数が著しく増加しているか?(一番重要)
→ 増加している
● 最近の数四半期で、保有している機関投資家の数が着実に増加しているか?
→ 直近停滞している
● 株主となった機関投資家は優秀か?
→ 優秀なファンドが投資をしている

機関投資家の保有残高が減少しているので△とします。

過去4四半期の投資しているファンドの数は以下となります。徐々に増えています。著しく増加しているというわけではありません。

Sep-20:3995
Dec-20:4193
Mar-21:4397
Jun-21:4563

一方、保有残高は以下の通りとなります。保有残高は停滞しています。直近の6末は大きく減少しているように見えますが、現在まだ機関投資家の報告期間中のため不明です。

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現在の保有上位の機関投資家とファンドは以下の通りとなります。

【ファンド上位】(2021年8月19日時点)

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オニールは大量に保有している機関投資家やファンドの成績にも着目すべきとしています。筋のいいファンドが投資している銘柄であれば自身がもてますよね。

ファンドの上位はインデックスファンドですが、4位のFidelity Growth Company Fundの成績は以下の通りS&P500指数を大幅に凌駕しています。

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また、10位のFidelity Contrafund Incも以下の通り市場平均を出し抜く動きとなっています。

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殆どが構成上位はインデックスファンドだったので優秀なファンド揃いとまでは断ずることは出来ませんが、Fidelityの優秀なファンドが保有しているのはポジティブですね。

■「M」(= Market Direction) ○

市場全体がUptrendなのかどうかという点は非常に重要になります。

銘柄自体が良くても市場全体の調子が悪いと適切なベースを上抜けたファンダメンタルが良好な銘柄でも上昇しないという事態になります。

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Mの条件についてはCANSLIMの目次記事の中でまとめておるぞい!

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2021年8月19日時点のオニールのInvestors Business Dailyの評価はでは「Confirmed Uptrend(確固たる上昇相場)」となっています。

しかし、売り抜け日がS&P500指数で5、ナスダックで4と多くなっており必ずしも上昇する力が強いともいえません。そのため◎ではなく○としています。

マーケット環境については毎週土曜日に更新しているのでご覧いただければと思います。(直近レポートについては以下となります。)

CANSLIMについて再度まとめると以下となります。以下、株価の値動きなどについては決算を受けた動きは反映していないのでNやSやLは今後改善する可能性はあります。

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C:◎
A:△
N:○
S:△ → ×
L:○→ △
I: △
M:△→○

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