平井堅の歌 それを歌っちゃうのは勇気がいる歌

期間限定公開でMVが見られれるのでいろいろ見ています。

why

倦怠期のカップルを歌った歌で、ああもうこれは別れてしまいますね……という誰しもが経験あるんじゃないんでしょうか。グズグズな時間。

全体的に切ないのですが

知り尽くした君の体愛せない

というフレーズが最高に切ない。知り尽くすほどつき合っていたのに、じゃあどうすれば良かったのか。それこそ

Why

ですよね。なんて勝手な気持ちなんだろうかと。つきあっている人にこんなことを言われたら、いくら別れ際でもブチ切れて血みどろの争いが起きます。

ちょっと公言するのは憚られるけれども、誰しもが心の中にある醜い気持ちを表現するということに関して平井堅は大変長けているなと思うのです。

even if

こちらeven if。

恋人がいる人ととっておきのバー(「さっき見つけたんだよ」とさも準備などしていなかった体で連れて行って)で飲んでいる歌です。

終電が近づく中、このまま鍵をかけてしまいたい。もっと酔ってしまえばいい。そしてもたれかかってくれないか。そんな風に思っているのですが相手の方はバーボンを飲み干すと時計を気にし始めるという歌です。

切ない。切ないけれども、これは年頃の娘さんに聞かせて「気をつけなさいよ」とついつい言いたくなってしまう。危険。最後の

そりゃかなり 酔っ払っているけど
その責任は 君なんだから

って、どちらの意味なんですかね。酔っぱらっているのは「君」で、「君が終電のがしちゃってもそれは君の責任ねヘッヘッヘ。」なのか、酔っぱらっているのは「自分」で、「僕は酔いすぎてこんな事を言っているけれどもそれは君の責任だよフッ。」なのか。

私、前者かと思って聞いていて「ひでぇ」と思っていたんですが、今聞くと後者な気もしてきました。
まあでもいずれにせよ、一緒に飲んでいる人のこんな感じの心の声が聞こえてきたりしたら即帰ります。いや、私も思いますよ。いいなって思っている人と飲みに行ったら「帰したくない」って。後何杯で潰せるかなって。でも、そんなこと表に出せないじゃないですか。さもさも気がないですよってふりをしつつ杯を重ねてさりげなく物理的にいやらしく距離を縮めて……って何の話だ。

とにかくこの「表に出すのは憚られる気持ち」を甘く切なく歌い上げるというのが最高だと思うのです。

来年またなにかやれたらいいな