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【NVDA/2022/1Q決算速報】成長するNVDA、2022年第1四半期の結果は売上◎、EPS◎。市場予想を上回る。CANSLIM定点観測。

(NVIDIAの会社概要・歴史・ビジネスモデル考察は「【NVDA】CPU参戦で話題のNVIDIA(エヌビディア)の株価を業内容や決算を含めて徹底分析!業績やチャートを含めてCANSLIM分析を実施。」を参照。)


「NVIDIA(ティッカーシンボル:NVDA)」のQ1-2022の結果が出ました。


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※YoY = year over year(前年同期比)

・NVDAの2021年1Q決算は、売上$5.66B/YoY+84%(アナリスト予想:$ 5.4B)。→◎
・EPSは$3.66/YoY+103.3%(アナリスト予想$3.28)→◎

【セグメント別売上高】
・Gaming:2.76B/YoY+106%
・Data Center:2.05B/YoY+79%
・Professional Visualization:0.37B/+21%
・Automotive:0.15B/△1%

ガイダンスは以下
(中央値ベース・EPSは今期末の発行済株式数(Diluted)で割って算出)

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2022/1Qの事前予想は以下

売上:5.5B
EPS:$3.3

かなり力強いガイダンスであることが分かります。

アフター:△1.1% (日本時間6時20分時点)

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結果もガイダンスも素晴らしかったのにアフターで下落とな。。理由調査中じゃが直近上がっておったしセルザファクトなんかの。。

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5/21の株式分割の発表以降、決算も見越して既に結構上昇していました。そのため、Afterの下落は短期筋の一部利益確定の動きだと考えています。(6連騰してますからね)

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以下、NVDAについて追加のご意見や考察があればリプライをしてくれると助かります。


それでは2022年1Q決算の内容を詳しくみていきたいと思います。

1. Revenue(売上高)

Q1-2022:売上$5.66B/YoY+84%増(アナリスト予想:$ 5.4B)。

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■ 売上推移

※YoY = year over year(前年同期比)

Q4-2020:$3.01B(YoY △5.3%)
Q1-2021:$3.10B(YoY +40.8%)
Q2-2021:$3.87B(YoY +49.9%)
Q3-2021:$4.73B(YoY +56.8%)
Q4-2021:$5.00B(YoY +61.1%)
Q1-2022:$5.66B(YoY +83.8%)

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しっかり予想を上回り成長が加速しておるの!

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売上総利益、営業利益率、純利益率ともに改善してきているのもポジティブな点です。

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2. EPS(1株当たりの当期純利益)


Q1-2022:(non-GAAP)EPSは$3.66/YoY+103.3%(アナリスト予想$3.28)


EPSもアナリスト予想はクリア。EPS予想は「Yahoo Finance」で取れます。アナリストは保守的に予想を出すため、決算企業はこれを超えなければ市場から好感されません。

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■ EPS推移

※YoY = year over year(前年同期比)

Q4-2020:$1.89(YoY +105.4%)
Q1-2021:$1.80(YoY +104.5%)
Q2-2021:$2.18(YoY +75.8%)
Q3-2021:$2.91(YoY +63.5%)
Q4-2021:$3.10(YoY +64.0%)
Q1-2022:$3.66(YoY +103.3%)

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3. CF (営業CF,投資CF,財務CF)

CFについてみていきます。

営業CFで基本的に投資CFをまかない大型の投資をするという傾向は変わりません。今期は力強い営業CFで投資CFを上回ることができています。

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営業CF:1.87B/YoY 106%
 投資CF:△1.27B/前年同期△1.05
 財務CF:△0.47B/前年同期4.74B

4.企業KPI

NVDAは各主要セクター毎の売上高を発表しています。

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ゲームとデータセンター事業がNVDAの主要セクターになっておるし成長力も高い水準で維持しておる。各事業領域のビジネスモデルについては以下をご参照あれ!

