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とうとうシャーロックホームズもどきが登場! 『おしりたんてい あやうし たんていじむしょ』【読書ログ#51】

『おしりたんてい あやうし たんていじむしょ』(トロル)

とうとうシャーロックホームズもどきが登場!

私が子供の頃、登場人物が全員「擬人化された犬」というシャーロック・ホームズのアニメシリーズがあった。内容は子供向けにマイルドになっていて、アルコールもコカインもやらないホームズが、ワトソンと一緒に毎回モリアーティ教授と追いかけっこをしていた。今でも思い出すのだから、相当面白かったのだと思う。

思い出したついでにグーグルであれこれ(「ホームズ 犬」で検索した)調べてみると「名探偵ホームズ」という作品だった。Wikipediaを読むと、イタリアの国営放送局からの依頼で日本のアニメスタジオが制作を始めたもので、監督と演出を勤めたのは、なんと宮崎駿とのこと。

でも、コナン・ドイル遺族との版権問題とか、イタリア側がのんびりしていたりとか、あれこれトラブルが続き、とうとうイタリアからの資金が途絶え制作は中止に。だが、すでに制作されていたものをナウシカの同時上映で流すと、資金が集まり制作が再開され、全26話が無事テレビで放送された。

内容は、コナン・ドイルの原作からは大きくアレンジが加えられていて、ずいぶんと子供向けになっていたけど、内容はまさにシャーロック・ホームズ。犬だけど、ちゃんと例の帽子とコートにパイプという格好で、犬のワトソンを携え、犬のモリアーティ教授をおいかけている。

そんなホームズをもじった「キャーロット・ホース」と、ワトソンをもじった助手の「ワトン」が街にやってくるところから、今回のおしりたんていの話ははじまる。

話が面白いのか、せがまれてなんども読み聞かせている。読むたびに私が「シャーロック・ホームズ」や「ワトソン」と読み間違えるので、長女は「なんでいつもそれとまちがえるの?」と不思議顔。

元ネタ、わからないよね。コナン・ドイルの元ネタの話をきかせたりもするけど、あまり興味をしめさない。元ネタがなんであろうと、おしりたんていが推理し、屁で事件を解決する物語に子供は夢中だ。すごいぞおしりたんてい。

誰もが知っているだろう元ネタがあって、その元ネタを理解しているからこそ成り立つユーモアや物語ってのは沢山あると思うので、そういったものを、おしつけがましくない感じで伝えていけたらなと思った次第。そのうち、コナン・ドイルを読んで膝を打つのかな。楽しみだ。

こんかいのこどもにはむずかしいことば

ひるさがり お昼ごはんを食べて少し経ったころ

馬力 力の強さを馬でたとえた。100馬力は馬100頭分の力。ホースパワー。

なぐりこみ 相手のところに殴るつもりで訪問すること

えいぎょうどりょく ものを売るために頑張ること

むさくるしい ちらかっていてだらしなくて臭そうな感じ。パパの部屋。

こうえい ほめてもらってうれしいかんじ

うけてたつ たちむかう様子

マダム 結婚している女性のことをフランス語で。かっこつけて女性を呼ぶときにつかう。

ほうい 取り囲むこと

百人力 百人分のはたらきが期待できるという大げさな言い方

げすいどう 建物などから出る汚れた水が集まる川のようなところ。地下にあって、下水処理場まで流れていく。

もぬけのから なかみが空っぽになっているようす。ティガーがもぬけのからの歌を歌っていた。

いってんばり ひとつのことにこだわって他の事を選ばないようす。

きぐるみ 中に人が入れるおおきなぬいぐるみ。駅前にたまにいるゆるキャラのアレ。

サプライズ おどろかせること。お祝いのプレゼントとかを本人に内緒で企画して驚かせるときに使う。

第一話 あやうし たんていじむしょ


待ちに突然やってきた探偵「キャーロット・ホース」は名前から想像が付く通り、人でも犬でもなく馬。だが、例の帽子にコート、パイプ代わりに人参を咥える姿は、どこからみてもシャーロック・ホームズ。

そんなキャーロットが、卑怯な手を使いおしりたんていをだしぬき、街一番の評判を狙う。何故そのようなことをするのか? おしりたんていの助手であるブラウンはカンカンになるが、おしりたんていは気にならないようで何処吹く風な態度。

そんなときに銀行強盗事件が発生し、ワンコロ警察から両者に協力要請が出される。キャーロットとおしりたんてい、どちらが先にこの事件を解決するか、勝負が始まる。

第二話 おとうさまは しんぱいしょう

富豪の亀がおしりたんていに娘を尾行させるほのぼのとしたお話。

そういえば、子供の頃、著者近影のコナン・ドイルが絵的に怖くて、上から画用紙を貼り付けて隠していたのを思い出した。「The Giving Tree」の裏表紙を見たときの衝撃もなかなかだった(あれ、すごいよね、サイズ感とか)けど、コナン・ドイルの、目が落ち窪み、コントラストが強くなった写真も、なかなかの不気味さでした。

「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。