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重力を知る道は、物理論の歴史をたどる道だった『重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る』

ほぼ毎日読書し、ほぼ毎日読書ログを書いています。

『重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る』
(大栗博司)

先日読んだ『宇宙は何でできているのか』と同じシリーズ(とアマゾン商品ページは言っている)。今回も頭から煙が噴き出しそうになりながら読んだけど、とても面白かった。

重力を理解する旅は、アインシュタインが1915年に発表した「一般相対論」から始まる。

アインシュタインは質量をもった物質は空間をゆがませると考え、その質量が大きければ、空間の歪みも大きくなり、他の物体を引き付けると考えた。

フカフカのベッドにボーリングの球を置くと、大きくへこみが生じる、それが空間の歪みだとして、近くにビー玉を置くと、ボーリングの球が作ったへこみ(空間の歪み)に落ちていく。これが重力だと。

しかし、アインシュタイン理論も、ブラックホールや、初期宇宙の特異点といった極限状態では通用しない事がわかった。これを証明した一人が、あのホーキング博士だ。

次に量子論の発展を解説し、さらに超弦理論の解説と発展の様子が説明され、ホログラフィー理論に行き着く。

重力を知る旅は、物理論を知る旅だった。

最近の宇宙論について、わかりやすく網羅的に解説されており、しかも、とてもわかりやすい。おススメです。

本書が書かれたのは2012年だが、その3年後、アメリカで重力波が観測されるというニュースがあった。LIGO(ライゴ)という施設で、ブラックホールの合体によって発生した重力波を観測したという。

その観測精度は、太陽と地球の間の距離間で、水素原子一個分程度発生する歪みを観測するというものだそうで。想像を絶する。


「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。