見出し画像

若者による多彩な「まちづくり」〜全国まちづくり若者サミット2022〜

 日本青年館note学生記者の宮下夏芽です。1月29 日から 30 日の二日間、日本青年館で「全国まちづくり若者サミット2022」(略称:若者サミット)が開催されました。若者サミットで私は、登壇団体の皆さんとの意見交換や交流だけでなく、自分が所属しているCrenectionとしても活動を発表しました。この記事は、参加者・登壇者・取材者という三つの視点から、オープニングで行った「モチベーショングラフ作成」、自分自身が登壇してみての感想、そして日本青年館で参加されていた方々の声をお伝えいたします。皆さんに若者サミットの空気感を味わってもらえたら嬉しいです。

学び交わる若者サミット

 日本青年館が主催している若者サミットは今回で3回目。地域活動に取り組む若者や、これから取り組みたい方、そういった若者を応援したい方、関心がある方、行政の方や大学企業など様々な方が参加しています。現地会場である日本青年館での参加者は約20名、オンラインでの参加は約80名と多くの方が参加しました。
 サミットの目的は、若者が主な担い手となって活動している様々な団体が地域や組織の枠を越えてお互いの実践から学び合い、交流することです。毎年様々な団体が登壇し、多様なジャンルのトークセッションにて活動を発表しています。今年の登壇団体は12団体。それぞれの地域で行われるまちづくりについて語り合います。こんな素敵な機会を取材することができて、私自身もとてもワクワクしていました。

よりどりみどりの二日間

 この二日間は以下のような流れで進みました。

1月29日(土)
 12:30 開会式
 13:00 オープニングセッション
  進行:奥ちひろ(秋田県南NPOセンター)
 14:45 トークセッション1 「最初の一歩,みんなの一歩」
  登壇団体 ・学生団体 Yuzu
       ・大正大学地域創生学部
       ・鯖江市連合青年団
  進行:井口啓太郎(文部科学省)
 16:30 トークセッション2 「つなぎ、生み出す」
  登壇団体 ・Crenection
       ・NPO法人アクションポート横浜
       ・高知県青年協議会
  進行:澁谷 隆(日本青年館)
 18:15 交流企画「ランダム単語ガチャでまち案内」
  進行:若者サミット2022実行委員会
1月30日(日)
  9:00 トークセッション3「課題解決グループワーク」
  進行:若者サミット2022実行委員会
 10:45 トークセッション4
  登壇団体 ・ちくせい若者まちづくり会議
       ・かわさき若者会議
       ・ながさき若者会議
  進行:辻智子(北海道大学准教授)
 13:15 トークセッション5 「高校生が奮闘中」
  登壇団体 ・Teenalight
       ・加茂農林高校
       ・遊佐町少年議会
  進行:島田茂(元日本YMCA同盟総主事)
15:00 クロージングセッション
  進行:辻智子(北海道大学准教授)

人生の振り返りとこれから

 私が一番印象に残ったことはサミットの始まりでした。
 オープニングセッションのファシリテーター、奥ちひろさんが用意してくださったのは、「画面で教えて!アンケート」、「モチベーショングラフ」の2つです。
 奥ちひろさんは秋田県南NPOセンターの方で2009年から秋田県で「若者会議」と銘打って若者と地域を考えるワークショップを全県で行っていました。2012年からは「全県合同若者会議」、2013年には「若者会議全国大集会」と銘打って全国規模にまでそのネットワークを広げていました。現在、日本のあちこちに「若者会議」という名称で様々な活動が行われていますが、その始まりは秋田にあると言っていいと思います。秋田の若者会議は、今もなお由利本荘市などで行われており、昨年の若者サミットにも登壇者として参加されていました。
 今回のオープニングセッションで行った二つは、どちらも参加されている方の気持ちや人生に着目しているもので、皆さんの緊張もこのオープニングセッションでほぐれたのではないでしょうか。
 私は参加していたグループのモチベーショングラフが印象的でした。「モチベーショングラフ」は自分自身の人生を振り返って、活動につながる感情やモチベーションの起伏をグラフに書き込むものです。私のグラフは別記の通りです。
 私の参加していたグループの方々はグラフの中に下り坂がありながらも、皆さんはまちづくりに出会ってから上り坂であることが多かったことです。もちろん活動の中で挫折もあると思いますが、活動の中にモチベーションの向上につながる「楽しい」という気持ちが、心のどこかに必ずあるのだろうなと感じました。モチベーショングラフ作成は自分自身を振り返ると同時に、相手のことを知る機会にもなります。発表の前にグループの方と打ち解けられたことや、改めて今まで自分が活動して来たことを振り返るとてもいいきっかけになりました。

