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(米国株式市場9月20〜24日)今週の合戦の振り返り!NYダウ、S&P500、NASDAQ、ラッセル2000は小幅上昇。S&P500指数は50日移動平均を奪還。株式市場ステータスは「Uptrend Under Pressure(上昇相場頭打ち)」から「Confirmed Uptrend(確固たる上昇相場)」に再度格上げ。10年債利回りは急騰、債券市場は株式市場とは異なる心理状態。 VIXはFOMC前に30近くまで上昇も今は落ち着きを取り戻す。来週はMU、BBBY、JEFが決算。

おはようございます。今週もFOMCが開催されるなど、緊張感溢れる相場付きでしたね。じっくりレビューして、来週の相場に備えていきましょう。


先週の合戦については以下↓↓↓

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どうも、秀次郎(@hidejiromoney)です。今週の週報も私がまとめていきます。

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1. 今週の合戦の要約


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・NYダウ、S&P500、NASDAQ、ラッセル2000は小幅に上昇。S&P500指数は50日移動平均を奪還。来週以降も死守できるのかに注目。
・売抜日はS&P500が4日、NASDAQも4日。株式市場ステータスは「Uptrend Under Pressure(上昇相場頭打ち)」から「Confirmed Uptrend(確固たる上昇相場)」に格上げ。
・10年債利回りは急騰、債券市場は株式市場とは異なる心理状態。
・ブレイクイーブンインフレ率は上下するも2.3%水準で横ばい。
・VIXはFOMC前に30近くまで上昇するも今は落ち着きを取り戻す。NASDAQ(VXN)は未だに20を超える水準であり市場参加者の不安は大きい。
・センチメントインジケーターはプラス、NAAIMナンバーは今週は下落と機関投資家の動向が正確に掴めない状況。
・来週はMU、BBBY、JEFが決算。

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2. 代表株価指数動向(&強気相場 or 弱気相場判定)

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代表株価は結果的に全て小幅に上昇しました。S&P500は先週6月18日以来、初めて50日移動平均線を下回りましたが、今週はなんとかプラスで踏ん張りました。来週以降も50日移動平均線を守り抜けるのかどうか、非常に重要な局面と言えます。

NYダウはまだ50日移動平均線を奪還できていませんね。FOMC通過後に株価は上昇しましたが、長期金利(米10年債利回り)は急上昇しています。債券投資家は株式投資家と全く違う視点で市場を見ていることがわかります。全く安心できる状況ではないですね。

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□ 現在は強気相場?弱気相場?

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累積売り抜け日はS&P500が4(先週比-1)、NASDAQは4。市場ステータスは「Uptrend Under Pressure(上昇相場頭打ち)」から「Uptrend Confirmed(確固たる上昇相場)」に変更されました。


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(売り抜け日とは?)

売り抜け日カウントが以下を満たせば天井圏の下落警戒となります。

● 前日より出来高が増加し且つ指数が0.2%以上下落する売抜日カウントが4週間-5週間で3-5日起こる。(上昇中に発生)
● 2-3週間という短い期間で売抜日が4日あっても注意が必要。

(売り抜け日カウント数とは?)

前日比で0.2%以上のマイナスを前日以上の出来高ともなって記録した日を「売り抜け日」とカウント。4-5週間で4-5日あれば天井から下落の可能性あり。2-3週間という短期間で売抜日が4日ある場合も注意が必要。

「フォロースルー日」を迎えたらカウントはリセット。「フォロースルー日」は下落局面で前日比プラスで引けた日から4-7営業日後に出来高を伴って大幅に上昇した日のことを指す。また、カウントから25営業日経過後にも消滅する。

ただ、上位の条件を満たさなくても売り抜け日がカウントされることもあります。これは「指数が失速する」という意味のカウントとなっています。

指数が活発な出来高の中で上昇していくなかで、前日と同じような出来高なのに停滞した場合にカウントがなされることがあります。

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普段CANSLIM判定している個別銘柄のCANSLIMの「M」の判定が全て「△」→「◯」に変更されます。


