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食品業界の現状と繊維業界で注目されているファクトリーブランド

 偶然、「カンブリア宮殿」を見た時に、聞こえてきたセリフ(メモを取ったのではないので、うろ覚えです。文章が違っているかもしれません)
 
「(食品業界は)20円・30円安くする競争をしている。これでは共倒れしてしまう。30円高くても買ってくれるブランド力をつくるのが重要。」
「さらに、(生産者が)作りたいものをつくる。それは、もっとこうすれば良いものができると生産者側が思ってもコストが上昇するため、(販売者側に)受け入れてもらえないものである。」
「この様な商品を製品化し、1坪ショップで試販売する。売れなくとも致命的な損害にはならない。これをどんどんチャレンジしてく。」

 振り返って、繊維業界も同じ様に感じます。
 以前、ある繊維業界の方と話をしていて、こんなことを言われた記憶があります。

「品質を向上させるために、ある工程を追加したいとアパレルに提案しても受け入れてもらえない。上代の限界値がある。また、工程の加工賃が、1点につき100円高くなるとして、上代+100円とはならない。あくまで上代は、原価×利益率として計算される。原材料の100円の上昇は上代では100円以上に高くなる。」

 多様な商品を扱っているので、この商品だけ、100円アップというのは、難しいのしょう。一方、消費者は価格と品質のバランスを求めています。価格を高めにした良いものは、消費者が購入してくれるのでしょうか? 実際のところ、わかりません。しかし、これこそが一坪ショップで試せるのです。今までは生産者側が販路を持たないので、この様にチャレンジすることができなかったわけです。
 前述の「作りたいものが」は繊維業界では「フェクトリーブランド」に当たります。また、「一坪ショップ」の代わりに繊維業界では「自社ホームページでのネット販売」が主力ですから、繊維業界の方が、IT化が進んでいるかもしれません。
 それとも、食品では賞味期間があり、また、ものによっては送付時に冷蔵が必要だったりするので、店での販売が適しているのでしょうか?
 「一坪ショップ」の他に、食品業界では、工場直販での販売も紹介されていました。繊維業界でも可能です。一方で、食品業界では「作りたて」を販売することに意味が出てきます。繊維業界では、「生産現場を見せる」ことに意味が出てきます。
 現状の課題は似ている業界ですが、解決策は、少し違うのかもしれません。


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