もちべ

緊張とワクワクでいっぱいの心

 私は今回CRENECTIONの発表者としても参加していました。CRENECTIONは、地域で活動する若者を繋ぐ架け橋となることを目指し、『地域で活動する若者を繋ぎ、地域から新たな可能性を創造する』ことを目的として活動をしています。多様な団体が出会い、交わる若者サミットはCRENECTIONの目的から言えばまさしくうってつけの場です。しかし、そう簡単にはプレゼンがつくれず、サミットが始まる10分前までプレゼンを変更、代表は水をがぶ飲み。果たしてこれで発表が上手くいくのか…という不安もありつつも、実は緊張よりワクワクが勝っていました。今回の発表の最後で皆さんにQRコードから質問をしていただくというコーナーを設けました。そこは本当にアドリブでの返答だったので、振り返ると本当に恥ずかしいと思うところもありましたが、その未熟さもCRENECTIONらしさではないのかなと思います。
一緒に登壇した代表の城田空さんもサミットについてこんな感想を語ってくれました。
城田:CRENECTIONとして外部のイベントに参加するのが初めてだったので緊張しました。ですが、始まると自分の話したいことがどんどん出てきてとても楽しかったです。参加者との交流も出来て多くのつながりを得ることが出来たので、今後もこのつながりを大事にしていきたいです。

新たなつながりが活性化を促す

 今回若者サミットに参加された方々はどんな感想を持ったのでしょうか。登壇された方の声を聴かせていただきました。
 今回、トップバッターとして登壇した学生団体YUZU。神奈川県湯河原町を活動拠点とし、温泉地活性化を行う学生団体です。SNSなど様々な方法を用いて、まちづくりを発信しています。

椿さん:今まで他団体の方の前で私たちの活動内容をプレゼンする機会は初めてで緊張していました。発表後には私たちの団体に興味を持ってくださる方や協力したいというお声をいただき参加してよかったと強く感じました!今回の新たな繋がりによってお互いの地域をより活性化することができるのだとお話を通して感じました。

 副代表の鈴木さんは今回のYUZUの発表スライドを作成されたそうです。

鈴木さん:スライドを作っていく中で、団体の活動などを見つめ直すきっかけになってよかったです。すごい枚数になっちゃったんですけれど…笑 今回様々な方と意見交換できて、新たな視点を知ることができました。

 他団体の方々と意見を共有しあえる機会は発見にも繋がり、改めて大切だとお話を通して感じました。温泉のような団体の暖かさが、発表や取材からひしひしと伝わってきました。今後のご活躍にも注目したいと思います。

画像1

 若者サミットのようにいろいろな団体が参加する場では、他団体を知ること以上に、他団体を通じて自分たちを知ることがあります。大正大学地域創生学部から「PARK CAFE」の取り組みを発表した福島一樹さんはこんな感想を語ってくれました。

福島さん:まちづくりで活躍される方々のお話しを聴けてよい刺激になりました。他の地域の魅力を知ることができただけでなく、自分の街の魅力を再認識するきっかけにもなりました。活動している街の魅力を改めて知れるところにとても共感しました。他に活動されている方々の環境や活動内容を知ることで、新たなまちづくりの一面にも繋がると思います。

画像2

 若者サミットの登壇団体は毎年毎年すべて入れ替わります。つまり、登壇団体はすべて初参加。発表は思った以上に緊張しますし、自分たちのことをプレゼンにまとめて説明することは本当に難しい。今回私たちも実感しましたが、それは私達だけではなくみんなそうだったようです。今回登壇したかわさき若者会議(@Kawa_Waka_U25)の小林宏奈さんは発表について、こんなことを語っていただきました。

小林さん:かわさき若者会議のことを大勢の前で発表することは初めてで、とても新鮮な気持ちでした。自分の団体は他の団体とは違うところが多く、説明が難しいと感じました。地域を良くするためにそれぞれの場所で若者が日々活動しているのだと、自分の目や耳で感じることができました。

 若者会議やまちづくり会議は全国にありますが、地域それぞれの特色があります。どの団体も地域の魅力を様々な方法で発信していて、改めてみなさんの地域やまちづくりについて考えるきっかけにもなったのではないでしょうか。なお、小林さんが所属するかわさき若者会議は、かわさき好きなU-25でつくる、若者による若者のための地元密着プラットフォームです。代表を置かず、メンバー全員フラットな関係である組織づくりが特徴的なのだそうです。

画像3

今年の全国まちづくり若者サミットを通して

 今回は対面とオンラインを併用したサミットでした。参加者の方々は今回このサミットに求めるものを持ち帰ることができたのではないでしょうか。私は長丁場だったため最後の方はヘトヘトになってはいましたが、それはこのサミットにたくさんのエネルギーを使うことができたという証だと思っています。主催の日本青年館の皆様方や運営の多摩市若者会議の皆様やトークセッションの進行をしてくださった皆様、他団体の方々のおかげで想像を遥かに超えるものを得ることができました。サミットを通して地域それぞれの更なる発展があると思うと、もっともっとワクワクする新しいまちづくりに繋がると思います。そんなワクワクと共にこれからも私たちの特色を生かして活動していきたいと思います。

この記事を書いた人
■宮下 夏芽:神奈川県鎌倉市在住の大学一年生

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?