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G戦場ヘブンズドア;知的職人のあり方として。


この前のインタビュー記事で参考図書として、『G戦場ヘブンズドア』を挙げました。↓

どんなお話かというと、アマゾンによると;
マンガを愛する高校生の鉄男。人気マンガ家の父を憎む高校生・町蔵。
運命的な出会いを果たした正反対なタイプのふたりは、
青春と呼ぶにはあまりにも過酷な「表現」の世界へと
今、足を踏み入れる--!
「作品を生み出す事とは」「戦友とは」という2つのテーマを
マンガ家とその卵たちの目を通して描ききり、
「マンガ家マンガの伝説」と呼ばれた傑作が今、
完全版として鮮やかに蘇る!!

プロ論とも、職人論とも言える作品かと思います。こんなセリフが続出します。やはり熱いです。

君達はこのままではすぐにわからなくなるだろう。自分は何が描きたいのか、何が面白いマンガなのか、
自分らしくない何かを見つけるのに必死になるだろう。
だがそれは無駄なことだ。無駄な個性などいらない。
君達は君達にしかなれない。
君達が描く必然が無いマンガなどいらない。
マンガは練習するもんじゃない。覚醒するものだ。
己に抗った者は、いつか破綻する。
これでも私は、自分が本物ではないことの自覚に誇りを持っているの。
この世界は力の無さを嘆くヒマも、自己弁護する余裕もないわ。
いい? これは仕事。本気でうそをつく仕事なのよ。あなたの描くうそは、誰かがお金を払ってでも騙されたいものかしら?
自分から読み手を選ぶとは、思い上がりも甚だしい。 そのプライドがある限り、お前は先へと進めんよ。
…私が言った「人格」って、優れた人柄や品性とかの意味じゃないよ。
どんなに才能があっても色んな事情でそれを続けられない人は大勢いる。でも、運がいいのか悪いのか、
町蔵君はマンガをやめなかった。 ――いや、やめられなかった。
望んだというよりはそう生きるしかなかった。それこそが「人格」だよ。
町蔵君はこれでしか生きられないんでしょ?

夏目房之介の書評が妥当かもしれません。でも、何度も読み直す本の一つです。特に、作業しながら行き詰まったとき、なんのために手を動かしているかに悩むときに手にとる作品の一つです。

ぜひ、ご一読ほどを(了)

ありがとうございます!