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世界のインチキな人々 Funny people in the world

世界を旅していると、日本では味わえない、インチキくさい人々や場面に出くわすことがあります。旅の街角で私が出会った面白い人々を紹介します。決して彼らを非難するのが目的ではありません。実はそんな彼らが大好きなんです。過去旅で書き留めていたものを記事にしていますので、情報はかなり古いものもあります。



★ローマの傘売りインド人

ローマの街角で、雨が降ると同時に手に傘をいっぱい持ったインド人が、どこからかパッと現れ、「アンブレラ?」と声をかけながら観光客に群がる。雨が止むとパッといなくなる。その瞬発力たるやすごい。 降りそうで降らないときや、スコールのように一瞬ザッと降ってパッと止んでしまうときなどは、出てくるタイミングが難しいらしく、参上したと同時に雨が止んだりして、その様子がなんか、どんくさくて憎めない。 ちなみに、一度雨に遭ったときに私も買ったが、値段も 安く非常に重宝した。

★ロンドンの個性派サックス吹き

アンダーグラウンドのホームへ通じるエスカレーターの下で、一人テナーサックスを吹く黒人。「Killing me softly」だった。その気合いの入った吹き方とは裏腹に、奏でる音は???だった。 ビブラートは一切なしで音はやたらでかい。それが地下の空間に響き渡る。もちろんブレークなどなく、メロディーラインをただ吹き続けている。その上、転調のポイントや少し複雑なフレーズの部分にくると、 急に音量が下がりゴソゴソとやる。そして再び自信のあるところにくると、一段と大きな音で吹きまくる。いかにも渋い演奏を聞かせてくれそうな黒人なのに、あのような演奏はズッコケそうになる。 わざとやっているとしたら、すごいパフォーマンスだ。地上へ向かうエスカレーター上で、次第に遠のいてゆく音色を背に、もう少し聞いていけばよかったなと思った。

★マイバゲージを Kick! ローマの空港スタッフ

ローマの空港のチェックインカウンターで手荷物を預ける際、スーツケースが大きく重かったせいもあり、ローラーの端にひっかかってしまったが、その時カウンター内にいた若く金髪美人のグランドスタッフが、 サッとスカートの足を上げたかと思うと、当然のように、ハイヒールをわがスーツケースにかけ、みごとにグイッと中の方に押し込んでしまった。客の目の前で。そして、くるっとこちらを振り返り、いたずらっぽく ニッと笑うのであった。その無邪気さが、実にチャーミングであったが、日本では絶対に考えられないこと。

★バリ島の物売りは tough!

バリの物売りはそのしつこさでは世界でもトップクラスだ。道やビーチで目が合っただけで突進してくるし、通りを隔てた向こう側では、ハンドルを握るゼスチャーをした白タク運転手が手招きしてくるし、ウブドゥの山中の 画廊では出口を出るや色とりどりのパレオを両手いっぱいに抱えたおばさんたちがスッと寄ってくる。あいまいな態度でいるといつまでも追ってくる。また、リゾートホテルのビーチに現地の人は入れないのだが、 その境界ぎりぎりのところでアクセサリ-やパレオを持った人が、こうら干しをする客に合図を送っている。ズボンを膝までまくり上げ、海の中まで追ってくる人もいる。すごいパワー!
基本的に、彼らから物を買ったり、値段交渉することに興味ない人には、彼らの相手をするのは疲れるし、うっとうしく感じるであろう。しかしだからといって、彼らの日常生活を土足で荒らすような事はしてはならないと思う。 どこへ行ってもそうだが、彼らの日常生活にわれわれ旅行者が入ってゆくわけだから、その土地に暮らす人々への敬意を常に忘れないようにしたいものだ。 そして何よりも彼らひとりひとりと話をしてみると、優しく素直な面を発見することが多い。そんな人々と接して、彼らの日常生活や、その国の経済事情の一部をも知ることができる。

★深夜のNYで後をつける不気味な物売り

NYのホテルやストリートにはジュース等の自販機がない。夜中、盗難に遭うからというのが理由らしいが、自販機生活に慣れた日本人は不自由する。一度とても喉が渇いたので、夜中1時頃、一人でホテルを出て、 デリまで10分程、深夜の街を歩いた。大通りでなく、人通りも殆どなく街は暗かった。飲み物を買っての帰り道、背後に人影を感じ振返ると、闇の中を一人の黒人が何か言いながらついてくるではないか。 一瞬ドキッとしたが手に持ったブレスレッドを見て物売りと分かった。もう一方の手でライターをカチカチやりながら売り物を照らして、「Good Thing! Good Thing!」といいながら、ついにホテルのそばまでついてきたが、 さすがに中までは入ってこなかった。断り続ける私に、言葉がままならないのか、「Good Thing」という2語のみで押しまくるパワーには脱帽だ。

