【書評】ライバル怪盗Uの素顔が明かされる神回 『おしりたんてい かいとうと ねらわれた はなよめ』
ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日読書ログを書いています。55冊目。
『おしりたんてい かいとうと ねらわれた はなよめ』(トロル)
表紙に度肝を抜かれる8作目
表紙に驚き、大興奮。私でなくて、子どもたちがね。おしりたんていが花嫁の姿をしていて、傍らには怪盗Uが倒れている。
どうしたことか、どんな事件があったらこうなるんだ、表紙を見るだけで大騒ぎ。本のシュリンクを破る前から気になってしょうがない。
今回の難しい言葉たち
まぶかにかぶる ぼうしなどを目が見えなくなる位しっかりかぶること。見つかりたくないときのそうする。
いかにも まさにそのとおり! というときにつかう
はなむこ 結婚したての男性。このことばをつかえる賞味期限は短い。
せきばらい ひとに見てほしくて咳をしたふりをすること。気が付いたら、何も言わないで視線だけ送ると良い。
しれん くるしいけど、目的のためにはやらなくてはならないこと
げきりゅう すごく早い水の流れ。人間のちからでは逆らえない強さ。
かろやかに 体がいつもより軽い感じでうごけること
さびる 鉄と空気のなかにある水とか酸素がくっついて、茶色くなってしまうこと。かさぶたができる。
だつごく 悪い人がつかまると入れられる刑務所から逃げ出すこと。普通は無理なので、成功するとみんなから驚かれる。
かんごく 悪いことをして警察に捕まると入れられる場所。きまった期間入れられる。外にも出られないし、10時と3時のおやつもない。
けいき 監獄に入る期間。悪いことの内容で期間が長くなったりする。
第一話 ねらわれた はなよめ
ケロケロ王国の王女が結婚の時期を迎えた。
結婚式では代々伝わるお宝のベールを花嫁が身につける事になっており、そのベールを狙う「かいとうU」が予告状を出してきた!
予告状に困った王様は、おしりたんていに、宝を守るよう依頼をする。おしりたんていは伝説のお宝を守ることが出来るのか。
結婚相手は公募制である。王様は、我こそはという男どもを一同にあつめ競技をさせる。競技で優勝したものが結婚出来るのだ。王女の思いは関係無い。野蛮だ。もうちょっとどうにかならんかったのか。長女からもブーイングがあがる。
今回も「謎解き」や「おしり探し」などが充実しており、楽しい仕掛けが読者を楽しませる。かいとうUがどんな形でお宝を狙うのか、どんでん返しに表紙の答え合わせなど盛りだくさんだ。
ちなみに気の毒な王女の結婚相手だが、おしりたんていの計らいで意中の相手と結ばれることになる。素敵だぜおしりたんてい。
子供達に、結婚相手を選べないなんて酷いねー、なんて話を振ったら、長女は「○○くんがいい」とか言い出す。東芝のラグビー選手の息子さんでイケメンだ。
次女も意中の王子様の名前を言うが、ママがアンジェラアキ似の元CAで、やはりイケメンだ。
人間のDNAは、イケメンを求めるのか。
二話目 おりの なかの けいかく
これもかいとうUのお話だ。かいとうUづくし。ファンにはたまらない。
前の話で、花嫁のお宝を盗みそこねたUは、屁で気絶したところを警察に捕まってしまったが、そんなUが刑務所に収監されるところから第二話は始まる。
かいとうアカデミーで同期だったKと監獄で出会い、共に脱獄を企てるが…… はたしてうまくいくのか!?
(話の冒頭で脱獄に成功したと語られるが)
華麗なる脱獄劇が展開される。
かいとうUの素顔も拝めるこの巻は、かいとうUファンにはたまらない一冊になるだろう。
「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。