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元大ボスの独り言(空想)

僕は野良猫です。

何故か人間様には「お父さん」と呼ばれてます。
年齢は4歳です。

見ての通り、身体が大きくて力が強いので、この地域のボスをしてました。

目つきが悪いとよく言われてますが治りません。

この世に生を受けてから
「カワイイ」なんて、誰からも言われた事はありません。


僕がいくら「オスマシ」をしても

「オッカネー顔してんね〜」(房州弁)

と言われてます。

「あんたら所に、あんなデッケーの、気持ち悪いッペョ〜」(房州弁)

「あの顔見てみ〜、ありゃ、ハンバーグだよハンバーグ!」

「あ〜んな、ハンバーグみたいな顔して睨んでぇ〜、あ~オッカネ〜オッカネ〜」


まぁ
いつもの事です。
しょっちゅうです。

普通に言われ過ぎてます。


僕は
身体が大きいのでケンカが得意でした。
ココは

タイマン広場です。

この広場は
毎晩近所の猫達と命がけのケンカをする男の花道
「漢の道場」です。 

ケンカの原因は
① 縄張り争い
➁ 雌猫の取合い

この2つです。


僕はケンカが強かったのですが、去年の春に大ケガをして、治療をするために捕まえられました。

お耳が外れてしまうかと思いましたが

くっつきました。

僕は、てっきりケガの治療だけかと思ったのですが

ケガが、治っても
なんか
力が湧かないと言うか・・・
ヤル気が湧かないと言うか・・・

そう
いままでの様な闘争心が湧かないんです。

よその猫が縄張りに入って来ても
なんか、どうでも良いと思っちゃうんです。

自分でも(ナンデナンダロナー?)と思って、身体の点検をしてみたら

アレっ・・・



お股の調子が・・・

おっ??

無いっ!!!!

ナイっ!!!


本当に

無いっ


僕の

キンタマが無いっ❗❗❗❗

ハァ〜・・・


キンタマ・・・・。


ナイ・・・・。

僕の・・・・
立派なヤツ・・・・


自慢だったのに・・・・

僕のキンタマ・・・・。


なくなっちゃったぁ〜

(タマを探して三千里)


それからの僕は

ケンカをする気も起こらず・・・


縄張りを守る事も出来ず・・・・
メス猫達からも見放され・・・・

寝る場所も奪われ・・・
餌場も奪われ・・・・

当然
ボスの地位も奪われ・・・・


ご覧の通り

ガリガリに、なっちゃった・・・・

骨皮筋猫


そんな僕を見かねて

地域の人達が僕にご飯をくれたり、寝る場所を作ってくれたりして・・・


ハンバーグ復活っ!!


でも僕は

オスでも無ければメスでも無い

チンコの無い、ただのネコ

まいったね〜

でも
野良猫から地域猫に成りました。

僕の動作はノンビリの方だけど
最近は更にノロくなりました。
https://youtube.com/shorts/e-0OkaT9lfQ?feature=share

(通常、僕の動きはスローです)

今までの生活は、常に、縄張り闘い、餌場の闘い、子孫繁栄の為の闘い。
以前は、そうしないと生存出来ませんでした。

だって
存在する目的が
生きる事と自分の子孫のみの繁栄でしたから・・・


でも今は

なんか・・・
争わなくても生きて行ける。
なんか
(えぇ〜、こんな生き方もあるのね〜)


思うような生き方をしてます。
ノンビリ屋の僕には合っている気がします。

争う・競う事を放棄した僕は、こんなに楽しく生きられる事を始めて知りました。


あっ
これがよく分からないけど「風の時代」ってヤツ?!


軒下の奥には寝場所が有ります。

余裕の日向ぼっこ。



家猫と地域猫の差は

どんなに寒くても

家の中には入れません。

家の中が
とても気になるけれど

僕は入れてもらえません。


でも
この前の大雪の日に
物好きな大男が来て

念願が叶いました。

「トロケル」ってこー言う事なんだぁ〜。


あと

お家の窓からお外を見る!!

野良猫たちの憧れのポーズ


1度で良いから
お家の中からお外を見てみたかった!



