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二六章 国体 人生最後のトラック? ポイントレース

初の500mバンクだった。周りの選手より明らかにトラックの練習量が少ない状態だった。

試走と前日にやったチームパーシュートでバンクにできるだけ慣れる。そしてギア比を合わせた。



ポイント予選は関東と同じようなミスをしてしまった。一度だけ1位通過で5点を獲得。ギリギリで予選を通過した。決勝に上がれるのは10位まで。順位は9位だった。

決勝に向けて
今までに無い程考えた。とにかく考えまくった。ギア比も変更。走りなれていないトラックでギア比を変えることは挑戦でもあり賭けでもあった。



決勝当日
雨が降っていてひどい寒さだった。アップを充分に済ませいざスタート。必ず梅澤選手と藤村選手が動いてくると予想。マークされていて逃げには発展しないとも予想した。
案の定、梅澤選手と藤村選手は動いてきた。マークされすぎて思うようにポイントを獲得できずにもいた。逆に予選で順位が低かった私はマークされていなかった。極力無駄な動きは避け刺しでポイントを稼いでいった。順位は5位前後で進んだ。国体という舞台で想定よりも順調に進んでいった。梅澤選手、藤村選手が動いてくれたおかげでうまいように休むことができた。体力もかなり余裕があった。



42週目でアタック。集団は牽制していた。すぐに藤村選手と篠島選手がブリッジ。レースは3人の逃げで進んでいった。最終週、ポイントが倍点となり逃げ3人の勝負が直接絡み合う展開となる。篠島が選手が牽制。後ろから梅澤の追い上げでタイムギャップが縮まっていた。藤村選手は声掛けをするが体力がなさそうだった。自分だけが力に余力を残していると思った。決死の覚悟でアッタクする。当然後ろには2人が並んだ。自分の順位は下がるが集団に吸収されるよりマシ。その覚悟でゴールに突き進んだ。最後は刺されて3位、4点のポイントで終えた。



最終順位は4位。2、3位とは1ポイント差でのゴールだった。
考えて賭けに出た結果、今までにない順位を手に入れた。神奈川県としても恩返しができたと思ってる。
目標の順位よりは幾分高い。しかし悔しさ、未練が残る。前回インハイでは予選負けだった。2ヶ月前の自分とは気持ち的にも思えなかった。「もっと挑戦したい」そんな気持ちだけが残った。トラックは引退だがまたいつか全国の舞台でさらに高みを目指したい。

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