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乳がん体験記~結果について~

私が「体験記」としたかったのは、あくまで「体験」で終わりたいという願望が入っています。
「闘病記」だときっちり向き合って戦わなければいけないイメージがあって。きっちり向き合うのが怖かった。そんな思いからです。

9月に書いた⑫から、時々つぶやいて、少し前に夫婦のあり方を書いて、また遠のいていました。

昨年の7月の告知、術前治療(抗がん剤)の開始、12月末での術前抗がん剤の終了、年明け抗がん剤が効いたかどうかの検査、1月末の入院と手術、そして、今週の頭に退院しました。

そして今日。

手術で取り除いた部分を病理解剖に出した結果を聞きました。

・・・

そんなに簡単に過ぎた毎日ではなかったはずだけど、ここに書くとあっさりだな^^;

私からしたら、6月に脇の下のしこりを感じて受診してからの8か月、嵐のようでした。

記事を分けると、一つ一つを長々書いてしまいそうで、途中でまた書くのやめてしまいそうなので、出来事を分けてさらっと書きます。

【告知された病状】

乳がん(充実腺管ガン)
乳房にしこり2個(うち1個は良性の可能性が高い)
脇の下のリンパと胸骨のリンパに転移の可能性あり乳房内に広く石灰化したものが散らばっている。
乳首周りに石灰化多く見えるので乳首の温存はできない。
基本全摘。
ホルモン受容体 陰性
HER2     陽性(つまりHER2陽性タイプ)
ki67値 90%以上(←かなりの悪性度らしい)
グレードは3
ステージ ⅢbかⅢc

以上より、
抗がん剤+分子標的薬+手術+放射線治療が標準治療
・抗がん剤は手術前でも後でも予後は同じ
・がんを消す目的ではなく、再発や転移の時に抗がん剤が効くタイプかどうかを知るために行う(期待するな、ということか?)
・例え、術前に抗がん剤を行ってガンが小さくなったとしても全摘が前提。

…という訳で、術前抗がん剤+手術+術後は分子標的薬+放射線治療という流れで決めました。

【術前抗がん剤】 

〇EC療法
7/27 第1回、8/17 第2回、9/7 第3回、9/28 第4回

MRI、CT検査等の結果…脇の下のリンパはかなり小さくなった。乳房のしこりは少し小さくなった。
第2回か3回の辺りで、脇の下のしこりが触れなくなったのを感じていた。
だけど、乳房のガンがあまり小さくなっていなかったのがちょっとだけがっかり。つい期待してしまう自分もいました。

〇ドキタキセル+ハーセプチン+パージェタ(第6回目から)
10/19 第6回、11/9 第7回(パージェタ追加)、12/7 第8回、12/28 第4回(最終)

 10月に、これまで再発・転移のみに使用が許可されていたパージェタが術前治療の対象としても認可されたので、第2回から加わった。ECの時もそうだったけど、とにかく点滴の時間が長い。5時間近くかかる。朝9時ころ病院に入っても、採血や診察の順番待ちの後に点滴すると、夜7時ころの帰宅になることもあった。

 7回目と8回目の間で体調を崩す。38℃までいかない熱がずっとあって、シプロキサンを使うタイミングがつかめなかった。下痢もずっと続いたりして病院に相談。ちょうど子どもがインフルエンザにかかってしまったこともあり、看病も重なったし、感染も心配された(感染はしてなかった)。
ただ、病院に病状を伝えて血液検査をしたら、白血球が減少していて、このままでは少しでも感染すると危険だから、このまま入院して!と言われる。

 「家もそのままだし、子どもたちに何も言わずに入院はできない。とにかく一度帰らせてほしい」と言ったところ、応急処置的な対応をしてもらった。
 そして入院準備をして次の日来院したら、(担当医ではない先生から)「これだけ白血球の数値が上がったら大丈夫。入院しなくていいよ」と言われ拍子抜ける。荷物を持って帰宅。家族も苦笑い。
その代わり、治療スケジュールは1週間遅くなった。

【術前療法の結果、手術前検査の結果】

 CT、MRI、エコー、レントゲン、マンモグラフィーの結果から、画像レベルではガンが見えなくなっていると言われる。
 胸骨下のリンパも「この画像を初見でみたら『リンパ転移なし』と判断するくらい」だそうだ。
 ただ、私の場合は、石灰化が乳房全体に散らばっていたので、画像に移らない微細ながん細胞が残っていないとも限らないし、ガンの集まりの密度が減ってガンとして見えてないだけかもしれない。だからやっぱり全摘をします、とのことでした。

【手術】

1/28 左胸全摘、脇下リンパ郭清

【摘出した乳房及びリンパ節の病理解剖の結果】

ガンが消失。
ステージなし

つまり、摘出した乳房にもリンパ節にもガンはなかった。

抗がん剤と分子標的薬が効いたのでした。


 結果だけ見れば「じゃあ、手術しなくても良かったんじゃない?」と言われるし、私もちらっと思ったけど、画像はあくまで画像だし、もしもあの状態で手術をやめて、乳房を温存していたとして、再発や転移をしてしまったら、私が後悔する。
 確実に生きる可能性の方を大事にしました。
 だから、後悔はないです。
 結果オーライです。


 もちろん抗がん剤と分子標的薬のおかげによるところも大きいけれど、もともとの丈夫さと、ガンとわかってから行った色々なこともきっと良い影響があったんだと思っています。
 周りの支えはもちろん。
 感謝しかない。

 助けられた命を大事にして、周りへの恩返しをしていきます。


夫や子どもと一緒にいられる。
それがとてもありがたい。

今日、結果が出たので、まだ落ち着かない。
今日に限って夫が出張でまだ帰宅していないせいもある。
だからこの記事も書けたといえばそうなんだけど。


今後は、この8か月の間のことをポロポロと思い出しながら記事にしようと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
同じ病気をされている方の、一日も早い回復を心から願います。

                           いよの






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