一応、株価指数動向からは買いにいける水準ではありますが、売り抜け日数はまだ多く、市場に資金が十分には戻っていない状況です。来週は市場ステータスがコロコロ変わる可能性もあり、注意が必要です。損切りライン、利確ラインは浅めでトレードしていくのが良いと思います。


3.セクター別(1week)

□ S&P500

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CRM+9.63%, V+4.44%, MA+4.41%, XOM+4.41%, ORCL+4.11%

ADBE-4.85%, NKE-4.37%, DIS-4.07%, FB-3.22%


□ セクターETF騰落率 Highlight(1week)

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(Energy)XOP+4.66%, XLE+3.20%
(Financials)KRE+3.24%, XLF+1.70%
(China)FXI-4.21%, MCHI-3.34%
(Gold)GDXJ-3.83%, GDX-2.94%

エネルギー、金融セクターが上昇。中国、金(ゴールド)セクターが下落。


4. FRB動向

(FRBの金利動向に気をつける)過去を振り返ると、FRBの金利が引き上げられたことがきっかけで弱気相場が始まり不景気に突入した歴史があります。弱気相場が終わるのは金利が下げられた時が多いです。

最も簡単で役に立つ金融指標はFederal Fund(FF)レート(政策金利)。コンピューターによる自動売買や様々なヘッジサービスによってリスクの高い弱気相場で発生する株価の下落から資金を守るために、ポートフォリオの大部分をヘッジするファンドが現れました。金利が急騰する場面は相場が下落しやすい仕組みになっています。


□ 今週のHighlight

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□ 先週のHighlight

・9月の米フィラデルフィア連銀業況指数は30.7、前月の19.4から大きく上昇(予想は18.8)。支払価格指数は67.3、71.2から低下。物価上昇ピークの裏付けに。
・NY地域のサービス業活動が9月に鈍化。事業活動指数は13ポイント低下し14.4へ。低下は3カ月連続。
・NY州製造業業況指数は34.3、8月の18.3から上昇(予想18.0)。業況指数は48.4、月の46.5から上昇。製造業者が楽観的な見通しであることを示す。新規受注指数は33.7と8月の14.8から上昇。雇用指数も12.8から20.5に上昇。
・米消費者物価指数(CPI)の伸びは鈍化。インフレの高まりが一過性である可能性を示唆。ホワイトハウスは景気回復が総じて良好な軌道に乗っているという認識を示した。

8月のCPIは、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが前年同月比4.0%と、7月の4.3%から鈍化し、市場予想の4.2%を下回った。前月比でも0.1%上昇と、7月の0.3%から縮小。2月以来、6カ月ぶりの低い伸びにとどまった。8月の総合CPIも前月比0.3%上昇と、7月の0.5%上昇から鈍化した。前年同月比では5.3%上昇。7月は5.4%上昇だった。

(引用:ロイター「米CPI伸び鈍化、インフレ上昇が一過性との見方裏付け=政府高官」


□ 今週のHighlight

◇ FOMC(米連邦公開市場委員会)開催(以下FOMCのポイント)。

・このまま経済が順調(雇用増加、物価安定)であれば、(早ければ)次回FOMC(11月2-3日)でテーパリングを決定する可能性あり。
・来年中頃の※テーパリング終了が適切になるかもしれない。
・FFレートは0~0.25%を継続。
・ドットチャートが更新され(後続詳細)2022年利上げは18人中9人。
・2022年以降の物価上昇率(インフレ率は)2.1-2.2%と想定。
・利上げのハードルはテーパリングのハードルよりはるかに高いとの発言あり。テーパリング終了と同時に利上げというわけではないことに注意。

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※資産買い入れプログラムについて、現在では米国債を月800億ドル(約8兆4千億円)、住宅ローン担保証券(MBS)は同400億ドルのペースで買い入れています。こちらのペースを下げることを「テーパリング」といいます。1パウエル議長の発言を以って、1月開始、6月までと考えると米国財務省証券100億ドル/月、住宅抵当証券50億ドル/月のペースで減額が予想できる。

