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『東の海神 西の滄海 十二国記 3』【読書ログ#151】

すっかりハマってしまった十二国記の三作目。

今回の舞台は延王と延麒が治める雁国の物語。

雁国は、一作目の『月の影 影の海』を読んだときに、治世五百年の平和な大国と紹介されていた国で、登場する延王と延麒は、さすが治世五百年のベテランだけあって、実力があるからこその余裕といった風情を出していた。

そんな雁国だが、五百年前、荒れていた。むっちゃくちゃ荒れていた。前王の圧政から国は荒廃し、雑草すら生えない荒れ果てた地が広がっていた、国民は他の国へ散り散りとなり、荒れた地を耕す民は無い。

そんな状態で尚隆が即位し二十年、ようやく緑が戻り始め、散った民もぼちぼち戻り始めた頃のお話。

尚隆は、ちゃらんぽらんなキャラクターで、まつりごとは臣下にまかせ遊び惚けている。そんな尚隆に不満を持つ州が反旗を翻し、その州に延麒が誘拐されてしまう。

一作目で陽子を助けた尚隆は、かっこいい王様だったし、それに仕える六太もナイスキャラだった。それを覚えているので、尚隆のちゃらんぽらんは世を忍ぶ仮の姿なんだろうな、なんて思いながら読み進めるのですよ。そして、期待通り、気持ちよくワクワクする感じで物語がすすみ、超すっきり大団円となる。ああ、面白い。

飄々としている六太の秘めたる懊悩、尚隆が経験した挫折と王としての覚悟、裏切る側にも理があり、様々なキャラクターが重層的に物語を紡ぐ。ああ、面白い。

ネタバレ無しで紹介するの難しいね。面白いから読んでみて。

「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。