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ぼっちざろっくとけいおん

はじめに

僕は音楽のことは全く詳しくなく、アニメーションの事をちょっとかじっているだけのオタクなので、音楽の専門的な部分での間違いがあったら申し訳ありません。

また、敢えて「音楽と映像と影響力」の部分から、漫画ではなくアニメの方で話を進めていきます。原作は履修済みです。

ぼっちざろっくはスポコン、けいおんは日常音楽作品

ここでは同じ初心者である平沢唯と喜多郁代を比較します。

けいおんではあまり「努力描写」がありません。
もちろん、3話と4話で軽く描写はあるのですが、ほとんど日常ふわふわシーンで構成されており、なんだかんだ3話の終わりなんかは「全部忘れちゃった」となってしまうわけで……
4話のBパートでガッツリ弾けている訳がなく……
しかし、このシーンで「唯は短期間でソロで弾けるほどの天才である」というのが表現されております。
一応春から夏に季節がうつっていますが、この速度での上達はあまり現実的ではありません。

しかし、ぼっちざろっくでは時間経過と努力描写がきちんと表現されています。
3話でギター弾けずに1度バンドから逃げたことが表現されています。
そこから喜多ちゃんは「今度こそはちゃんと弾けるようになりたい」という目標を持ってギターを練習します。

ライブシーンは5話のオーディション、8話のライブ、12話の文化祭がありますが、個人的に喜多ちゃんの5話のフォームと12話のフォームは少し違う気がします。
喜多ちゃんは始めたばかりで、ぼっちちゃんと比較すると肘がよく動いている気がします。
ギターを最近練習し始めてまず言われたのが「肘を動かしてはいけない、手首で弾くものだ」ということでした。
しかし12話では5話と比べたら肘があまり動かなくなっており、手首を動かすように練習したのだろうかというのを感じさせられました。
また、5話のオーディション後に店長に「前を向け」と言われたのを意識して、手元を見ないように弾いているので、きっとそこも練習したのでしょう。
12話では今までの練習成果として、機材トラブルに対してアドリブが入れられるまで成長しました。
時間経過と練習量を感じさせるいい描写です。

結束バンドの到着点と放課後ティータイムの到着点

けいおんのバンド放課後ティータイム(HTT)は、上達して「なりたい姿」が割とふんわりとしています。
一応「めざせ武道館」という目標はありますが、そのために外部でライブをしたりとかはあまりなく、基本的には部活の範囲を出ません。
とにかく「4人(5人)で楽しくやりたい」というのがあります。
なので、向上心とかはあまりなく、挫折も苦しみもありません。

それと違い、ぼっちざろっくのバンド「結束バンド」は個々の目標がしっかりあり、「STARRYを有名にしたい」「自分の音楽がやりたい」「有名になってチヤホヤされたい」と割とリアリティのある目標です。
そもそもが学外の集まりなので、お金もかかっているのもあり、目指す地点が現実的でなくてはならないという部分がある気がします。
4人で有名になりたい、という欲求があるため、自分たちのプロデュース方法を考えたり、曲を届けたい相手を考えたりしていて、本気で音楽と向き合っている人達だなと感じます。

ぼっちざろっくのハプニング、フィクションのけいおん

ぼっちざろっくは8話で、初めてのライブで緊張してリズムが崩れてしまったり、喜多ちゃんのボーカルも声のハリが5話のオーディションとは違い弱々しくなっています。
観客が白けてしまってあーあ、という感じになってしまいますが、2曲目のぼっちちゃんのアドリブで一気に惹き付けます。

しかしけいおんは初ライブの文化祭で全校生徒を惹き付けています。

悲しいですが現実はそんなに甘くありません。

ぼっちざろっくとけいおんの音響

結束バンドは現在YouTube、CD、ストリーミング配信で音源を出していますが、ライブシーンは同じ音源ではなく、ちゃんと空間の反響が作られています。

12話のライブシーンではちゃんと左から山田リョウのベース、右からぼっちちゃんのギターが聞こえます。まるで観客としてみているような気持ちにしてくれます。

それと違い、けいおんはライブシーンと音源が同じものを使われています。

こればかりは表現以前に技術的にあの時代に音響をいじるというのが存在していたのかがわからないため、どっちが良いとかは言えませんが、ぼっちざろっくの空間を意識した音響設定はより一層「現実感」を持たせてくれていると思います。

けいおんでギターを始めるオタクはいたが、ぼっちざろっくでギター始めたオタクって居なくね?

けいおんは「ギターってそんなに難しくないんじゃない?」と思わせる力がある気がします。
あまり練習シーンもなく、挫折もなく、苦しみもないからです。

しかし、ぼっちざろっくは練習のつらさ、観客に見て貰えない苦しみ、才能がこの世には存在していることをはっきりと見せてきます。

ぼっちざろっくを見てギターを始めたオタクは多分辞めないでしょう。はじめからあの苦しみが世界には存在していることを表面上ではあれど見せられているのですから。

締め

けいおんは「オタクの幻覚」「キャラ推し」
ぼっちざろっくは「スポコン」「現実」

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