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参考①:【2分で読める!】2021年9月22日のFOMC Statementを前回7月28日Statementと比較(全文和訳)
参考②:パウエル米FRB議長の会見要旨
参考③:FRB議長「22年末には利上げに適した状況に」 会見要旨


◇ パウエル議長が連邦政府の債務上限引き上げを呼びかけ
→上限が引き上げられずデフォルトに陥った場合、株式市場は混乱し下落に転じる可能性があります(格付け会社よりテクニカルデフォルトと認定される)。

(参考:みずほ総研資料

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□ 今後の予定

・雇用統計(日本時間2021年10月8日 21:30発表予定)

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□ ドットチャートの動き

ドットチャートはFOMCメンバーによる金利予想です。

更新は3月・6月・9月・12月です。6月は3月から引き続き、2021年での利上げは見込んでいませんでした。しかし今回の9月のFOMCで見通しが大きく変更されました。全体的に高い金利に向かってFOMCメンバーの予想が動いていますね。


(最新ドットチャート)

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経済進捗が順調であれば、年内テーパリング開始、2022年中頃にテーパリング終了。そして利上げという順番で進んでいきます。


利上げ見通しに加え、経済見通しについても発表がありました。来週のFOMCでもデータが更新されますので注目しましょう。経済見通しは引き下げ、インフレ見通しは上昇。

スタグフレーション(景気後退+インフレ率上昇)を想像してしまいますね。生活者にとって極めて厳しい経済状況が懸念されます。


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◇ GDP(前回→今回)
2021年:7.0%→5.9%
2022年:3.3%→3.8%

◇ インフレ(前回→今回)
2021年:3.4%→4.2%
2022年:2.1%→2.2%

◇ コアインフレ(前回→今回)
2021年:3.0%→3.7%
2022年:2.1%→2.3%

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□ FRBのバランスシート(BS)拡大・縮小動向

FRBは金利を引き上げる前に、まずはバランスシート(BS)の縮小(テーパリング、資産買い入れプログラムの変更)を実行することを見込まれています。

BSが拡大するということは、市場に流通する資金が増大して、景気を加熱させることに繋がります。

(2002/12/18-2021/09/22)

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現状はまだまだBSの拡大は継続しています。年内(11月開始見込み)にテーパリングが予定されています。経済進捗に問題なければ、11/2-3のFOMCでテーパリング実行が決定されます。

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※資産買い入れプログラムについて、現在では米国債を月800億ドル(約8兆4千億円)、住宅ローン担保証券(MBS)は同400億ドルのペースで買い入れています。こちらのペースを下げることを「テーパリング」といいます。

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□ ブレイクイーブンインフレ率


ブレイクイーブンインフレ率とは、債券市場が期待するインフレ率を意味します。

この1年間「5年ブレークイーブンインフレ率」と「10年ブレークイーブンインフレ率」は上昇基調で進んできましたが、5月に入り一服、6月に入り下落。10年ブレークイーブンインフレ率は2.5%以下の水準で横ばいです。落ち着いた動きです。


(2020/01/01-2021/09/24)

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10/5-Year Breakeven Inflation Rate


(2021/09/01-2021/09/17)

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10年ブレイクイーブンインフレ率は多少のブレはあるものの、2.3%水準で横ばいですね。ここが頭打ちラインであることを祈ります。


□ 長期金利(5&10年債利回り)

長期金利の動向は株式市場関係者は非常に注意深く見ています。10年債利回りと株式のバリュエーションはシーソーゲームの関係にあるからです。金利が上がれば(債券が売られれば)株の評価は下がります(あえて、非常に簡易的に表現しています、評価が下がるのはそれだけではありません)。


(2020/01/01-2021/09/23)

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10・5 Year Treasury Constant Maturity Rate