それから
その大男がこんな物を差出して来ました。

(大奮発の40ピース!!ありがとうございますm(_ _)mサポートして頂いたお金で買わせて頂きましたm(_ _)m)


チュール・・・

僕は、こんなご馳走を食べるのは始めてデス。


この味と匂いは、感激と感動です。

あ〜
中毒になるぅ~。

こんな物は自然界で遭遇したことはありません。

犯罪レベルにヤバい食べ物です。

はじめの頃は
食べ方が判らず、猫らしくチャンと噛んで食べてました。
そして、この大男の指に噛み付いて、大量流血の大サービスをしてやりました。


僕は
チュールを食べる前に、お水を沢山飲みます。

お水を沢山飲むと身体に良いらしいです。

毎日、お水を飲んだ後に「ご褒美」として、大男が僕にチュール食べさせてくれます。

最近はこの「チュール」とか言う食べ物の食べ方が解ってきて、今は舐めて食べてます。

もう噛みついてしまう事はありません。


人間の言葉も解るように成りました。

僕は頭が良いんです。

食べたら寝ます。

それが僕の仕事だそうです。

一通り
部屋の中をパトロールしたら

寝ます。


でも
パトロール
少し狭いです。

今までの僕の行動範囲は半径300m
今の僕の行動範囲は半径7m

しかも
お家の中が整理され過ぎて
障害物が全くありません。

かなりつまらないです。


だから僕は沢山鳴きました。

色々鳴いてやりました。

でも
僕が鳴くたびに、大男は笑ってました。

なんでカナ〜・・・


そして大雪警報の2日間
僕はこの大男の家にお世話になりました。

お外のお天気は
大雪も終わって
少し温かくなって来ました。


大男は

「外暮らしの猫の寿命は3~5年、家猫の寿命は10~15年、このままこの家に一緒に住まないかい?」

と言ってきましたが

僕は言い返してやりました。

「長生きすれば良いってモンじゃないよ。生きている時間の質が問題なんだよ」
「自分の好きな時に好きな事をヤル事。好きな時に好きな場所に居る事、好きな時に好きな人と一緒に居る事。自分で自分の生活全てを判断し、実行する事。自分自身の猫生に自分で全責任を取ること。他から自分が干渉も管理もされない事が大切なんだ」
「10年とか生きて、長い間、そんな事すら出来ないんじゃとても幸せな猫生とは言えないよ。僕は生き物なんだ。始めが在れば終わりも在る生き物なんだよ。」
「生き物はさ、質の高い時間を過ごす事が大切なんだよ。時間の長短なんて無いんだよ」

「猫の世界では、生きる事に頑張ったヤツほど寿命は短いよ、逆に生きる事にベストを尽くしてないヤツ、他人から管理されたヤツは長〜い。人間の世界はどうなんだい?!」

「また大変な時はココに泊まらせてもらうけど、別にケガしても病気に成っても、それはそれでOKなんだよ。どうせアノ世でも、僕は頑張るし、頑張ってたら、また直ぐコノ世に出て来るんだから、別に今が最後な訳じゃ無いんだよ」
「命なんてね、ずーっと一緒なの、ずーっと続いてんだよ」


って言ってやったけど

はてさて〜
あの大男は判ってくれるんかね〜?



僕はお外へ出たくてウズウズしてます。


オス猫じゃあなくなっちゃったけど
メス猫でもないけれど

こうなったら
「オカマ猫」ってのを体験するチャンス。


家猫お泊り体験
アリガトね!!!!

大男よ
僕は、君の様に「ボ〜っと」してる暇はないんだよ。

でも
君が沢山持ってる、その「チュール」は僕に与えて下さいョ。
それまで、一杯お水を飲みますから!!

毎日来てね!
頼みましたよ~


(ボーリングのピンに似ていると言われました)


https://youtube.com/shorts/L6za7E6i54Q?feature=share

※ 元大ボスの「お父さん」(と呼ばれている)可愛さに、彼の心の中を勝手に空想したフィクションです。
お父さんは、地域ネコへ戻って行きましたが、ボクは、毎日お父さんにチュールをあげたり、マッサージをしたり、お喋りをしに行ってます。
すっかり
「オカマの猫」に恋した変なオジサンです。
今後は、この元大ボスの「お父さん」の投稿が続くと思いますが、どうぞ、宜しくお願い申し上げます。

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