寄生虫対策その2:原虫

目次
① 膣トリコモナス
② 便中に出る原虫
②A 赤痢アメーバ
②B ランブル鞭毛虫
②C クリプトスポリジウム
③トキソプラズマ 
④マラリア
≪注≫リーシュマニアやアカントアメーバは扱いません(まずCBTに出ない)


①膣トリコモナス

・5本の鞭毛(1本の後鞭毛と4本の前鞭毛)を持つ。後鞭毛は虫体の中央から生える(下図参照)
性交によって膣に感染
⇨グリコーゲンを横取り(膣常在菌のデーデルライン桿菌の取り分)
⇨膣pH↑
⇨細菌感染が起こりやすくなる=細菌性膣症を合併しうる
・症状=外陰部掻痒感、灼熱感、泡沫状で悪臭を伴う黄緑色帯下
・治療=メトロニダゾール経口or膣錠
・補足=男性では無症状なことが多く感染が拡大しがち。他の性感染症を合併していることも多い。

画像1

参考 メトロニダゾールといえば…
偽膜性腸炎(for Clostridium difficile)、ピロリの除菌(の2nd choice)も重要。そのほか赤痢アメーバやランブル鞭毛虫などでも用いる(後述)。

問題(88A54改題) トリコモナス腟炎について正しいのはどれか.3つ選べ.
a 酒かす様帯下がみられる.
b 外陰部瘙痒感を訴える.
c 性行為感染症である.
d 腟細胞診(鏡検)で診断できる.
e 治療にはイトラコナゾールを用いる。.

正解はbcd
酒粕様帯下はカンジダのキーワード。治療はメトロニダゾールの経口投与(or膣錠)

115E27
40歳の女性。外陰部の瘙痒感を主訴に来院した。1か月前から瘙痒を伴う帯下が続いている。痛みはない。身長 158cm、体重 64kg。体温 36.5°C。脈拍 72/分、整。 血圧 124/76mmHg。呼吸数 18/分。内診で子宮と両側付属器に異常を認めない。 帯下は黄色泡沫状。外陰に発赤を認めない。
可能性が高いのはどれか。
a 萎縮性腟炎
b 細菌性腟炎
c カンジダ腟炎
d トリコモナス腟炎
e クラミジア子宮頸管炎

正解はd黄色泡沫状という点からトリコモナスが考えられます。
aは閉経後に血性帯下や性交時痛を認めます。40歳という点から否定的。
bは黄色ブドウ球菌や大腸菌などによる炎症で、瘙痒ではなく強い疼痛を伴います。
cは酒粕状帯下が特徴的です。
eは性交時痛や下腹部痛などです。

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