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(一部追記)早く来いよ、DELEのDiploma②

いきなりですが、DELEのDiploma、もちろんまだまだ来るのは先だと思いますが、ここでその内容を確認してみたいと思います。スペイン語通訳・翻訳を採用する企業の皆様が、いったいそこに何が書かれているのかを理解することで、さらにそれが本物の合格証書かどうかわかっていただくためにも、きちんとまとめてみたいと思います。

私はここに実際のDELEの合格証の、私が作成した画像を掲載しますが、これはこのまま使用すると、よくみたらあえて改変している部分があるので、偽物とわかります。ご注意を。

ではまず、その合格証その画像がこちらです。


本物とは違う箇所が諸々ありますので悪用しないようお願いします

この中には、次のような文章が書かれています。

Don ALGUIEN ha superado las pruebas celebradas en enero de 2050 en SAPPORO (JAPÓN), según lo previsto en el Real Decreto 1137/2002, de 31 de octubre (BOE de 8 de noviembre), modificado por el Real Decreto 264/2008, de 22 de febrero (BOE de 12 de marzo) y el Real Decreto 1004/2015, de 6 de noviembre (BOE de 7 de noviembre), expide el presente
DIPLOMA DE ESPAÑOL COMO LENGUA EXTRANJERA NIVEL C1

上記の画像から

この文書には、次のことが書かれています。

「2050年1月に日本の札幌で行われた試験に合格し、2002年10月31日の王令1137/2002(11月8日の官報に掲載)、2008年2月22日の王令264/2008(3月12日の官報に掲載)、および2015年11月6日の王令1004/2015(11月7日の官報に掲載)に従って、スペイン語を外国語として習得したことを証明するC1レベルのディプロマ(証明書)を発行する。」

つまり、この文書は札幌で実施されたDELE試験のC1レベルに合格したことを公式に証明するという内容ですね。(実際はありません)

この文書の内容は、どの時期に合格しても基本的には変わりませんが、2010年以降の合格証書、日本以外の国々で受け取った人たちのものをよく観察してみると、その時々によって若干違う語順だったり、レベルによって署名者が違ったり、様々な違いが見受けられるのですが、本来なら、よく見れば決定的に偽造かどうか分かる部分が、合格者番号以外にもあることがわかります。また、スペインの官報に掲載されているので、その官報の発行日付が出ているのです。

それ以外の違いを見てみると、

  1. 法律や規制の変更:言及されている王令(Real Decreto)が改正されたり、新しい法令が制定されたりすると、文書の内容もそれに応じて変更される可能性があります。つまり、この法令のもとで行われた試験がどうのこうの、みたいなものです。

  2. 試験の実施地や日付の変更:試験が行われた場所や日付が異なる場合、その部分の情報は当然変更されます。これは当然人によって違います。

  3. 合格レベル

  4. 公式フォーマットの改訂:DELE証明書の公式フォーマットが改訂された場合、文書全体の形式や記載内容が変わることがあります。

基本的な構造と記載内容(試験に合格したこと、実施地と日付、関連する法律の引用)は一貫していることが多いようですね。

では、その公式フォーマットについてみてみましょう。

  • 公式の声明文

    • 受験者が、特定のレベルの試験に合格したことを証明するよという内容。

    • 例:「ha superado las pruebas celebradas en [試験日] en [試験地], según lo previsto en el Real Decreto [DELEという公式な試験に関する、定められた法令番号], de [その法令の発行日] (BOE de [官報掲載日]), modificado por el Real Decreto [関連する法令番号], de [法令発行日] (BOE de [官報掲載日]) y el Real Decreto [関連する法令番号], de [法令発行日] (BOE de [官報掲載日]), expide el presente

    • DIPLOMA DE ESPAÑOL COMO LENGUA EXTRANJERA NIVEL [試験レベル]」。

  • 署名

    • 発行機関の署名(通常はインスティトゥト・セルバンテスの代表者の署名)。

  • 証明書番号

    • 各証明書に固有の識別番号。もし偽造だった場合、これをWebで調べたら、一発でバレますよ。

  • 公式の印鑑またはスタンプ

    • 発行機関の公式スタンプ。

2023〜2024年については、どの法令がどう変更されたのかがわかりませんし、それがいつの官報に載ったかもわかりませんので、来てみないと何もわかりません。

私が昨年いた通訳の現場で、偽の合格証書で採用され働いていた人がいたので、相応の対応をとってもらった経験があります。自分はDELE持ってなかったけど。派遣会社も、ちょっとくらいの経費を使って専門の会社にみてもらったらすぐにわかることなのに、数千円ケチったおかげで、とんでもないいい加減な翻訳文書がその大企業に残る結果となっていました(怒)。

このDiplomaは、確かに効力があってすごい。全国通訳案内士試験もC1以上をとっていれば免除になるんですから。しかしDiplomaが来るまでの間、「これが公的効力がありますよ、合格証明番号もあってすぐに検索で調べられますよ」、となっている合格証明書では、全国通訳案内士試験では免除にならないのですから。

Diplomaはすごいのです。

はぁ。嬉しいんだけど残念。今年はスペイン語の全国通訳案内士試験を受けます。受けますよ、そりゃあ。合格証明書じゃダメだって言うんだから。スペイン政府やEUの政府機関が認めていても、日本のイチ機関JNTOは認めないんですもん。

6月21日追記
全国通訳案内士試験事務局からメールが!本日付でデジタル合格証でも免除申請可能になったとのこと!これで昨年2023年の秋試験に合格したC1、C2保持の方も救われますね!良かった、ホントに。8ヶ月経ってまだ来てない同僚がいて、願書を出すのをギリギリまで待っていたので、朗報でした。

イヤミなことを過去に書きましたが、JNTOの臨機応変な対応には感謝ですね。単なる冷淡な行政機関ではありませんでした。お詫びいたします。