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なんであのカードは禁止なの?

こんにちは、せいやです。

今回は、カードの禁止制限に関わる話。

皆さんご存じのとおり、トレーディングカードゲームにおいて強すぎると言われるカードは、大抵なんらかの対処が施されることとなります。デッキに1枚しか入れられない、そもそも使えない等。強すぎるの定義はまさにゲームそれぞれ。収録判明時点で危険視されるものがあれば、後々のカードプールの変化で要注意レベルになってしまったものもあります。

さて、ではポケモンカードゲーム。

2022年1月現在、スタンダードレギュレーションでは禁止カードがありませんが、エクストラレギュレーションでは様々な禁止カードがあります。

詳細は下記URLを参照してください。

《ポケモンカードゲームトレーナーズウェブサイト レギュレーション》

https://www.pokemon-card.com/rules/regulation/

なぜこれらのカードが禁止とされてるのか。
所説あるかと思いますし公式のみぞ知るところではありますが、自分なりに考えると以下の理由かなぁ?と思います。

【単体の妨害性能が高すぎる】

どんなデッキでも、まずは手札からカードを出して使うことになります。手札が多ければそれだけ出来る事が増え、逆に少なくなれば選択肢が無くなっていきます。可能性の根本を握るのが手札なわけです。その手札に干渉できるカード、特に相手の手札を減らすカード(ハンデス)の影響力は凄まじいだけに、そのパワーバランスはとても難しいものです。さて、では禁止扱いとなっているカードはどうかというと。

ムサシとコジロウ:お互いに手札を2枚トラッシュ(無い方はトラッシュしない)
こわいおねえさん:スタジアムをトラッシュし、更に相手の手札を3枚トラッシュ
ゲーチス:相手の手札を見てグッズを全て山札に戻し、その分だけ自分が山札からカードを引く

パッと見るだけでもそのえげつなさが伺えます。ムサシとコジロウはお互いなのでバランスを取ってるように見えますが、指定無しで何でも2枚の時点で相当強い。こわいおねえさんはそれを上回る一方的な3枚ハンデス、ゲーチスに至っては相手の手札見れる上に相手減らして自分増やしてます。誰もが思ったでしょう。 

な  ぜ  自  分  が  引  く 

と。

マーシャドー(やぶれかぶれ):お互いに手札を全て山札に戻してお互いに山札を4枚引く
レッドカード:相手の手札を全て山札に戻して相手は山札を4枚引く

先の3枚に比べたらマシに見えるこれらも、こっちはこっちでたねポケモン・グッズという軽さが問題。先攻の初手に使われると、後攻はいきなり不利な状態からスタートせざるを得ません。特にマーシャドー。お前やぶれかぶれどころか計画通りだろ。

カードゲームの根本を揺るがすハンデスが強すぎるとゲームとして成り立たなくなるため、この禁止化は当然と言っていいでしょう。

【全体への影響が広すぎる】

カードは大なり小なり強さが設定されており、その大きさ広さは千差万別。とはいえ限度というものはあるわけで、1枚でやっていい範囲を超えてるものは禁止たりえるでしょう。使用条件が激ムズであれば許容できるかもしれませんが、残念ながらそうでないからこその禁止化です。

アーケオス:お互いにポケモンを手札から出して進化できない
※マツブサの隠し玉:手札がこの1枚だけのときに使え、使うとトラッシュの闘ポケモンを1匹ベンチに出し、山札を5枚引ける
巨大植物の森:お互いの草ポケモンは場に出したばかりでも進化できる
オカルトマニア:お互いの場、手札、トラッシュにあるポケモンの特性が全て無くなる
フラダリの奥の手:お互いに、フラダリの奥の手以外のトラッシュのカードを全て山札に戻す。

どれも出た瞬間天地がひっくり返るほどの効果です。アーケオスはベンチでも特性がはたらくというのが非常に強く、後押しとなるマツブサの隠し玉も、アーケオスに限らず化石系を即出せるという爆発っぷり。巨大植物の森は進化の根底が覆るので悪用の温床となりますし、オカルトマニアは手札・トラッシュ含める上に新たに出したカードも対象とめっちゃ広い。そしてフラダリの奥の手......いやいやいや、いくらなんでも戻しすぎだ。

