医師国家試験お薬対策:アロプリノール

☆アロプリノール(商品名ザイロリック)


国試的には以下を知っておけば問題ありません
・尿酸生成抑制薬であること
・高尿酸血症や痛風の間欠期に使うこと
・Lesch−Nyhan症候群(⇨高尿酸血症をきたす)に用いること

113D50 尿路結石の再発予防に有効な薬剤はどれか。
a アロプリノール
b サイアザイド系利尿薬
c チオプロニン
 d ビタミン D 製剤
 e ベンズブロマロン

正解はa  
外れ選択肢のb:サイアザイドは尿酸値↑です(95D52にて出題あり)。ループ利尿薬、β遮断薬も同様なので高血圧の治療では注意が必要です。

97B33、89B50 尿酸結石の治療薬として適切なのはどれか.2つ選べ.
a 塩化アンモニウム
b アスコルビン酸
c サイアザイド
d 重炭酸ナトリウム
e アロプリノール

正解はde 尿酸結石は尿のpHが低いと発生しやすいためdの重炭酸Naで尿をアルカリ化します(ついでにクエン酸製剤も同様に尿をアルカリ化するために用いられます)

【機序】下図参照(だいぶ簡略化してます)

画像2

【補足】その他試験のポイントとなりうる点
・痛風の治療で一気に常用量を投与しないこと。急激な尿酸値の変化で発作が誘発されうる。発作が治まった後、少量から投与を開始し、適宜尿酸値をモニターすること。
・腫瘍崩壊症候群による高尿酸血症の予防に用いる
・腎排泄性のため、腎機能が低下している人には用量を減らす必要あり(一方CKDのステージ進行を抑制するという報告も)
・アザチオプリンとの併用注意
アザチオプリンの分解でもキサンチンオキシダーゼが必要となる。ゆえに、アロプリノールとアザチオプリンを併用で、
アザチオプリンの分解↓⇨肝障害、骨髄抑制(特に注意)

【試験には出ないだろうが…】
・薬剤過敏性症候群(DIHS)や中毒性表皮壊死症(TEN)の原因薬剤として頻度が高い
・アンピシリンとの併用で皮疹
・同じく尿酸生成抑制薬のフェブキソスタットが2011年に承認。中等度腎障害にも用量を変えず使えるが、心血管系イベントの率が高いというデメリットが報告されています(primary endpointではないのですが以下参照)。

https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa1710895?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%20%200www.ncbi.nlm.nih.gov

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