一夫多妻制は男性にとっての楽園なのか?【歴史雑学】
お疲れ様です。社畜です。
動画の準備が間に合いませんでした。
このまま何もしないのも何だかなぁと感じたので、
面白そうなテーマで記事を書いてみようと思います。
普段、動画を作るにあたって色々な本やサイトを見ているのですが、
「これ面白そう」と気になったことがあれば、簡単にまとめるようにしています。
そうしてまとめているうちに
「これは面白いぞ…!?」となったら、より深く調べて動画にする
といった流れで世界史裏探訪の動画作りはスタートすることが多いです。
そしてこの記事の内容も例にもれず、「これ面白そう」と感じてまとめたものです。
きっとこの記事を読んでくださっているあなたにも「面白そう」と興味を持っていただけるテーマだと思います。
そんな、気になること間違いなしの今回テーマは、
「一夫多妻制は男性にとってのパラダイスなのか?」です。
気になりますよね。分かります。
それでは楽しんでいただけると嬉しいです。
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一夫多妻制は男性にとってのパラダイスなのか?
一夫多妻制。
イスラーム世界やアフリカ諸国で見られる婚姻のあり方で、夫1人に対して複数の妻が存在することが特徴です。
私のような心が汚れ切った下衆にこの言葉を投げかければ、自然と鼻の下が伸びる様子が見て取れることでしょう。
アニメや漫画でよく描かれるような、キャッキャウフフの世界が「一夫多妻」のもとでは広がっている。
きっとこの世のパラダイスがそこにはある。
そう考えてしまうわけです。すいません。
が、しかし、
実際のところ、どうなのでしょう?
本当に一夫多妻の世界は、多くの男性がイメージするようなパラダイスと言えるのでしょうか?
ちょっと調べてみました。
〇一夫多妻制はなぜ必要?
そもそも、なぜ「一夫多妻」という制度が必要とされたのでしょうか?
この疑問に対しては様々な答え方ができるかと思います。
例えば「ハーレム」があることで知られるイスラーム世界で言うと、
イスラム教が一夫多妻を認めるのは、もともとは戦争で夫を失った女性を救済するためだったと言われています。人道的な配慮によって生まれた制度だと言えます。
ちなみにイスラム教の開祖であるムハンマド自身も、11人の妻を持っていたそうです。
また現在でも一夫多妻の文化が残るアフリカ諸国(特に西アフリカ)では、
一夫多妻の最大の魅力は、経済的側面にあるとされます。複数の妻を持つ男性は、より多くの土地を支配し、より多くの食糧を生産でき、それによって得た富により、高い社会的地位を得られるというわけです。
ちなみにアフリカ諸国の中には、キリスト教徒でありながら一夫多妻の生活を送っている人もいるそうで、やはりアフリカには文化として一夫多妻が根付いていると言えそうです。
他にも、なぜ「一夫多妻」が必要なのか?という問いに対しては、
「強い雄が雌を独占することで、強い個体だけが生き残るわけだから、一夫多妻のかたちが生物にとって自然だと思う。そもそも、動物全体で見れば一夫多妻を選ぶ種の方が圧倒的多数なわけだしね」
「例えばある国において男性1割、女性9割みたいに、男性の数と女性の数のバランスが大きく崩れてしまった場合、結婚できない女性が多くなりすぎてしまうから、均衡を保つために一夫多妻制を導入するんじゃない?」
等々、色々な答えが聞こえてきそうです。
どれも一定の説得力があるように感じますし、だからこそ一夫多妻制を採用する地域があるんだろうなと思います。
〇実際に一夫多妻生活を体験しようとしたら起こること
その時代、地域に応じた様々な理由で一夫多妻制が必要とされ、これまでの人類は歴史を築いてきました。
そして現在の我々がイメージする「一夫多妻の世界」は、一人の男性に対して複数の女性が尽くすといったもので、どうしても男性優位のものになりがちです。
このイメージは正しいのでしょうか?