(2020/09/01-2021/09/16)

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今週の10年債利回り動向

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直近は債券利回りは急騰しています。FOMC後に株価は反発しました。しかし、債券市場は全く違う見方をしています。債券は売られ金利は急騰しています。稚拙な表現ではありますが非常に「嫌な」感じですね。浮かれて株に飛び込むことができない材料です。


5. プットコールレシオ

ここでは年初来からの比率(%)を観察します。直近の投資家心理を確認。

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プットコールレシオ = Put売買金額 /Call売買金額

⑴プットコールレシオ > 1 = Putの売買代金が大きい = 投資家が株式相場下落を期待(悲観的)
⑵プットコールレシオ < 1 = Callの売買代金の方が大きい = 投資家が株式相場上昇を期待(楽観的)

で算出されます。つまりプットコールレシオが1を超えているということはPutの売買代金の方が大きく下落を警戒する投資家が多いことを意味します。これは相場が悲観的なことを意味しており相場の底局面ではプットコールレシオが高くなる傾向があります。

一方、プットコールレシオが1を下回っているということはCallの売買代金の方が大きく上昇を期待する投資家が多いことを意味します。ただ、これは楽観的であるということを意味しており、相場の高値圏ではプットコールレシオは低くなる傾向があります。

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PUT CALL RATIO CBOE


S&P500のプットコールレシオは1.00723となっています。1を上回っています。先週は1を下回っていましたが、今週はまたも上昇です。ラリーが続きますね。株式投資家は悲観的です。

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⑴プットコールレシオ > 1 = Putの売買代金が大きい = 投資家が株式相場下落を期待(悲観的)

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6. Volatility index(VIX指数/恐怖指数)

VIXとは市場で取引されている価格から逆算された「株式市場のボラティリティ」のことを指します。株価指数は上昇時は緩やかに上昇し、下落時は急落します。市場参加者が高いボラティリティを見込んでいるということは、市場に対して不安を抱いていると想像できます。


VIX指数は株価の先行きにどれほどの振れ幅(ボラティリティー)を投資家が見込んでいるかを示す「株価変動率指数」のうち、米国株を対象にした指数。通常、株安が懸念される局面で上昇し、20を超えると不安心理が高まっていると解釈される。その場合、「株価が今後1年間に約7割の確率で上下20%の範囲で変動する」と投資家が予想していることを示す。

2008年の金融危機の際にVIX指数が80超に上昇して注目を集めた。18年2月と10月にもVIX指数の上昇をきっかけに米国株が下落する場面があった。VIX指数の上昇に連動して機械的な株売りを出す「リスク・パリティ」などと呼ばれるファンドが存在するからだ。(引用:日経新聞)


S&P500指数(VIX:青)とNASDAQ(VXN:ピンク)のVIX指数の5年推移は以下となります。

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VIX/VXNの5年推移


以下は1ヶ月の推移です。FOMC前に大幅にVIX指数は上昇。現在はその水準からは落ち着いています。

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ナスダックは未だに20を超えているため、市場参加者の不安心理が高まっています。無理な取引はやめましょう。


7. 空売り比率 (Short Volume)

空売り比率・ショートボリュームはNYSE(ニューヨーク証券取引所)で空売りされている株式の数をNYSEの総出来高との割合で示したものです。

この比率が高ければ投資家が市場をネガティブに見ていることが読み取れます。(「空売残」はShort Interestです。ここでは触れません)


特に暴落局面で注視するのが有効で弱気相場が底をつける時というのは空売りの急増を示す数値の上昇が通常2回か3回現れると成長株の巨匠・オニール氏は言及しています。

それではまずS&P500指数の空売り比率は以下となります。S&P500指数で最も取引Volumeが多いETFであるSPYで見ていきます。

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SPY - Short Interest - SPDR S&P 500 ETF Trust - Short Squeeze, Short Sale Volume, Borrow Rates, Fails-To-Deliver


