TEPPEI RECOMMEND 2024 2/24~3/2

先週から始まりました、いまおススメのロックをテキストと共にお届けしようというこの企画。今回から毎週土曜日に更新します。今週はたったの2曲。曲はたくさんリリースされているのだけど、バーッと聴いていって、自分が好きな曲、クラブでかけられる曲、つまり買う曲をピックアップすると少なくなってしまう(その分一曲ずつ丁寧にいきます)。まあとにかくみていきましょう。

1曲目はMaster Peaceの『Shangaladang』。Master PeaceはイギリスのアーティストPeace Okezieによるプロジェクト名。この曲は昨日リリースされたMaster Peaceのデヴューアルバム『How To Make A Master Peace』に収録されている。Spotifyのアーティスト概要とかローリングストーン誌のインタヴューなんか読むと、Peace Okezieは2000年代のインディーロック(ブロック・パーティーとかライトスピード・チャンピオンとかM.I.A.とかアークティックモンキーズとか)から強い影響を受けているらしい。確かにこの曲を聴いているとベイビーシャンブルズのファーストに収録されていて、初めて聴いた時にはビックリしたレゲエソング『Pentonville』や、M.I.A.の大ヒット曲『Paper Planes』を思い出す。素晴らしい曲。アルバムもいい(今週一番のアルバム!)。ただ正直ちょっと肩透かし感があったのは否めない。自分はこの人が去年発表した『Country Life』という曲が好きで、DJでもよくかてきたのだけど、それに匹敵する勢いがある曲がアルバムになかったからだ(なんでアルバムに入れなかったんだろう?)。でも要注目のアーティスト。来日してくれ!

2曲目はPeaceの『Masterpiece』。Peaceは2018年に活動休止していたイギリスのバンドで、去年マッドチェスター(というより初期ストーンローゼズか)なシングル『Happy Cars』をリリースしてカンバックした。自分はあの曲が気に入ってて、今回はそれに続くシングルということで注目していたのだけど、いいですねこの曲も。サビでシンガロングするダンスフロアが目に浮かぶようです。

以上で曲紹介は終わりなのだけど、おまけで今週の雑感を書いときます。

【今週の雑感】
どうもカニエ・ウェストの新譜『VULTURES1』が人気みたいですね。自分も聴いてみたけどあんまでした。まあもともとロックやソウルをサンプリングした曲(キングクリムゾンの『21st Century Schizoid Man』をサンプリングした『POWER』とか)をちょこちょこっとチェックしてきただけ自分の意見は、ヒップホップをちゃんと聴いてきた人には何の参考にもなりませんが(でもYEEZUSの一曲目の『ON SIGHT』はカッコいい!)。
ホントにヒップホップはよくわかっていないのだけど、ただそんな自分でもKOHH改め千葉雄喜の『チーム友達』は気になってます。KOHHも好きだったけど、こっちはもっと気軽に聞ける感じ。YouTubeにあがってたSKY HIのラジオでの対談を聞いていると、あっちはかなりコンセプチュアルだったというか、アート作品として自分をプロデュースしている感じだったのが、今回はより素に近い自分を出しているらしいから、そのせいかもしれない。
あとヒップホップでいうと先日解散したBADHOPのYZERRと舐達麻のバダサイのビーフが気になる。といっても内容はそれほど真剣に追っていなくて、関心の中心はYouTubeの再生回数(3月2日15時現在『guidance(YZERR)』はリリース1か月で773万回、『FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD(舐達麻)』はリリース3か月で1350万回)。700万回とか1300万回とか一体どうなってるんでしょうね。『チーム友達』も2週間で200万回再生くらいいってるし。自分が大好きなリバティーンズの3か月前に出たシングル『RUN RUN RUN』(結構いいと思うんだけどなあ)は39万回再生ですよ(彼らの代表曲である『Don't Look Back Into The Sun』が16年かけて2038万回再生なのが多いのか少ないのか)。
まあそんなことはどうでもいいんだけど、その他の音楽、ポップに目を向けるとファレル・ウィリアムスとマイリー・サイラスの曲『Doctor (Work It Out)』が割とよかったですね(割といいだけで買おうとは思わないのだけど)。ファレル・ウィリアムスという人はずっといい曲を書いていて、ロック好きな自分からしてもすごい人だなあと思います。
あとはフェスの話か。フジロックの第二弾が発表になりました。正直地味です。去年と今年のラインナップを比較すると愕然とします。チケットが売れるのか心配になるほど厚みを感じないラインナップです。サマソニもそうだけど一体どうしたんですかね、急に。アーティストが単独公演を重視し始めたとか円安だとか、いろいろ話は聞くのだけどいまいち腑に落ちない。コロナ禍をへて、人の意識が激変したということでしょうか。
長々と書いてきたけど、最後に話題のリアム・ギャラガーとジョン・スクワイアのアルバム『Liam gallagher & John Squire』について。正直いまひとつでした。シングルはちょっといいな、でももっと豪快な曲が聴きたいなと思っていたんだけど、そんな地味なシングルが目立ってしまうくらいのアルバムで、お世辞にも傑作とはいえない。こういうアルバムでも仕事だから誉めなきゃいけないライターの方は大変だなと思います。

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