【NVDA】CPU参戦で話題のNVIDIA(エヌビディア)の株価を業内容や決算を含めて徹底分析!業績やチャートを含めてCANSLIM分析を実施。

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Gaming:2.76B/YoY+106%

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Data Center:2.05B/YoY+79%

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Professional Visualization:0.372B/YoY+21%

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Automotive:0.154B/YoY△1%

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5.財務状況

NVIDIAは既に上場から時間が経過しており新規発行によって発行済株式数が増える段階ではありません。

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ただ、決算前の5月21日に発表された通り7月21日時点の株式を対象に、1対4の株式分割を行うことが発表されています。(参照:REUTER)

総負債比率も減少傾向にあります。

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支払利息は53milと売上5.6BとNon GAAP Net Income2.3Bと比べると殆ど影響がない水準で財務健全性は引き続き高い。

6.ガイダンス

NVDAは2022/2Qの決算について以下の通りガイダンスを発表しています。

NVIDIA’s outlook for the second quarter of fiscal 2022 is as follows:

Revenue is expected to be $6.30 billion, plus or minus 2 percent.

GAAP and non-GAAP gross margins are expected to be 64.6 percent and 66.5 percent, respectively, plus or minus 50 basis points.

GAAP and non-GAAP operating expenses are expected to be approximately $1.76 billion and $1.26 billion, respectively.

GAAP and non-GAAP other income and expense are both expected to be an expense of approximately $50 million.

GAAP and non-GAAP tax rates are both expected to be 10 percent, plus or minus 1 percent, excluding any discrete items. GAAP discrete items include excess tax benefits or deficiencies related to stock-based compensation, which are expected to generate variability on a quarter-by-quarter basis.

参照:NVIDIA 2021/1Q Report

上記だと分かりづらいのでエクセルに落とし込んで算出したものが以下となります。

売上高、売上高総利益率、税率は予想中央値を使用し、EPSは今期末の発行済株式数(Diluted)である632milを使用しています。

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事前に予想されていた2Qのアナリストガイダンスは以下となりますが、どちらも会社ガイダンスの方が力強い内容となっています。

【売上:5.5B】

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【EPS:3.3B】

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7.オニールのCANSLIM分析

前回から変更した分を更新いたします。因みに5月3日時点でNVDAのInvestors Business Daily上の総合評価は89点でしたが、5月27日朝時点で総合評価は93点に評価が上がっています。

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C:◎
A:×→△
N:○
S:△
L:○
I: △
M:△

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7.1  C(=Current Quarterly Earnings)◎


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以下から文句なく「C」は◎ということになるの!

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「C」の条件

【絶対条件】
最低条件は前年同期比直近EPS成長率は25%以上
→ 余裕の合格
強気相場の時は前年同期比直近EPS成長率は40%以上
→ EPS成長率は103%と加速
過去10四半期に以前に比しEPS成長率が加速していることを確認する必要有
→2019年のマイナス成長率から大きく抜け出している
直近売上成長率は少なくとも25%以上上昇、又は直近直近3四半期で売上増加率が加速していることが最低条件。
→ 売上成長率は84%で直近3四半期で加速

【更に確度を高める条件】
2四半期続けて大幅にEPSが成長
→合格
✅翌四半期、翌々四半期も力強い成長が予想されている
→合格
✅今後2年間で成長の軌道にのるガイダンスがあるか(Yahoo finance等で確認)
→2022年度+36%、2023年度+13%と成長減速が見込まれているにはネガティブ
✅同業他社でEPSの成長率が高い銘柄が少なくとも1つ以上存在
→同業のQualcommも高い成長を実現

【注意点】
✅EPS成長率が66%以上の減少が二四半期続けば危険。
→ 問題なし

7.2 A(=Annual Earnings Increase)△

「A」の条件は以下です。2019年にマイナス成長だったのは大きなマイナスですが、他の条件が優れていることから△という評価としました。

「A」の条件

【絶対条件】
✅過去3年連続で年間EPSが増加。EPS Stability(後述)が25以下
→2019年にマイナス成長。EPS Stabilityも26と惜しくも基準以下
✅年間EPSの増加率が25%-50%以上の銘柄を選択
→2020年以降は満たす
✅ROEが17%以上(出来れば25%以上)
→ROEは43%と基準を大きく上回る

【更に確度を高める条件】
✅アナリストのコンセンサス予想も翌年EPSが上昇すると見込んでいる
→ 合格
✅実際のEPSに比べて営業CFが20%以上大きい
→ 殆ど同水準なので満たしてはいない

