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年をとってから楽になったって言い方の正体のうちの一つを意地悪な目線で

「年をとってから生きるのが楽になった」

というのは割と良くある言い回しで私自身もそう思う事はあるのだけれども、じゃあ、今のこの楽な所に若い頃の体や頭があったらもっと良かったよね。というのは否めないので意地でも上記のセリフは言いたくないな。特に下の世代に慰めとして言う「私もさ、年取ったら楽になったからさ」。

じゃあなぜ、若い頃がめんどくさかったかというと
「人の目を気にする」
っていうのが挙げられると思うんだけれども、それって「気にせざるを得ない」から、もっといえば「周りがやかましいからなんじゃ」とついつい思ってしまう。

というのも、今日、ちょっとした問い合わせを電話でしたところ、私よりも年輩と思われる口振りの方が私に向かって幼児に話しかけるような口調でため息をつきながら
「あなたねぇ、それってぇ、常識なんじゃないかなぁ」
と言ってきたからである。問い合わせ内容については、ガイドラインの確認をしたかっただけで、以前に聞いた話と違うから「それが明記されている場所を教えてくれないか」という確認をしただけなんだが。おそらく電話口の人は「こちらの常識を世界を全く知らないやつが」とでも思ったのだろう。まあ知らないことは知らないけど。でもそんなん言われる筋合いもないはずだし、初心者お断りならはじめに書いてほしいのと、イヤな言い方をすればこっちは客なんだが。最初に言われていたならさっさとキャンセルしていたところだわ。

電話をきったあと、余りの腹立たしさと悔しさに泣けてきて
「あ、この感じ久しぶりだな」
とも思ったのだが、そうだ、若い頃ってこういったことが多々あったんだなと。

ハナから知識や経験がないと疑ってかかられて、こちらの質問は全く聞いてくれないこの感じ。年がいってからはそんな扱いをされることは少なくなったので忘れていたけれども。

年をとったら私の何かが変わって楽になったんじゃない、周りの扱いが変わっただけだったんだな。

そしてこの、加齢で劣化した頭と体で今更楽になってもね。と思うと
「私もさ、年をとったら楽になったからさ。」
と暗に「だから若いうちは耐えなさい」と言いたいのであろうその言い方に底意地の悪さを感じるのである。

そうだよね、若い体と頭に精神的な楽さが加わったら羨ましいことこの上ないもんね。

と思うと羨ましさにやせ我慢をしてでも「やりたいことは今やった方がいいよ応援するからさ」と言える年寄りになりたいなと思うのでした。


来年またなにかやれたらいいな