9/21、22、23と勢いよく上昇しています。9/15、16と先週も急増していました。投資家はなかなかに市場をネガティブに見ていますね。暴落こそしていませんが、近々底を打つ可能性があります。


ナスダックについても取引ボリュームが大きいQQQでみていきたいと思います。

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QQQ - Short Interest - PowerShares QQQ Trust - Short Squeeze, Short Sale Volume, Borrow Rates, Fails-To-Deliver


QQQは先週までは高い空売り比率が続いていましたが、今は落ち着いてきています。投資家はS&P500に対しては弱気、ナスダックに対しては強気とマチマチな結果です。


8. 機関投資家やアクティブファンドマネージャーの動向

□ センチメントインジケーター

センチメントインジケーターは、個人投資家、機関投資家、海外投資家の過去12か月の株式ポジションと比較したもの。スコアが1を超えていたら、ポジションが増大していることを示し、-1を下回るとポジションが縮小していることを示しています。


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Sentiment Indicator and Stock Positioning


9月21日更新「0.7」(9月14日は「0.1」)。ファンドポジションはマイナス圏から今はなんと0.7まで回復。想像以上に強気ですね。意外でした。


□ NAAIM Number

次にNAAIM Numberです。NAAIM Numberはアクティブファンドの投資動向です。100を超えるということはアクティブファンドがレバレッジをかけていることを意味します。


先週は80を超えていましたが、今は70台まで落ちてきました。アクティブファンドはレバレッジをかけておらず、強気な姿勢は感じられません。

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NAAIM Exposure Index


上半期の動向を見ると、1、2月はアクティブファンドの積極的な買いが入っていたことがわかります。3月は50%くらいまで引き下げ。4月は再び100を超えました。4月に比べ、5月は大きく下げています。

6月に入り、一旦ポジションを引き上げる局面もありましたが再び100に近づいています。7月もポジション調整が見られ、現在は再び100に近い水準まで戻しています。

9月は歴史的に相場は下落する傾向にあり例年NAAIMも低いですね。(昨年の9月も60%以下までNAAIMは下落しています)。


センチメントインジケーターでは機関のポジションは増加、NAAIMではアクティブファンドはレバレッジを控えている状況。どっちつかずですね。両者揃った時に思い切り波に乗りたいものです。


9. 注目経済指標の動向

今週9/23はFRB政策金利(上限・下限)の発表がありましたが、0-0.25%の据え置きで終わりました。新規失業者保険申請件数は予想を332千件上回る351千件となりました。FRBパウエル議長も雇用増加率を特に気にかけた発言が多く、10/8の雇用統計にも注目が集まるでしょう。

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(参考:マネックス経済カレンダー


来週は実質GDP(前年比年率)、PCEコアデフレーター(前期比年率)、個人消費(前期比年率)、個人所得(前月比)、個人支出(前月比)などの発表があります。


10. 米国企業決算スケジュール

来週は特に目立った企業はありませんね。6月頃に60%ほど急騰したBBBYくらいでしょうか。

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今週のまとめ


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・NYダウ、S&P500、NASDAQ、ラッセル2000は小幅に上昇。S&P500指数は50日移動平均を奪還。来週以降も死守できるのかに注目。
・売抜日はS&P500が4日、NASDAQも4日。株式市場ステータスは「Uptrend Under Pressure(上昇相場頭打ち)」から「Confirmed Uptrend(確固たる上昇相場)」に格上げ。
・10年債利回りは急騰、債券市場は株式市場とは異なる見解。
・ブレイクイーブンインフレ率は上下するも2.3%水準で横ばい。
・VIXはFOMC前に30水準まで上昇するも今は落ち着きを取り戻す。NASDAQ(VXN)は未だに20を超える水準であり市場参加者の不安は大きい。
・センチメントインジケーターはプラス、NAAIMナンバーは今週は下落と機関投資家の動向が正確に掴めない状況。
・来週はMU、BBBY、JEFが決算。

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それでは良い週末を!ちゃお♪

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