7.3 N(=New Products, New Management, New Highs)○

ビジネスモデル記事でお伝えした通りGraceをリリースしてAI向けのCPUをリリースすることを発表しています。

それを受けて一旦新高値(New High)をとっています。その後、一旦市場の下落にともなって下落しましたが、直近再び最高値を伺う動きとなっています。


7.4 S(=Supply and Demand) △

S(=Supply and Demand)は△のままですが、株式分割によって×に近づいています。

「S」の条件(絶対条件ではない)

(供給側)
✅発行済株式数が多い銘柄は上昇しにくい
→ 浮動株は5.8億株とそれなりに大きい(更に4分割される)
✅長期間かけて自社株買を継続している企業
→行なっていない

(需要側)
✅株価下落時で出来高が枯れてきているか、上昇時に出来高を伴っている
→直近満たしている

(補足条件)
✅経営陣が発行済株式の1%-3%以上を保有(中小型株なら3%以上)
→CEOのJen Hsun Huangの保有株は1,299,807と約0.2%しかない
✅過去2-3年の間に総資本に対する負債率が減少している
→直近下落しているが年度ベースでは若干増加している。ただ支払い利息がEPSに与える影響は非常に少ない

(注意点)
✅過度な株式分割を行う企業は危険
→株式分割を行なっており要注意。まだ直近1回目だからセーフ。

7.5 L(=Leader or Laggard)○

業界の中で主導的な動きをしている銘柄かどうかも重要になります。

NVDAはInvestors Business Dailyでは「Electric Semiconductor Group」の中ではTopと主導的な企業となっています。

(2021年5月28日時点)

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ですが、レラティブストレングスは80以上とされていますが、現状72という水準であり若干もの足らない水準ではあります。そのため○とさせていただきます。

7.6 I(=Institutional Sponsorship) △

結局株価が勢いよく上昇するかどうかは機関投資家が購入するかどうかに依拠します。以下は直近までのNVDAに投資しているファンドの数ですが順調に増加しています。

Jun-20:3754
Sep-20:4025
Dec-20:4189
Mar-21:4318

因みに株主の41%はファンドという状況になっています。因みに機関投資家と合わせると71.3%となります。以下はファンドを含めた機関投資家の保有金額の推移です。

ファンドの数は増えていますが保有金額という意味でみると減少しています。2020年央からリターンが低かったため、資金が抜けていたことがわかります。

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ただ、上記はあくまで3末までの機関投資家の資金の流れです。

4月に入りCPUの計画発表、株式分割の影響もあって出来高を伴って上昇している局面もあるので次のデータでは上昇していることが期待されます。

現在の保有上位の機関投資家とファンドは以下の通りとなります。

【機関投資家上位】

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【ファンド上位】

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オニールは大量に保有している機関投資家やファンドの成績にも着目すべきとしています。筋のいいファンドが投資している銘柄であれば自身がもてますよね。

ファンドの上位はインデックスファンドですが、3位のFidelity Growth Company Fundの成績は以下の通りS&P500指数を大幅に凌駕しています。

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素晴らしいファンドもNVDAに投資していることがわかります。また、機関投資家のPrice (T.ROWE) AssociateはFBやAAPLでも紹介した通り高いリターンをだしています。

投資しているファンドや機関投資家の腕は申し分ないといえるでしょう。

7.7 M (= Market Direction)△

市場全体がUptrendなのかどうかという点は非常に重要になります。

アップルが上場しているのはナスダックです。ナスダック総合指数は2月から3月の下落相場を乗り越えて今週最高値を伺う動きとなっています。ただ、直近天井付近でもたつき機関の売り抜け日が増加しており危険水域に達しています。

現在オニールのInvestors Business DailyでもUptrend under pressureという状況になっています。毎週、マーケットに関しては毎週土曜日にマガジンでアップデートしていますので参考にしていただければと思います。


7.8 CANSLIMまとめ

力強い成長で評価は高まっています。

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C:◎
A:×→△
N:○
S:△
L:○
I: △
M:△

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現在、チャート上は一旦Cup with handleを抜け出してから市場に煽られる形で下落したあと、株式分割のニュースもあり最高値を伺う流れとなっています。

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更に日足となると以下となります。直近6連騰していたので最高の決算でもアフターが軟調という考察が妥当かなと考えています。

再び最高値である648.57をうわ抜けることが見えてきています。

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