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【FVRR/2021/4Q決算速報】ファイバー、2021年第4四半期の結果は売上◎、EPS◎。ガイダンスも強い。

(全文無料で読めます)

このマガジンは取り上げた企業の投資を推奨する意図は全くないことを改めて確認いたします。企業の業績チェック、ビジネスモデル、新着ニュースをシンプルに定点観測する読み物です。

(Fiverrの会社概要・歴史・ビジネスモデル考察は「【FVRR】ギグエコノミーの覇権を狙う画期的なマーケットプレイスを運営するファイバー(Fiverr)の株価の今後の見通しをオニール流に分析!」を参照。)

「Fiverr(ティッカーシンボル:FVRR)」のQ4-2021の結果が出ました。

株価としては暫く厳しい局面がつづいています。そんな中ででた決算です。反転の兆しはあるのでしょうか?その点に注意をはらいながら見ていきましょう。

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※YoY = year over year(前年同期比)

$FVRR

4Q決算速報

売上 ◎
79.76M YoY42.7% vs予想76.81M

EPS ◎
$0.22 YoY83.3% vs 予想$0.04

ガイダンス
1Q売上予想 ◎
86M YoY25.9% vs 85.5M

通年売上予想 ◎
376M YoY26.3% vs 371.1M

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では見ていきましょう!Earning Callの内容は追って付け足します。

1. Revenue(売上高)

Q4-2021:売上$79.8M/YoY+42%増(アナリスト予想:$ 76.8M)。

アナリスト予想を超えてポジティブではありますが、成長率が減速しているのが見て取れます。とはいえコロナ期の前の水準の成長率は維持しています。

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■ 売上推移

※YoY = year over year(前年同期比)

Q1-2019:$23.7M (YoY 41.9%)
Q2-2019:$25.9M (YoY 40.8%)
Q3-2019:$27.8M (YoY 41.8%)
Q4-2019:$29.5M (YoY 42.6%)
Q1-2020:$34.1M(YoY +43.7%)
Q2-2020:$47.1M(YoY 81.8%)
Q3-2020:$52.3M(YoY +87.8%)
Q4-2020:$55.8M(YoY +89.2%)
Q1-2021:$ 68.3M(YoY +100%)
Q2-2021:$ 75.3M(YoY +59.69%)
Q3-2021:$ 74.3M(YoY +41.99%)
Q4-2021:$ 79.8M (YoY +42.71%)

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国際性を高めており英語圏以外の国での売上が全体の32%を占めるようになっています。

Earning Callでフリーランス需要が強く収益貢献している分野は以下の分野としています。

E コマース関連は年末商戦に向けたコンテンツ、マーケティング、ウェブ開発への投資により引き続き好調に推移してい ます。また、ブロックチェーン、暗号、NFTなどの新興技術からも強いトレンドが見られました。クリエイティブやデジタルマーケティングなどのデジタルスキルをどのように収益化できるかが民主化されたことで、フリーランサーと当社のプラットフォーム、そしてフリーランサー経済全般に大きなチャンスが生まれました。

また、新規顧客の定着も改善が進んでいることが述べられています。

2年連続で、成熟したコーホートは前年比110%以上の定着率を記録しました。2019年と2020年の新しいコーホートについても、同様のライフステージにおける過去の成長率と比較して、より良い収益維持の傾向が見受けられます。

パンデミック時に獲得した外部コーホートが、古いコーホートと同等かそれ以上であることを確認できたことは、非常に心強いことです。データの傾向はまだ初期段階ですが、私たちが取り組んできた品質、保持、カテゴリーの拡大が実を結んだと信じています。

さらにテイクレートが上昇していることも述べられていました。

テイクレート(take rate, rake)とは、マーケットプレイス型ECモールやフリマアプリビジネスにおける受託販売手数料、取引手数料の割合のことです。

テイクレートの上昇要因については以下をあげています。要は高い手数料収入が狙えるサービスを顧客が使ってくれているということですね。

昨年から今年にかけて導入してきた付加価値の高いサービスや商品の組み合わせが、テイクレートの効率化に寄与していると思います。つまり、プロモ・ギグの成長、サブスクリプションやマイルストーン支払い、FX商品など、全体として引き続き貢献しています。だから、私たちは以前から、ビジネスを進化させれば、テイクレートをさらに向上させるチャンスがある

CEOの説明

Promoted Gigsが拡大し、より多くのセラーが利用し、Seller Plusプログラム、Fiverr Learnに貢献していることは間違いないと思っています。そして、これらはテイクレートに最も貢献する付加価値の高いサービスです。

