Jazz PhenomenaとSSHの記憶6


この記事の続き

誰か後輩の参考になればと思い、Jazz Phenomenaのアーカイブとして残す。

2001年 傀儡政権

上級生が引退しないバンド、Jazz Phenomena。
留年生たち>>>(越えられない壁)>>>3年生>2年生>1年生というパワーバランスで運営が行われた年。
コンマスは前コンマスによる指名制で、3年生にはバンドマスター、コンサートマスターという役割は与えられたものの、実質バンドを支配するのは留年生たちであった。いわゆる傀儡政権の年である。中間管理職は辛い役割で、傀儡政権のストレスから同期の初代バンマスが胃から出血してダウン、途中でバンマスが交代することになる。ただこの体制にもいいところはあって、Jazz、Big bandに対する勘所を、無駄にノウハウを溜め込んだ留年生たちから直接吸収する大事な年だった。当時の我々は"根性"という謎の単語に支配され、朝5時からの早朝野球などで統率されていた。(早朝野球が終わったら合奏)
音楽的なところだと、「コンテストに出ても結果を出せる強いバンドの土台を作る」ことを目標に選曲を行っていた。当時のSSH的にカウント・ベイシー・オーケストラ/サミー・ネスティコ中心に組み立てるのではなく、コンテストで評価の対象となる曲のアレンジも考慮して白人系ビッグバンドの曲を中心にレパートリーを増やしていった。ただ始動初年度からめちゃくちゃ背伸びをして選曲してしまった、もっと適切なGOAL設定ができたはずなのでちょっと後悔している。Jazz WeekではI hear a rhapsodyに挑戦するものの途中で曲が崩壊しかかり、打ち上げで崩壊の戦犯探しの”裁判”が行われていた。「裁判だぁー!!(という誰かの叫び声)」が今も耳に残る。コンテストはまだ我々原始人には時期尚早だった。
またこの年、スウェーデンよりBohuslän big bandが来日。バンドとして直接ワークショップを受けることができた。英語がほぼ全員話せなかったものの、身振り手振りで教えてもらう。I hear a rhapsodyみたいなコンテンの曲はハネずにPerfectlyにFlatで吹けと教わった。
定期演奏会の場所がワンフーという中華料理屋から、銀座ライオンに移ったのも確かこの年から。


選曲リスト
Willowcrest (Buddy Rich Big Band)
I hear a rhapsody (Bob Mintzer)
To You (Mel Lewis Jazz Orchestra)
Donna Lee (角田健一 big band)
Play by play(The Tom Kubis Big Band)
Lazy day (Toshiko Akiyoshi / Lew Tabackin Big Band?)
Searcher (C.U.G.)

2002年 Phenomena Rising

6年生(!)、7年生(!!)、8年生(!!!)が抜け、真の意味でのスタートの年。前年度バンドマスターは定期演奏会終了と同時に魔女裁判で首になり、新バンマスの体制となった。当時4年生、就活よりも院試よりもフェノメナ、な感じで本業そっちのけで注力してやっていた。(幸い?留年するもの、院に進むものが多く、就活に労力を注ぐメンバーが少なかった)
まずは全員Soli付きで難易度高めのBlack Nileを攻略し、序盤のイベントJazz Weekにぶつけて成功、昨年の裁判の悪夢再来を回避する。
夏、初の兄弟バンドSSHとの対バン@静岡市青葉公園を実施し、Phenomenaステージでは圧倒的な盛り上げ振りをみせることができた。最後のIt don't Mean a thingのエンディングノートでリードTpがHigh G(実音)を決めたとき、ようやく目指すJazz Phenomenaが完成していた。
「○○(東京の有名なバンド)にも勝てる!」と打ち上げで連呼していたような気がする。定期演奏会が行われる頃には全員が自律的なSwing感を持ち、Medium 4 beatなどでは強烈にグルーヴを感じさせるバンドにまで成長した。自分がコンマスをやったバンドではピークの実力だったので、もっと演奏機会を増やすべきだった。

定期演奏会の演奏が神だった。


選曲リスト
Time for a change (Stan Kenton Orchestra)
Main street news(Rob Parton's Jazztech Big Band)
It don't Mean a thing (Rob Parton's Jazztech Big Band)
Theme in search of a movie (Woody Herman Big Band)
I get the blues when it rains (Sammy Nestico)
Four Brothers (Woody Herman Big Band)
Quintessence (Stan Kenton Orchestra)
Black Nile (Rob Parton's Jazztech Big Band)
In case you missed it (Bobby Watson & Tailor Made With TOKYO LEADERS BIG BAND)


2003年 初コンテスト

第1回東海ビッグバンドジャズコンテストが開催された年。前年の成功に味をしめた我々は、更に選曲の難易度を上げていった。コンテストで初開催、初優勝を狙うべく、以前ワークショップ&生ライブで感銘を受けたBohuslän big bandをレパートリーを加えて、FlyfisherとCarmelo's by the free wayを演奏した。バンドの仕上がりは非常によかったものの、フィーチャーされる自分がプレッシャーに押し潰されてしまい震えから全く演奏にならず、4位という悔しい順位に沈んだ。(大変申し訳ない)
名古屋にて名古屋芸術大学 Jampa Swing Orchestraとの初の学外対バンを実施。

選曲リスト
Evanology (Rob Parton's Jazztech Big Band)
Flyfisher (Bohuslän big band)
Dreamers of dreams (Rob Parton's Jazztech Big Band)
Samantha (Count Basie Big Band)
Dolphin dance (Mel Lewis Jazz Orchestra)
Just pretty little thing (The Tom Kubis Big Band)
Carmelo's by the free way (Bob Florence Big Band)
Now! (Bohuslän big band)

2004年 勝利の年

Jazz Phenomenaは次の世代へ。
第2回東海ビッグバンドコンテストにて最優秀賞、最優秀ソリスト賞(Tp)を獲得した。

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