★ハイウェイで飛ばしまくるローマのタクシー

ローマのタクシードライバーはメチャメチャ飛ばす。空港からテルミニ駅まで、行きは電車を利用したが、帰りは疲れていたのでタクシーを使うことに。 あれは確か黄色のフィアット・テムプラだったと思う。ハイウェイに乗ったとたん顔つきが変わったかと思うと、飛ばすわ飛ばすわ、あのエンジン音と流れる風景から推測するに、 150 Km/h 近くは出ていたと思う。しかし怖さは感じず、むしろ運転センスの良さを感じた。優秀なレーサーを輩出する土壌がここにはあると思った。

★NYで飛ばしまくるレスラードライバー

NYの Yellow Cab のドライバーの中にもメチャメチャ飛ばす奴がいた。半袖からのぞく太い腕に厚い胸板、赤ら顔に長髪、レスラーのような大男だった。 車や人通りの多いマンハッタンの細い通りを、障害物をかわしつつ、とんでもないスピ-ドで突進する。スリルはあったが、あれには生きた心地がしなかった。 NYでは出稼ぎドライバーの事故発生率が上昇していると聞くが、ドライバーは乗ってみるまで分からないので注意の仕様がない。

★ペナン島のインチキ時計屋

ペナン島のバツフェリンギ。陽が沈むとメインストリートの両側には屋台がズラリと並ぶ。その中でフェイクの高級時計屋も面白い。ロレックスやホイヤーが交渉で1000~3000円くらいで買える。これが非常に精巧にできており、顔を近づけて見ない限りニセモノとは分からない。分かった上で身に着けるのは楽しい。 世界中どこへ行っても、こういったインチキ時計屋はいるが、あれは誰がどこで作っていて原価はどうなっているんだろう。安すぎて不思議である。尚、こういったフェイクものは、日本への持ち込みは不可とされており、税関で没収されることもあるので、ご注意を!

★ローマでアフリカ民族楽器を売るセネガル人

ローマのヴェネト通りでアフリカ民芸品を売るセネガル人。民族楽器に目がない私は、ブルキナファソの小さな弦楽器を見つけ、値を聞くと ベラボーに高いので 無視して通り過ぎたが、帰りにつかまった。私を覚えていた彼は、目が合うやいなや「 My Friend!」といって楽器をつかんで突進してきた。その楽器は彼のおじいさんの手作りであること。 そのおじいさんが急病で翌朝にはセネガルへ帰らねばならないこと。そしてそのため、旅費が必要ということ。どこまで本当か知らない。値切りに値切って1300円ほどで買えた。 売れずにもてあましていたのだろうか。日本に戻り気付いたが、木の部分が大変クサい。ヤニの臭いか何なのか、日々そのクサさは増してくるので、たまらず、フリマ出店時に 1800円で売ってしまった。

★アジアリゾートでサッカー中継にエキサイトする欧州の人々

欧州の人々のサッカー熱には驚く。世界中どこへ行っても、欧州からのリゾート客はいるが、ペナンでのレストランでのこと。おりしも World Cup 真っ只中とあって、レストランの大型スクリーンにはその中継が映し出されていた。自国の選手が華麗なプレーをする度、やんややんやの大騒ぎ。若者に限らず、年配の夫婦までもが、立ち上がって大声を張り上げている。そのエキサイトぶりは大阪の阪神ファン以上であった。

★グアムの公共バスで熱唱するドライバー

Bobby Caldwellの「What you won't do for love」だった。よほど気分が良かったのだろうか。それともいつもああやって歌ってるのだろうか。あれは鼻歌などではない。公共バスでは考えられない音量の音楽に合わせ、ハッキリとした歌詞で歌い上げている。れっきとした歌唱である。サビの部分などは一段と大きな声で顔を歪めながらシャウトしている。うまい!ペダルにあるはずの足が、床をならしてリズムを取っている。リズミカルで小気味よいハンドルさばきとフットワーク。際立つ運転センス。 一曲終わったときには、思わず拍手してしまった。

★バリッと木の実を噛んだロタ島の女性店員

Rotaの小さなストアのレジ横にPUGUAという黄色っぽい木の実のようなものが売られていた。聞いてみると、Betelnut(ビンロウヤシの実)のことらしく、店員に食べ方を聞くと、ナイフで実を切ってくれて、中の赤い部分を噛んでみろと言われた。硬くて噛めないし、渋くて全然美味しくもない。なんじゃこりゃ、と思っていると、若い女性店員は僕の口からPUGUAを取り上げ、自分の歯でバリッと噛んで2つに割ってしまった。あとで調べてみるとあれは、食べるのじゃなくキンマ(コショウ科の植物)の葉で巻いて、ガムのように噛み続けるとやがて精神高揚作用が起こるらしい。客の口に入ったものを平気で自分の口に入れる豪快さには驚いたが、その行動は親しみ深いものであった。

★中国大連で荷台で眠る御者をロバが引く

中国大連で、荷車を引いて大通りをゆく2頭のロバ。ふと荷台を見て驚いた。何と御者が仰向けになって眠っているではないか !? 進むスピードはそれほど速くないが、結構交通量のある大通りだ。信号のある交差点や障害物があるときは、大丈夫なんだろうか?賢いロバのこと、道順は覚えているのだろうけれど、信号も読めるのだろうか?いつもああやって御者が眠っているとしたら、すごい信頼関係が築かれているのだろう。

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