実際、これまでの一夫多妻の歴史において、女性の権利が制限されてきたのは事実です。
例えば財産管理。一夫多妻制をしく多くの社会において、妻の独自の財産は認められず、妻が働いて稼いだお金も夫により管理されるのが当たり前でした。妻は夫の所有物となり、自由が制限されることが往々にしてあったわけです。
ただ、このような女性権利の侵害は過去のものになりつつあるようです。
近代に入って女性の人権を擁護する動きが強まってきたため、女性の地位は向上し、それまでの制限がなくなる地域が増えてきました。
さらに調べてみると、一夫多妻の生活を送ろうと思ったら、色々と大変なことがあるみたいなんです。
(ここからお話しする内容は、基本的にアフリカ諸国の文化として残っている一夫多妻制の話です)
まず、一夫多妻の生活を送るために必要なもの。
それは両家からの許可です。
これは「新郎側」と「新婦側」の家からの許可はもちろんですが、
それに加えて「現在の妻」の許可も必要なことに注意が必要です。
妻の数が2人であれば2人の許可、4人であれば4人の許可、と、すべての妻からOKをもらわなければなりません。プレゼンが大変そうです。
また、結婚にあたって多額の婚資も必要です。
これは花婿側から花嫁側へ送られるもので、数カ月分の月収または年収相当の金銭を納める必要があります。
ちなみにアフリカでは婚資として牛などの家畜を贈る場合もあるそうで、例えば牛10頭を供した場合、1頭は母親に、1頭は婚姻時の食事に、残り8頭は父親に贈る、といった具合に分けられるみたいです。
さらに「多額の婚資が必要」ということは、それなりに良い仕事についておく必要があります。
そして良い仕事につくためには、良い学校を卒業しておく必要があります。
そう、一夫多妻には学歴も必然的に求められます。
実際、アフリカで一夫多妻の生活を送っている人の割合は、
小卒→中卒→高卒以上となるに従って高くなります。
一夫多妻への道は険しいですね。
私はもう挫けそうなので、あなたは先に行ってください。
さて、
両家と現在の妻全員からの許可、多額の資金、学歴、
以上が揃ってやっと、一夫多妻ライフのスタート地点に立てるわけです。
はい、スタート地点です。
まだ大変な試練は残されていますよ♡
一夫多妻の生活が始まったら、
夫はすべての妻を平等に愛する義務を負います。
「義務」です。
これは比較的イスラム教圏の地域に多い考え方のようですが、
夫は妻を保護する義務があり、またそれぞれの妻の間に待遇の差をつけることは絶対にNGです。
もしも平等な扱いをすることが不可能な場合は、夫による不平等な扱いを根拠として妻は離婚を申し立てることが可能とされています。
これを聞くと、「全員に好きって言えばいいでしょ?別に楽じゃね?」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、もっと具体的に考えてみると、ことはそう単純ではないことが分かります。
たとえば、ある日買い物にでかけた時に、妻へのプレゼントを買おうと考えたとしましょう。
この時、一人の妻にネックレスを買うとすれば、ほかの妻にも同じものを買ってやらねばならないわけです。妻へ何かをあげる時には、必ず「×妻の人数分」の金額がかかります。
このことについて、著作家の杉岡幸徳氏は「このようなことは、もともと裕福な男でなければ不可能で、現実には一夫多妻が認められている文化でも実際に複数の妻を持っている男は少数派で、ほとんどの男は一人の妻しかめとることができません」と指摘しています。
当然、何かをあげる時にかかるお金だけではなく、普段の態度も平等にしなければならないわけで、経済的にも精神的にも大きな負担がかかることは想像に難くありません。
では、ここで本記事のテーマについて振り返ってみましょう。
一夫多妻制は男性にとってのパラダイスなのか?
どうやら私にとっては、パラダイスとは言えなさそうです。
新しい結婚相手と現在の妻に話をつける圧倒的なコミュ力と、
多額の婚資と複数いる妻の生活費を稼ぐことができる経済力と、
そしてすべての妻を平等に愛する神のような人間性、
これらが備わった男性にとっては、一夫多妻は間違いなくパラダイスでしょうね(白目)
〇おしまい
というわけで、いかがだったでしょうか。
楽しんでいただけたなら幸いです。
最後になりますが、
いつもご視聴いただきありがとうございます。
ただの歴史好きの社畜が作る動画が多くの方に見ていただけて、大変嬉しく思っています。
正直、このチャンネルを始めたばかりの頃は、「こんな自己満の動画作って恥ずかしいな」みたいなことを感じてたんですけど、
今となってはそんな昔の自分を褒めてあげたいくらいです。
あの時勇気を出して動画を投稿したおかげで、多くの方と「面白い」を共有できる喜びを知ることができましたし、少しですが、もらえるお金も増えました。
それもこれもいつも動画を見てくださって、楽しいと言ってくださるあなたのおかげです。
本当にありがとうございます。
そしてこれからも頑張りますので、何卒よろしくお願い申し上げます!
〇お知らせ
このnoteでは今後、YouTubeの動画にはできないセンシティブなテーマに関する記事、それからYouTube運営に関する記事を投稿していこうと思っております。
そして前々から「これからYouTubeを始める人に向けた解説記事を書きます!」と言っていたのですが、そちらがようやく書きあがりました。
YouTube運営に興味がある方にとっては割と勉強になる内容になっております。
YouTube運営は孤独なものです。
相談できる上司はいないし、話に共感してくれる仲間もいません。
この記事をきっかけに私の仲間になってもらえたら嬉しいです。
〇この記事の参考資料
杉岡幸徳 「世界の性習俗」
早瀬保子 「アフリカの一夫多妻婚」
wikipedia 「一夫多妻制」
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