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30年やり抜いた技術者の物語『ホンダジェット: 開発リーダーが語る30年の全軌跡』【読書ログ#85】

『ホンダジェット: 開発リーダーが語る30年の全軌跡』(前間孝則)

発表されると同時に世界中の航空ファンを魅了したホンダジェット。その、開発をリードしてきた藤野氏が語る30年にわたる開発物語。

はたしてビジネスになるのか解らない、それ以前に、本当に空を飛ぶものが出来るのかも解らない、そんな状態のプロジェクトに、30年ものあいだ膨大な研究予算をつけ、見守ってきた歴代の経営陣と、それにこたえようと奮闘する技術者達の物語だ。

淡々と語られていくが、情熱がすごい、30年やり抜くとはこういうことか。

そもそも、何故、ホンダは形になるのかもわからない航空機に予算をつけ続けたのか。

それは、ホンダが自動車会社ではなく、パーソナルモビリティの会社であるというビジョンによる。

そのビジョンが社長から社員まで一貫して貫かれた結果だ。

選択と集中とか言っていたら、恐らく出来なかった。開発開始から事業化に至るみちのりは、良くも悪くも日本的な企業体質があってこその成果なのかもしれない。

結果として、奇跡のようなプロダクトが生まれる。

クラス最高の航続距離、クラス最高の燃費、クラス最高の巡航速度、クラス最高の運用高度、クラス最高の上昇速度。

読んでいると、とにかく胸が熱くなる。ホンダという会社が好きになる。

ホンダジェットも欲しくなる。

CMもすごくいい。Go, Vantage Point. ですってかっこいい。

価格は日本円で6億円位。意外に安い気もするが、残念ながら貯金が足りない。

運動会用に望遠レンズを買ったので足りない。

それに、例え買えたとしても、使い道が思いつかない。


「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。