ペインコントロールに自己催眠が必要な時ってあるのだろうか?

昔の歯医者さんは、催眠というものが使えました。というのも今ほど部分麻酔の技術が発達しておらず、子どもが治療対象の場合は全身麻酔で事故でも起こったら大変だったためです。また、学校の校長先生も催眠が使えました。昔の就学旅行はバスが主体でしたが、今より道路が未整備な箇所も多く、乗り物酔いする生徒が多くいました。そのため乗り物酔いにかからないような催眠をかけたのです。

催眠は深くかかると、痛みを感じなくなる状態にもなれます。昔のテレビでご覧になった方もおられるかもしれませんが、針を手のひらに刺しても痛みを感じなくなったりします。

それでは、カラダの不調やケガ、病気で痛みのある箇所がある場合、催眠に頼れば良いのでしょうか?

これについてはまず、催眠で痛みを抑えた場合、催眠が解けた場合の痛みをどうすれば良いのか、という問題があります。

ですので、痛みをコントロールするための催眠は、「医者に行く暇がなくて、催眠を使っても副次的な弊害がないとき」に用いるべきだと言えます。

具体的には、雪山で遭難して手足が凍えそうなとき。過去に実際にあったケースですが、アルプスで遭難したメンバーのうち、温感暗示と言って手足がポカポカする催眠を自分にかけた人たちは、凍傷による手足の切断を免れたそうです。

また、例えば「胃がシクシクするのでベッドに横になったけど、もう夜なので医者に行くのは明日にしよう」という時です。そういう時は、こんな暗示を自己にかけます。ブリージングと言って、軽く息を吸った後、長く深く吐く呼吸を何回か繰り返した後、氷が自分の中に1個ずつ詰まってって、胃がキンキンに冷えて感覚がなくなっていく様子をイメージします。その後、今度は温めたミルクもしくはお湯が胃の中に流れ混んできて、胃がポカポカになる様子をイメージします。この冷たい感覚と温かい感覚を交互にイメージしてください。

イメージという力は、うまく生かせば自分を守る手段になります。

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