CFOの説明

2.利益

売上総利益、営業利益、純利益の推移は以下となります。(営業利益だけNon GAAPが発表されていないので凹んでいます)

利益率は以下となります。純利益立は低位ではありますがプラスに浮上していますね。

マーケティングについては効率化を行い改善化していくとEarning Callで宣言しています。

私たちは、成長とマーケティングの効率化を推進するために、データに基づいた規律正しいアプローチを行うことを約束し、前年同期比で営業とマーケティングのレバレッジを引き続き改善する見込みです。

3.EPS

Q4-2021:(non-GAAP)EPSは$0.22(アナリスト予想$0.04)

EPSもアナリスト予想を大幅にクリア。EPS予想は「Yahoo Finance」で取れます。アナリストは保守的に予想を出すため、決算企業はこれを超えなければ市場から好感されません。

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Q1-2019:$ 0.2
Q2-2019:$-0.19
Q3-2019:$-0.12
Q4-2019:$-0.08
Q1-2020:$-0.08
Q2-2020:$0.1 (YoY163%)
Q3-2020:$0.12(YoY +200%)
Q4-2020:$0.12(YoY +250%)
Q1-2021:$-0.01 一過性除くと$0.21 (YoY 362%)
Q2-2021:$0.19 (YoY+90%)
Q3-2021:$0.19 (YoY+58.3%)
Q4-2021:$0.22 (YoY+83.3%)

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4.ガイダンス

FVRRはEPSのファイダンスを出していませんが、売上のガイダンスを出しています。1Q並びに2022年通期のガイダンスをだしています。

1Q並びに通年の売上はアナリスト予想を超えています。ガイダンスについては以下のコメントが出ています。2022年後半以降に期待ということになります。

2021年前半の高成長が2022年前半の成長率の重しになり、後半に成長が加速すると考えています。2022年通年の前年比成長率では、アクティブバイヤーが1桁台後半、バイヤー1人当たりの消費額が13%-19%で成長すると予想しています。テイクレートは、緩やかな上昇で堅調に推移する見込みです。

成長スピードに関してはコロナが起こる前のスピードに戻るとのことです。まあ、コロナ期が異常なだけですからね。特にギグエコノミーは。

第4四半期から今年にかけて、私たちが目にしたのは、パンデミック以前のトレンドを思わせるような、正常化または安定化したビジネスの姿でした。しかし、次の流行があるのか、あるいは今回の流行がより積極的なものになるのか、判断が難しいところです。

また、競合についてはLinkedInやUPWKをあげていますが、彼らによる影響はあまりないとQ&Aセッションで回答しています。(これはポジショントークの可能性がありますが。)

はい、競合についてのご質問をお受けします。少なくとも当面は、オフライン市場が当社の最大のビジネスチャンスであり、したがって最大の競合相手でもあると考え続けています。LinkedInやUpworkのような企業の更新や追跡調査を行っても、彼らのビジネスが私たちのビジネスに影響を及ぼしていることは証明されていません。もちろん、追跡は続けています。しかし、今のところ、当社のビジネスに影響を与えるようなことはありません。

5.企業KPI

FVRRはギグエコノミーの仲介企業なので、サービスの購入者数と支払い単価が重要になります。

◼️買い手の数

買い手の数は4.2M人と順調に上昇してきていますが、成長率が腰折れしてきています。

ガイダンスで述べた通り2022年の成長率は1桁台に落ち込む見込みとなっています。

◼️支払い単価

また、サービス購入単価については以下となります。購入単価は順調に伸びてきていますすが、若干腰折れ気味ですね。

2022年は13%-19%の成長が見込まれています。

6.CF (営業CF,投資CF,財務CF)

FVRRのCFは以下となります。依然として営業CFで投資を賄っているというわけではなく、財務CFで調達した資金を投資に充当しているという構造が続いています。

今年買収した企業は以下となります。

And Coの買収と統合
→ Fiverr Workspaceへ移行
CreativeLiveの買収
→プロフェッショナル育成コンテンツライブラリをさらに強化し、フリーランサーのための学習・育成モデルを拡大
Stoke Talentを買収
フリーランス管理システムであるStoke Talentを買収。オフラインのフリーランサーとの関係を当社の顧客にも可能にすることで、当社の対応可能な市場を拡大

7.財務状況

財務状況は以下となります。FVRRの総負債比率は以下の通りとなっています。60%程度で推移しています。

8.Earning Call

Earning Callは以下です。重要な内容は1-7に付け足しています。

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