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訪問医療マッサージ集客の極意ー新規問合せの正しい対応

新規問い合わせの対応方法

実践営業もそろそろ後半に入ってきました。これまでの準備、戦略、計画、そして実際の営業活動は、すべてこの「問い合わせ」のためにあります。すべての事象にはプロセスがあり、結果というのはそれまでの行動内容に左右されます。「問い合わせ」は、結果を出すためのプロセスの中で一番重要な指標となります。

第一章で述べたように、営業活動とは単にモノやサービスを販売するために行うものではなく、特にこの医療と介護業界においては地域に根付くことを第一とし、地域との横の関係を地道に構築する必要があります。自分たちの地域を地盤として高齢者や障害を抱えた人々を支援するためには、一つのサービスで賄うことができず、無料のボランティアサービスを含め医療保険サービス、介護保険サービスを提供する事業所が顔の見える関係となるのです。問い合わせというのは、日々の地域連携を意識した営業活動の一つの成果になります。問合わせの数=信頼の数であると考えて間違いありません。

私が提唱する新規問い合わせの対応方法は、最初にケアマネジャーや相談員から患者さんについて電話やメールをいただいた場合は、とにかく感謝を伝えること。数ある事業所の中から選んでもらい、そしてここなら大丈夫かもしれないと期待をして連絡してくれているのですから、それに対して感謝を伝えるのはあたり前のことです。営業担当者に直接連絡が行った場合はもちろんのこと、会社の誰が電話対応をした場合も同じように感謝を伝えなければなりません。営業担当以外が対応する場合を考えて、トークスクリプトという電話対応マニュアルを社内で共有する方法も検討してください。日頃、営業活動を実施していない社員が会ったことのないケアマネジャーに感謝を伝えるために心を込めるのは難しいかもしれませんが、それが私たち訪問医療マッサージの売り上げの源泉であると考え、問い合わせに対して御礼を伝えるという考えや価値観は、電話を受け取る可能性がある社員全員で共有すべきであると考えます。トークスクリプトとは、簡単に言えば「カンペ」です。問い合わせ対して、どのように御礼を伝えれば良いかを簡単なマニュアルとしてまとめるものです。

ここまで新規の問い合わせについて説明しましたが、何年も営業活動をしているのに、新規ばかりでリピートがないこともあるでしょう。この場合はどんな理由だと思いますか。それは一度のやりとりで信用を失い、信頼されていない可能性を意味しています。問い合わせの指標というのは非常にわかりやすいもので、地域連携を意識した営業活動を少しでも怠れば、それは即結果に反映してしまうものなのです。

私が「木下の介護」に入社したのは契約社員としてでした。試用期間の3カ月間で契約を取れなければ、退職か介護施設のヘルパーに移動するという条件でした。最初の月は100件、次の月は200件と、がむしゃらに訪問活動を行いましたが、努力も空しく新規問い合わせを獲得することができませんでした。2か月目の半ばを過ぎるころには社用携帯も没収されてしまい、すごく絶望を感じたことも覚えています。

仕方なく自分で仕事用の携帯を契約し訪問活動を続けて、ちょうど3カ月目に突入したころ、本社宛に何件か新規問い合わせが入ったと教えてもらいました。ケアマネジャーや病院の相談員に伝えていた番号の携帯は没収されてしまったので、私に直接つながらず本社に問い合わせがあったのです。その数15件。それをみた直属の上司であった新井課長は、「塚本なら必ず結果が出せるから」と当時の取締役に掛け合い、試用期間を1カ月延長してくれたのです。問い合わせ15件の内の5件が、延長してもらった試用期間4カ月目で契約できたのです。私は思うのです。売り上げ金額が信用・信頼の証ではなく相談件数という指標こそが多くの方に頼られている証拠であると。もちろん自己満足です。しかし売り上げ金額は結果であり、その結果に必要なのはプロセスだと思うのです。

私は新規問い合わせをくれた事業所へ御礼の訪問を行い、必要そうな資料を見繕って訪問しました。日々の努力が実を結んだとき、人は本当に心から感謝を伝えたくなるものなのです。その感謝は、包み隠さず表現してください。感謝をいわれて悪い気持ちになる人は、まずいませんから。

新規問い合わせにも「ランク」があるのをご存じでしょうか。例えば、急ぎの場合はAランク、検討している場合はBランク、ちょっと聞いてみたいことがあった場合はCランクとランク付けをすることで、その後の対応をマニュアル化することもできます。
 忙しい場合やどうしても業務に優先順位を付ける必要がある場合は、ランク付けが有効となります。例えば、急ぎの対応を求められたときは、先約がない限りできるだけ応じるようにします。出がけに資料を見繕う形でもよいのです。「承知いたしました! 今からお伺いいたします」といって、対応することがベストです。検討してもらっている最中でも「ちょうど〇〇様の近くに参る用があるのですが、先日お話しくださった件の資料が出来上がりましたので、持参してもよろしいでしょうか」など、折につけ訪問できるように行動しましょう。多忙な相手の場合は、「受付にお届けしておく」「郵便受けに入れておく」などといい換えるなどの配慮が必要です。どのようなときも、スピード感をもって対応します。すぐに対応してもらえると、人は自分が大切に扱われていると感じるものです。結局、すべての問い合わせに対して丁寧に対応しましょうということです。

資料の作り方には、こだわってください。封筒はむしろ邪魔になるので、クリアファイルに会社概要と営業チラシ、名刺をクリップで止めて今回お問い合わせをいただいた御礼を付箋や一筆箋で書いておきましょう。手書きのコメントというのは効果抜群です。
 もし手書きのコメント付きの資料を持参するのであれば、それはあえて受付にお届けしたり、郵便受けに入れたりするのもいいです。必ずしも会う必要はなく、むしろ会わないことがより資料の価値を引き立たせることもあるのです。

なお、問い合わせ対応のマニュアル化は、自分だったら嬉しいこと、相手に満足感を与えることを第一に考えて作ってみてください。問い合わせの初回対応というのは相手の顔がわからない分だけ、声の表情で感情を伝える必要があります。紋切り型のマニュアルでは、電話対応に慣れていない人では、冷たい印象を与えてしまう場合があるのです。
 初回のお問い合わせの電話からお試し施術につながるかどうかは、この電話対応次第ということになります。

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