【組み合わせでの強化が大きすぎる】

単体ではそこまで?であっても、共に使うカードによって大化けする可能性があります。

ミロカロス(エナジーグレイス):自らきぜつし、トラッシュから基本エネルギーを3枚場のポケモンに付ける
ムウマージ(ふしぎなことづけ):自らきぜつし、手札が7枚になるように山札を引く
しまめぐりのあかし:このカードをつけたポケモンGX・EXの最大HPを100減らし、相手のワザのダメージできぜつしたら取られるサイドが1枚減る

これらに共通するのは、自爆できるってこと。ミロカロス、ムウマージはそれ自体の見返りもまた大きいです。そしてポケモンカードにおけるきぜつとは、すなわちサイドを取られること。意図的にその数を操作できるとなれば、悪用できるカードもまた顔を出してきます。その中でもとりわけ危ないのが、同じく禁止扱いである以下の3枚。

リセットスタンプ:相手の手札を全て山札に戻し、相手の残りサイドの数だけ相手は山札からカードを引く
マチスの作戦:相手より残りサイドが多いときに使えて、使うとこのカードを含めて3枚サポートが使える
ザクザクピッケル:相手の山札の上3枚の順番操作

本来上の2枚は劣勢時の巻き返しとしてデザインされていたのですが、リセットスタンプは相手の残りサイド次第でレッドカードを超える害悪カードとなり、マチスの作戦もまた、自発的にサポート連発を狙える恐ろしいカードと化します。勝手に自爆しといて劣勢も何もあったもんじゃありません。モップ折ったのは俺じゃなくてお前。
そしてザクザクピッケル。手札干渉から意図的に起こせる事故、弱いはずがありません。

ヤレユータン(リソースマネージメント):トラッシュから好きなカードを3枚山札の下に戻す
ヤミラミ(ジャックハント):トラッシュからグッズを2枚手札に加える
フラベベ(ぬけがけしんか):後攻の番の最初なら、出したばかりでも進化できる
シェイミEX(セットアップ):手札からベンチに出したら、手札が6枚になるように山札を引く
時のパズル:1枚使うと、山札の上3枚の順番操作。2枚使うと、トラッシュから好きなカードを2枚手札に加える

これらは再利用を前提としたカード達。ここで一つ、ポケモンカードにおける勝敗について見ていきましょう。基本的には、以下の方法で勝敗が決します。

①『サイドが全て無くなる』
②『新たにバトルポケモンを出せなくなる』
③『番の始めに山札からカードを引く時、その山札が0枚で新たに引けなくなる』
④『①~③以外の方法で設定されている勝敗の条件を満たす』

この中で③を狙うデッキ、つまりLO(ライブラリアウト)系において上記のカードは正しくキーパーツとなります。これは推測ですが、公式としては①、②以外を主としたデッキが大勢を占める環境を良しとしてない節があり、この規制となってるように思われます。また、シェイミEXに関しては再利用の恩恵が大きすぎる点も禁止の理由かと思います。後発のデデンネGXやクロバットVが同じ番に二度使えなくなってるあたり、シェイミEXからの反省の色が窺えます。フラベベもまた再利用の恩恵が大きく、進化先のフラエッテがハンデス特性を持ってるが故の禁止です。

さて、そうなると④も気になる存在となります。

アンノーン(DAMAGE):このポケモンがバトル場にいて、自分のベンチポケモンに乗ってるダメカンが66個以上で勝利
アンノーン(HAND):このポケモンバトル場にいて、自分の手札が35枚以上で勝利

いわゆる特殊勝利。これらに特化したデッキはむしろ芸術と言えるかもしれません。しかしながら、あまりにも別ゲーすぎる(敢えて言えばソリティア)のが問題と言えば問題。これはポケモンカードというよりポケモンの絵が付いた別の何か。それでいて勝率高し、となれば規制はやむを得ません。


以上、禁止カードについての解説でした。なるほどと思った方もいれば、そうかなーと思った方もいるかと。今後も禁止カードが出る可能性がありますが、その推測の一つの参考としてもらえたらいいなと思います。


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