さんすうを教えることはできますか?『小学校6年分の算数が教えられるほどよくわかる』【読書ログ#93】
今年の四月に、娘が小学生になりました。とてもめでたいことです。
幼稚園と違い、学校は学びに行く場所なので、当然、勉強漬けになるのですが、うちの娘は意外にあっさり受け入れて、毎日勉強して帰ってきます。偉いなぁ、わたしなんて、通学中に「今日はいいかな?」なんて思ってランドセル放り出して公園で遊んでいたら、捜索されたことがあります。
勉強については、将来の選択肢を可能な限り広げておこう、というのが我が家の教育方針なので、基礎的な学力はみっちりつけておき、あとは好きなことを好きなだけしたらよい、という事にしました。
いうことで、小学生のうちは、国語と算数は常に満点を目指してもらおうと考えています。
その為には、ひとまず学校の授業は余裕でこなせる学力にしておきたい。ドラクエで十分にレベルを上げておき、装備も道具もしっかり持った上で次の街に進むのと同じ。モンスターは手癖で倒せるようにしておく。
まず、足し算については「1桁+1桁」と、「1桁-1桁」については暗記ですよ。足し算で81組、引き算で81組を毎日暗唱して暗記。桁の繰り上がりもみっちり仕込みました。
ここまで慣れてしまうと「2桁+1桁」とか「2桁-1桁」なんかも余裕で解けるようになる。うん、ばっちりだな。
「私は”絶対に勝つ戦”以外興味ない、行ってまいれ」と王翦のように、自信満々に送り出す。
そうしたら、学校から帰ってきた娘がなにやら聞いたことのない単語を口にした。
「パパちゃん、さくらんぼ計算で解きなさいって言われたよ」
※注:私は娘からパパちゃんと呼ばれている
え、なにそれ。さくらんぼ? どうやら、私の時代にはなかった筆算の手法があるらしい。
小学校は、理不尽だ。中学校も高校も理不尽だけど、小学校はとりたてて理不尽だ。文章問題を式になおすとき、順番を間違えると答えがあっていても不正解にされるだとか、そういった話は昔から沢山ある。
私が子供のころも、K先生は「聞いた順に答えろや!」と言って鞭で机をたたいていた。あれはヤバかった。
危険な教師はもう居ないようだが、筆算に対する理不尽は当時と変わっていないようだ。答えがあっていようがなんだろうが、途中経過が気に入らなければ不正解だ。
それならば、それに迎合してさらに上を行くのが生徒としての正しい戦い方だろう、さっそく「さくらんぼ計算」とやらをマスターしようではないか。
ということでこの本を買ってきた。
『小学校6年分の算数が教えられるほどよくわかる』(小杉拓也)
なるほど、よくわかった。
例えば 7+5=? という式の問題があったとする。
まず、足す方の「5」を「3」と「2」に分解する。
なぜか? 足される方の数字の下一桁が7なので、これと足して10になる数(3だ)と、それ以外の数(2だよ)に分けるのだ。
そして、5の下に〇を二つ書いて、そこに3と2と書き入れる。
そうすると
まず 7 と 3 を足す事になり。10となる。
そしてその10に2を足して12。
答えは 7+5=12 と導ける。
という仕組みらしい。
まぁ、たしかに、これと似たような事を頭のなかですることは多い。
引き算も同様に、引かれる方の数の下1桁がゼロになるよう、引く法の数字を分解したらよい。
それに、桁数が増えても対象できる。
オーケーわかった、この方法をマスターして、クラスメイトをごぼう抜きしようぜ!
オリジナルプリントを作り特訓します。
よし、完璧だ! 自信満々に娘を送り出します「ふぁるふぁるしてこい!」
そしてある日、娘が帰ってきて言いました、
「ねぇ、パパちゃん、2桁はバナナ計算で解きなさいって言われたよ」
えー、なにそれ、本にも書いてない!
バナナ計算は、さくらんぼ計算の亜流でした。
「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。