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読み聞かせにも、初めの読書用にも、プレゼントにも 『ももいろのきりん』【読書ログ#135】

『ももいろのきりん』(中川李枝子)

知人に貰った集中力の本を読んでいたら、横では長女が集中して本を読んでいた。ずいぶん熱心に読んでいるので、どんな本かと聞いたら、大きな画用紙で作ったキリンと仲良しになる話。と、教えてくれた。

夜の9時半になったので「そろそろ寝ましょう」と、本を取り上げようとしたら、取り上げた本のページを抑えながら、まだ読んでいた。

読んでいたのは本書「ももいろのきりん」。もともと工作が好きということもあるが、ものすごい集中力で取り組んでいた。

長女は、そもそもが本を読み始めたら読み終わるまで離さない性格(将来、海外ドラマとかで徹夜するタイプなのだろう、お気の毒)なのだけど、それにしたってこの本への集中力はすごい。

本作の作者は中川李枝子さん。私としては「いやいやえん」でおなじみの作家さん。なるほど、なぜか子供の心をつかんで離さない不思議な魅力の物語を書く作家さん。大人には読み解けない行間を紡いでくる。挿絵は旦那様の中川宗弥さん。これまた何故か目を奪われる、ステキな絵。

あらすじはだいたいこんな感じ。おかあさんから、大きな大きな桃色の画用紙をもらった「るるこ」は、画用紙で大きなキリンを作る事にした。出来上がったキリンの名前は「キリカ」。キリカとるるこは、遠くに見えたクレヨンの実が生る木を見つけ、探しにいく。

そして、そこで出会った動物達と……

まるで、子どもの想像力をそのまま絵本にしたような内容。きっと子供達の頭の中には、こんな世界が広がっているのだろう。どうしてこんなにステキな世界を描く事ができるのだろう、うらやましい。普通の小説家なら、ものすごい分量の文章で目いっぱい説明してやっとわかってもらえる世界と色彩とかたちを、この作品では少しの文章と絵で説明してしまう。

子ども達に読む喜びを伝えられるステキな物語だと思います。漢字も多少出てきますが、小1であれば問題無く読めると思います。是非。

「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。