ロードバイク──自転車に「なる」
ロードバイクを買った。ママチャリとは違う乗り心地だ。一歩踏み込むたびに、ぐいっと身体が前に運ばれる。地面を蹴っている感じがする。風が身体にぶつかってくる。体勢を低くして、もっと脚に力を込める。ふっと軽くなる瞬間がある。気持ちいい。
週末には、このロードバイクで50kmほど遠出をする。ママチャリなら5時間以上はかかるだろうか。しかしこの子なら、3時間もあればお釣りが来る。何時間も乗ると、お尻が痛くなるのが難点だが。
あと道路の段差がすごく怖い。車体が軽く、タイヤも薄くて強いから、地面の衝撃が身体全体に伝わる。少しの段差で車体が跳ねる。隣には車だ。怖い。そのため車がいない、安定した道を探すようになった。
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乗り始めて2回目くらい、面白い感覚に気づいた。
ママチャリは、自転車に乗る。
ロードバイクは、自転車になる。
ロードバイクは、バイクと身体の一体感が尋常ではないのだ。腕とお尻で身体を支える。自然と前傾になって、バイクと身体が寄り添う。脚に力を込めた分だけ、前に進む。少しでも地面に違和感があるとわかる。身体の接続が悪いと、力がバイクに伝わらない。重心を傾けるだけで曲がる。
まるで、自分が自転車になったような気分だ。走ることに特化したバイクになる。
ママチャリでは、自転車と身体が分離している。だから自転車に乗っていた。でもロードバイクは、自分が自転車の一部となって、前に進むことだけに特化する。
面白い感覚だ。
ロードバイクもっている人、一緒にサイクリングしませんか?
サポート金額よりも、サポートメッセージがありがたいんだと気づきました。 読んでいただいて、ありがとうございました。