映画原作:おしりたんていに意外な弱点が! 『おしりたんてい カレーなる じけん』 【読書ログ#57】
「おしりたんてい」のシリーズはちょうどよい
最近、おしりたんていの話をよく振られるようになった。えっと、ありがとうございます。おしりたんてい、良いコンテンツです。何が良いって、おしりたんていはちょうどいい。ちょうどいいんです。
<尻>なのでシモネタ満載っぽいけど、実はそうでもないので親として安心出来る。文書量が多そうだなと思われるけど、間にパズルっぽい要素もあって間延びしない。文字が多いくせに、ひらがなが読めなくてもある程度は楽しめるし、読めるようになるともっと楽しい。
すこし長めのよみきかせが平気になった位から、自分で漢字まじりがよめるようになった位までが対象年齢。わりと長く楽しめる。
いろいろとちょうどいい。親としてちょうどいい。
小学一年生にちょうどよい
小学1年生の長女にちょうどよい。もう、ひらがなはスラスラと読める。だから自分で読んで楽しんでいる。黙読が出来るようになったのが誇らしそう。
読んでいると、ほどよく謎の言葉が出てくる。長女はわからない言葉を絶対にスルーしないので「パパー『ぜっぴん』ってなに?」とか、必ず意味を聞いてくる。そのたびに、一緒にチャレンジの辞書で引いて調べるようになった。
スノッブな言い回し、絶妙に大人っぽい単語選び、本筋意外のやりとりが書かれる手書きセリフによる脱線。ことばに対する興味がひろがって良い。ちょうどいい。
幼稚園児にもちょうどよい
幼稚園年少さんの次女にちょうどよい。ひらがなが読めない頃から楽しそうに本を開いていた。最近ひらがなを覚えたので、ゆっくり音読している。「ふーむ、においますね」とか言っていてかわいい。
お尻探しも楽しい。彼女は、なぜか間違い探しやウォーリーを探せ的なコンテンツに強く、両親以上の才能を見せつけてくる。家の誰よりも早く見つけてしまう。ちょうどいい。
もちろん、よみきかせもする。程よい謎解きがちょうどいい。そして、読んでいる本を横から覗き込み、お尻探しを楽しんでいる。ちょうどいい。
そんなおしりたんていの既刊9冊目が本書。映画の原作だ。
またまた表紙が気になる。シャツの前をはだけソファーで休むおしりたんていと、それをおもしろおかしそうにとりかこむおなじみの面々。想像をかきたてる。
今回はカレーのスパイスをめぐる事件
カレー店をひらこうとしている男性が貴重な幻のスパイスを紛失してしまい気を失う。その名もピリリトキック。その場にいあわせたおしりたてんていがその幻のスパイスを探す役をひきうける。
最初は道で落としたのだろうとふんでいたが、どうやら盗まれてしまったらしい。おしりたんてい達は、無事にピリリトキックを見つける事ができるのだろうか。
途中の謎解きにすこし無理があるなという印象。私ならスケッチではなく写真にするのだが、こどもへのわかりやすさを考えたのかもしれない。
こんかいのわからなかった言葉
スパイス 料理に使う味や香りをつけるもの。辛いものもある。
キッチンカー 料理するキッチンがついた車。街中でお弁当を作って売ったり、カレーを作って売ったりする。
レシート お店でものを買ったときにくれる紙。いつ、どこで、なにを、いくらで買ったのか。が、わかる。
ふたたび もういちど
れんこう つれていかれること
今回は、おしりたんていの弱点が露わになりかわいい。断れない理由も紳士的で気が利いている。とんだ災難にあい、それが表紙の説明となる。
だが、それも次なる素晴らしいカレーとの出会いにつながった。カレーなる事件はカレーに幕を閉じる。
「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。