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「いい人」と言われたりすることがあるかもですが、どこをどう思ってそういわれるのかを深く考えたことってあまりないように思います。

もちろん悪い気はしないのですが、「(感じの)いい人」という意味合いだったらいいですが「(人の)いい人」という意味合いだとかなり変わってきます。

昔草彅剛さんが「いいひと」というドラマの主人公を演じていて、本当にいい人だったんですが、こういういい人というニュアンスのいい人なら誰からも好かれるでしょうし、私利私欲や裏表、駆け引きなど全くないし、たとえ貧乏くじを引いていても悪びれることなく、常に自分のことよりも人のことを優先できるような、本当に心根のきれいな人という感じのいい人というのなら、最高にいい人だと思います。

ただ、表面的にいい人を演じている人も結構います。
社会に出るとどうしても自己主張などをそのまましていたら周りとの和を乱しますし、「協調性のない人」という評価を受けがちです。
そうしてどんどん自己主張をせず周りに合わせる「いい人」ができあがるのですが、この手のいい人は、無理に作られたいい人なので、反動がどこかでやってきます。

「愛想のいい人」というのもそうですね。私もそうなのですが、一応接客業のはしくれなので、やはり笑顔は大事だと思っていますし、第一印象を悪くすることだけは避けたいのでもともとそれほど愛想の良い方ではなかったのですが今ではまあ、愛想のいい方ではあると思います。
ただ、家族間や友人間では特に愛想を振りまく方でもないので、オフィシャルな面である意味作られたいい人です。
愛想が良くなくても性格のいい人はたくさんいますし、むしろ私の長く接している友人の多くは愛想の良くないタイプが多いのです。
でも、優しいし、深みもあるし、聞き上手です。
愛想「だけ」いい人というのは、社交辞令もできるし、話に深みがない人もいます。(もちろん両方兼ね備えたいい人もいます)

あと、「人のいい人」となってくるともう、これは正直「いい人だね」と言われてもそこには「お人よしだね~」という憐憫にも似たような感情が込められることも少なくないと思います。
私利私欲に駆られず、相手のことを常に思う人ではあるのですが、本当の意味での「いい人」との大きな違いは、「人のいい人」は厳しさがないのです。人に対してももちろん厳しさがないのですが、同時に自分にも厳しさがないため、規範がなく、誰にでもへらへらしているように映りますから、軽く見られますしある意味バカにもされますし、利用されやすいタイプになります。
本当にいい人というのは、他人には優しいけれど自分に厳しい人です。
人のいい人も、仕事などで楽をしたい人が「代わりにやっておいて」と言うと「いいよ~」となんの不満もなく引き受けるのですが、本当の「いい人」は相手が楽をしたがっていることを分かったうえで引き受けます。そして成果が全く違うでしょう。人のいい人は必ずしも仕事ができる人ではないので、無責任に引き受けるのでミスだらけになる場合もあるし、ただ引き受けているだけなのでフォローなどもし忘れます。でも、本当の意味でのいい人というのは、しっかり自分自身の仕事をするので、頼んだ相手が困らないようにしっかりフォローまでできます。そして相手は「申し訳なかったな」と反省することにもなりますが、そういうようなそぶりは全く見せない謙虚な人なのです。
ここまでの人格者である「いい人」はまあ、稀にしか存在しないと思います。

厄介なのは「いい人ぶる」人です。見返りを要求している行動なので、どこかで絶対に反動がやってきます。表向きいい人に見えますが、見えないところでは頼んだ相手の悪口を言ったり、わざとミスをしたりしてあとで困らせるというようなこともします。

要するにひとえに「いい人」という評価を受ける人と言ってもいろいろいますので、相手の本心を見抜くのはかなり難しいでしょう。

私自身、いい人だなと感じる人というのは、やはりどんな人に対しても態度を変えない人であるということが一番です。
そして、コンディションが悪い時にも人に対して普段どおりの行動ができる人です。
自分自身が経験していることですが、正直、辛いことがあった時、重たい話をしたがらないような人がいます。楽しい話には積極的に乗ってきますが、テンションが落ちている時になると急に疎遠になるような人は少なくても本当のいい人ではありません。

今年になって家族の問題で正直私自身、コンディションとしては最悪ですが、そんな時にも折に触れて連絡をくれる人や、楽しいイベントに誘ってくれる人などは、私にとっては「いい人」だと思います。
楽しい事はできればコンディションのいい人と共有したいはずです。でも、あえてテンション低めの私のことを見捨てずに誘ってくれるのですから、最大の思いやりを感じます。その人がコンディションの悪い時に絶対に私もその人の役に立ちたいと思います。

「人のいい人」と言われるようなただのいい人にはなりたくないですが、相手に対して優劣をつけず、思いやりを持って接することのできるいい人ではありたいと思います。
「ソトヅラのいい人」というのはある意味作れるものだから、本当にいい人というのはむしろウチヅラこそいい人なのではないかなと思います。ソトヅラを無理に作っていないからこそうちも外もないわけで、そういう人は身内に対してや勝手を知った中でもいい人のままです。

要するに表裏のない人というのがやはり一番なのではないでしょうか。

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