TEPPEI RECOMMEND 2024 3/10~3/16

いまオススメのロックをテキストと共にお届けするTEPPEI RECOMMEND。今週は8曲紹介します。先週から引き続き、というか3月の間は同じプレイリストでいくので10曲目からの紹介という形になります。曲にはYouTubeのリンクを貼っときます。Spotifyで聴けない人はそちらをチェックしてください。ではまいりましょう。

10曲目はBrògeal(なんて読むんだろう? ブロギールかな?)の『Fly Away』。Brògealはスコットランドはフォルカークの5人組フォークロックバンド。フォークといっても色々だけど、Brògealはインディー ロックと伝統的なケルトフォークを融合させた音楽性で、僕の好みど真ん中(何度か書いてるようにケルト音楽が好きなのです)。2022年にデビューした、まだアルバムすらリリースしていない新人バンドなのだけど、今年に入ってこのバンドの『Girl From NYC』という曲を耳にしてすぐに好きなった。ダンスしたくなる勢いあるフォークロック。ポーグズとかブートヒルフットタッパーズとかあそこら辺の80年代にはやったフォークロックが好きなんだろうな、自分と同じだなと思って嬉しくなってしまったね。『Fly Away』はゆったり目のミドルテンポ(BPM100くらいだろうか)の曲。この曲もいい。目を閉じると、スコットランドの草原(行ったことないので完全に想像ですが)が頭に浮かぶよう。バンジョーの調べがグッド。雄大。なんにしてもBrògeal(本当になんて読むんだろう?)要チェックです。

11曲目はMt. Joy(マウント・ジョイ)の『Highway Queen』。Mt. Joyは2016年にデヴューしたアメリカはフィラデルフィアの5人組インディーロックバンド。Brògeal(マジで読み方が知りたい)ほどではないけど、フォークロックの影響があるバンドで、この曲は十五年くらい前にはやったマムフォード・アンド・サンズ(たとえば『Little Lion Man』)とか、十年前に『Riptide』が結構ヒットした(記憶がある)Vance Joy(こっちの方が近いかも)の感じがある。この曲で知ったバンド。これからも追いかけます(フォークロック路線で突っ走ってくれ!)。

12曲目はSOFT PLAYの『Mirror Muscles』。SOFT PLAYは2022年12月にSlavesから改名したアイザック・ホルマンとローリー・ヴィンセントの二人組パンクロックデュオ。この曲もいつも通りゴツゴツしたロックでバッチリです。午前3時くらいのダンスフロアで思い切り頭を振って踊りたい。これの前にエドシーランの『BLOW』(ちょっとBPMが速いかな)がかかって、これでギアを上げて、レイジの『Killing In The Name』で大爆発みたいな。

13曲目はCathedral Bells(カテドラル・ベルズ)の『Spiral』。Cathedral Bellsは2019年にデヴューしたアメリカはオーランドの4人組ロックバンド。自分は去年『All Under The Sky』という曲で知った。ジャンルとしてはドリームポップということらしいけど、シューゲイザーが好きな人もネオアコが好きな人も好きなはず。まだの方は是非チェックを。

14曲目から16曲目はBull(ブル)のアルバム『Engines Of Honey』から。Spotifyのバンド紹介によると(Spotifyのバンド紹介は重要。みんな書いてくれ!)、Bullは2020年にデヴューしたイギリスはヨークの5人組インディーロックバンド。このアルバムは3月1日リリースだから、本当は2週前に紹介していなければいけなかったのだけど、(自分の調査能力不足により)数日前にながれてきたおススメツイートで知った。初めて聴いた時、良質なギターポップバンドだな、ティーンエイジ・ファンクラブっぽいなと思ったのだけど、Spotifyのバンド紹介にはペイヴメントの名前があがってて、言われてみると、14曲目『Start A New』はペイヴメントの『Shady Lane』の感じがあるね。15曲目の『Head Exploder』の方はティーンエイジ・ファンクラブっぽい。いいメロディーとコーラス、故意に山場を設けない自然な曲進行といい、影響はあると思う。起伏が少ないという点では16曲目の『Weston-Super-Mare』もそう。初めから終わりまで心地よいメロディーに浸れる。ティーンエイジ・ファンクラブもそうだけど、特別な感じがしない特別というか。3曲だけあげたけど、この他の曲もいいんでアルバム『Engines Of Honey』要チェックです。

今週最後の曲、17曲目はVampire Weekend(ヴァンパイアウィークエンド)の『Classical』。いやあ来ました! 来たね! 我らのヴァンパイアウィークエンドが戻ってまいりました。セカンドだったら『Cousins』、サードだったら『Step』、フォースなら『This Life』と、ヴァンパイアウィークエンドにはスペシャルなカンバックシングルがつきものだけど、今回はこの曲『Classical』ですよ。これを待ってた、マジで。アコースティックギターの録音を早回ししたような冒頭から歪んだ音、そしてオリエンタルな旋律へと続くわけだけど、このオリエンタルな旋律がたまらないわけですよ。『M79』もそう。あの冒頭のクラシカルな旋律を耳にしただけで、ああヴァンパイアだって思う。あの感じをこうやって全く違う曲で味わうことができる幸福。自分たちの型を守りながら冒険もできる。理想的なバンドの在り方。ヴァンパイアウィークエンドを好きでよかったと思うよね。4月5日のアルバムがマジでマジで楽しみだ。

以上で今週の曲紹介は終わり。今回も軽く雑感をば。

【今週の雑感】
今週はなにしろヴァンパイアウィークエンドでした。先週か先々週にインスタの投稿で曲の一部を聴いてから、木曜日にシングルがリリースされるというからずっと楽しみにしていたのだけど、待ちに待って金曜日の午前一時(太平洋時間の木曜日朝9時リリースで、日本では午前一時だった)にやっと聴けて、その内容が上記のように素晴らしいものだったから本当に本当に今週はハッピー。歌詞もインスタにアップされていて、その内容を読むと、歌いだしから『In times of war(戦争の時代)』で、『Untrue, unkind and unnatural(不誠実、不親切、不自然)』『How the cruel with time becomes classical(時とともに残酷さが古典となる)』『Bridges burn(橋は燃える)』『that’s a bleak sunrise(荒涼とした日の出だ)』なんてのもあって、明らかに今の混沌とした世界に対するエズラの思いが綴られているのだけど、それがウクライナのことなのか、はたまたパレスチナのことなのか、具体的な対象があるのかどうか、そんなことまではわからない。インタビューで誰か聞いてくんないかな?

あと今週でいうとカール・ウォリンジャーとエリック・カルメンが亡くなった。自分はミュージシャンの名前をあまり覚えていない(ミュージシャンに限らず人の名前を覚えるのが苦手で、クラブでも何度もたずねてる。申し訳ない)ので、2人も個人としては意識していなかったのだけど、ウォーターボーイズやワールドパーティー、ラズベリーズは聴いていて、訃報を知って故人に関連する音源を聞き直した。やっぱりいいね(特に古いトラッドをアレンジしたウォーターボーイズの『Meet me at the Station』やラズベリーズの『Ecstasy』が好き)。今回初めてエリック・カルメンのソロを聴いたのだけど、これがよかった。特に78年のアルバム『Change Of Heart』。2曲目の『Haven't We Come A Long Way』はブルーアイドソウルな名曲!これまで知らなかったなんて。エリック・カルメン後追いしてみようと思います。

今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。また来週!

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