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エリザベス女王の葬儀への感想を動画クリップと共にメモしてみた

英国のエリザベス女王の葬儀、ユーチューブで拝見しました。プログラムの流れ、人々の所作の様式美、歴史を感じさせる服装、建物の美しさ、歌われた聖歌、イギリス英語の聖書朗読の美しさ、撮影スタッフの黒子に徹した動きの洗練‥。いろいろな美しさがありましたが、人々の女王陛下への想いが何より美しかったのだと感じました。


エリザベス女王の逝去当日も、国葬の前日にもロンドンでは虹が見られたといいます。聖書(創世記9章)では、虹は神様とノアおよび人類の約束の象徴ですから、なんとも不思議なことです。

エリザベス女王の逝去当日も、国葬の前日にもロンドンでは虹が見られたといいます



エリザベス女王の葬儀


エリザベス女王の葬儀は2022年9月19日、ロンドンのウェストミンスター寺院で国葬として行われました。イギリスとしても、この規模の葬儀は1952年のジョージ6世以来とのことで、式のために相当な準備がなされたようです。

葬儀が始まる前には、ウェストミンスター寺院の鐘が1分ごとに96回鳴らされました。96歳で生涯を閉じた女王を追悼するためです。


主席司祭による開式のことば


葬儀の初め、ウェストミンスター寺院のデイビッド・ホイル主席司祭より

・女王の無私の心で奉仕した長い人生と女王として、英連邦の元首としての長年にわたる高い使命への揺るぎない献身に対する感謝。
・女王が常にキリスト教の信仰と献身の模範であられたことのゆえに神をたたえます
・女王は多くの人の命に触れた
・女王ほど多くの人々から死を惜しまれた指導者はいない
・多くの指導者が行く道は、高慢で、死後は忘れ去られるというパターン
・しかし女王は地位や野心ではなくご自身が従った方(イエス・キリスト?)によって模範を示された


しかし、今やキリストは、眠った者の初穂として死者の中からよみがえられました。というのは、死がひとりの人を通して来たように、死者の復活もひとりを通して来たからです。すなわち、アダムにあってすべての人が死んでいるように、キリストによってすべての人が生かされるからです。
しかし、おのおのにその順番があります。まず初穂であるキリスト、次にキリストの再臨のときキリストに属している者です。それから終わりが来ます。そのとき、キリストはあらゆる支配と、あらゆる権威、権力を滅ぼし、国を父なる神にお渡しになります。キリストの支配は、すべての敵をその足の下に置くまで、と定められているからです。最後の敵である死も滅ぼされます。

新約聖書 Ⅰコリント人への手紙 15:20―26


トラス首相による聖書朗読

「あなたがたは心を騒がしてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。わたしの父の家には、住まいがたくさんあります。もしなかったら、あなたがたに言っておいたでしょう。あなたがたのために、わたしは場所を備えに行くのです。
わたしが行って、あなたがたに場所を備えたら、また来て、あなたがたをわたしのもとに迎えます。わたしのいる所に、あなたがたをもおらせるためです。わたしの行く道はあなたがたも知っています。
トマスはイエスに言った。「主よ。どこへいらっしゃるのか、私たちにはわかりません。どうして、その道が私たちにわかりましょう。」イエスは彼に言われた。「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれひとり父のみもとに来ることはありません。
あなたがたは、もしわたしを知っていたなら、父をも知っていたはずです。しかし、今や、あなたがたは父を知っており、また、すでに父を見たのです。」ピリポはイエスに言った。「主よ。私たちに父を見せてください。そうすれば満足します。」イエスは彼に言われた。「ピリポ。こんなに長い間あなたがたといっしょにいるのに、あなたはわたしを知らなかったのですか。わたしを見た者は、父を見たのです。」

新約聖書 ヨハネによる福音書14:1-9

カンタベリー大主教による説教

シンプルに力強く福音を語っていました。

・私は道であり真理であり命である
・人の子が、仕えられるためではなく仕えるために、また多くの人の身代金として自分の命をささげるために来た(マタイ20:28)
・キリストは死から復活して、すべての人に命を与えた

*説教全文です


一連の歌に心震えました

キリスト教の葬儀は礼拝ですから賛美の曲があります。学生時代に寮で歌った曲とかもでてきて、感慨深いものがありました。聖歌隊による奉唱や会衆賛美(アングリカンの場合もこの用語であってますか)は美しいの一言に尽きました。

1.The Day Thou Gavest Lord is Ended


2.PSALM 42: 1-7

旧約聖書 詩篇42:1-7
鹿が谷川の流れを慕いあえぐように、神よ。私のたましいはあなたを慕いあえぎます。私のたましいは、神を、生ける神を求めて渇いています。いつ、私は行って、神の御前に出ましょうか。私の涙は、昼も夜も、私の食べ物でした。人が一日中、「おまえの神はどこにいるのか」と私に言う間。

3. THE LOAD’S MY SHEPHERD

『戦場のメリークリスマス』では、デヴィッド・ボウイが扮する兵士が死にゆくときに捕虜たちが歌ったものとして描かれていました。イギリスでは葬儀の時にかなり使われる曲とか。

4.O TASTE AND SEE

5.LOVE DIVINE
主の祈りからのLove Divine

6.WHO SHALL SEPARATE US

Sir James Macmillan(ジェームス・マクミラン卿)がこの国葬のために作曲された曲です。誰が神の愛から私たちを引き離すことができようか(新約聖書ローマ書8章)からの曲ですね。


7.RUSSIAN KONTAKION OF THE DERARTED

8.ALL MY HOPE ON GOD IS FOUNDED

9.BRING US O LORD GOD

10.CHRIST IS MADE THE SURE FOUNDATION


黙祷と国家斉唱


葬儀は全英国での2分間の黙祷および国歌斉唱で終わりました。

セントジョージ礼拝堂で女王の棺が地下に降ろされていく際、バグパイプの音色を礼拝堂に響かせながらカメラに背を向け、退場していく奏者。彼は、毎朝9時から15分、女王がいる部屋の窓の下で選りすぐりの曲を演奏していた女王専属のバグパイプ奏者だそうです。

葬儀前後も美しかった

女王のひつぎは葬儀後、ロンドン郊外のウィンザー城に運ばれます。敷地内にあるセントジョージ礼拝堂内に、最愛の夫である故フィリップ殿下の傍らに埋葬されるということです。


今回、葬儀の時に撮影カメラや撮影クルーが見きれることがなく、手練の撮影チームがいることが想像できます。特に、以下の画像の34秒からのカメラワークに感動しました。(天井固定のリモート操作カメラだそうです)



葬儀は、全体として、聖書朗読と聖歌と祈りのシンプルな流れだったように思います。

*葬儀映像はこちらです。

*式次第

https://www.westminster-abbey.org/media/15467/order-of-service-the-state-funeral-of-her-majesty-queen-elizabeth-ii.pdf


*葬儀前後も含めたフル動画


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