新規開講ゼミ紹介 経済学部 横尾ゼミ

こんにちは。SemiMeru 運営スタッフです。

本日は、2023年度に新規開講となります、経済学部 横尾ゼミのご紹介です!
横尾先生直々に研究内容やゼミの展望についてご紹介いただきます! ぜひご覧ください!

はじめに

経済学部・横尾英史ゼミは2023年度に立ち上がる新たなゼミとなります。
教員の横尾先生は2019年度に一橋に着任し、これまでに環境経済学、上級環境経済学I、経済学入門などの講義を担当してきました。
専門は環境経済学、開発経済学、実験経済学です。

研究室の概要

横尾研究室では、環境経済学の研究とその実社会への応用に取り組んでいます。
環境経済学とは「政府による環境政策」や「企業・家庭の環境に配慮した取り組み」を経済学の手法で研究する社会科学分野です。
また、これまでに政策立案やビジネスにおいて学外の機関・事業者と多くの連携をしてきた点も特徴です。
これまでに、環境省や経済産業省資源エネルギー庁の事業に参画してきました。
また、国立環境研究所、JICA緒方研究所、農林水産政策研究所、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、楽天などとの共同研究・事業に取り組んできました。
さらに、日本に加えて、インド、インドネシア、ベトナム、フィリピンを研究対象地として現地にパートナーを持ち、論文作成においてはアメリカ、イギリスの研究者との共著をしてきました。これらの活動で培ったネットワークをゼミ生にも共有し、活用してもらおうと考えています。

研究内容にご関心がある方は、以下の記事を読んでみてください。

教員の研究内容

環境経済学はミクロ経済学、マクロ経済学、厚生経済学、計量経済学、実験経済学を応用し、様々な環境問題を外部不経済・公共財の問題と捉え、それを考慮した上で社会をよりよいものへと変えることを目指す学術分野といえます。
教員はこの中でも、アジアの廃棄物問題・エネルギー問題を対象として、ミクロ経済学・厚生経済学をベースとし、独自の調査とランダム化比較試験により収集・構築したデータを用いた分析で研究を行ってきました。

主な研究成果は、下記をご覧ください。


ゼミで取り組む予定の内容

ゼミでは環境経済学を軸としつつも、その基礎となるミクロ経済学、厚生経済学、計量経済学の知識と分析スキルの習得に時間を割く予定です。
環境経済学の内容としては教科書を手始めに、英語のジャーナルの論文を読めるようにトレーニングします。
また、ゼミ生にはそれぞれ、「統計学的因果推論のデータ分析(StataとRを使用)」「ミクロまたは厚生経済学の理論分析(モデルの記述にOverleafを使用)」「データセットの構築・作成(PythonとStataを使用)」のいずれかに取り組んでもらう予定です。
このように、ソフトウェア・プログラミング言語を少なくとも一つ、できれば複数身に着けてもらいます。

コンピュータ・サイエンスの基礎やアプリの利用に慣れてもらい、卒業後もコンピュータとインターネットに強くて、それでいて環境経済学の基礎を身に着けた人材として多様な領域で活躍してほしいです。
3年次は教員と相談したテーマについて主にグループでレポートの作成などに取り組み、卒論作成に備える予定です。4年次は各自で環境経済学的なテーマを選び、それに基づいて卒論を作成してもらう予定です。
教員の研究や社会実装活動を研究補助員としてサポートしてもらうことも想定しています。その過程で、新たな知識、人脈、スキルを身に着けてもらえると考えています。

教員のネットワークに省庁、シンクタンク・政策系コンサル、ベンチャーキャピタル、国立研究開発法人があるため、そういった分野のキャリアを考えている方におすすめです。
また、在学中の留学や、卒業後の修士課程進学も推奨し、サポートします。

なお、ゼミでは以下の教科書を使用する予定です。このほかにも、ミクロ経済学と計量経済学とデータ分析の教科書も併用します。


おわりに

2020年に日本政府も脱炭素に舵を切り、それをきっかけに日本社会全体も気候変動問題やそのほかの環境問題への関心が高まってきました。私の分野はこの流れを受けて、とても多くの要望を産業界や行政から受けています。

過去30年の日本では国内企業の国際的な存在感が低下し(※1)、その一方で温室効果ガスの排出量は増えつ戻りつという横ばい状態が続いています(※2)。一方、世界では産業構造の入れ替わりと社会全体の脱炭素化が急速に進んでいます。2050年以降の日本とそこで暮らす未来世代に対して、脱炭素に成功した日本を、それでいて暮らしと仕事の糧となる産業のある日本を私たちは残せるでしょうか?こういった問いに現代経済学の力で取り組みたい、といった関心のある方にぜひ来てほしいです。

(※1)

(※2)


横尾ゼミの紹介は以上となります! 横尾先生ありがとうございました!

この記事を読んで環境経済学について興味が湧いた方は、横尾先生のホームページにアクセスしてみたり、横尾先生にメールでコンタクトをとってみたりしてください!
横尾先生ホームページ:

横尾先生メールアドレス:hidefumi.yokoo[at]r.hit-u.ac.jp

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