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【活動報告】映画鑑賞「モルゲン、明日」

先週末に学生ユニオンで、ドイツの脱原発を描いた映画「モルゲン、明日」の無料上映会に行ってきました。

「モルゲン、明日」作品概要

映画の中では、第二次世界大戦から学んだ「権力を信用してはならない」という教訓から、ドイツの市民が政治や権力に常に批判的な姿勢を向けていたことや、1960年代に起きた大規模な学生運動が脱原発に与えた影響、チェルノービリ原発事故による汚染がドイツにまで及び、原発への危機感が高まっていたことなどが描かれていました。

ドイツの脱原発といえば、日本で起きた3.11の原発事故をきっかけに原発の恐ろしさを目の当たりにしたメルケル首相が、その直後にドイツ全土の脱原発を宣言し、昨年2022年に無事達成したという話ばかりが取り上げられるように見受けられます。

しかし、実際には、3.11の以前から脱原発を訴える市民たちの草の根の運動があり、その達成は、単なる政治家からのトップダウン的なものではなく、声を上げ続け、脱原発を重要度の高い政治イシューに押し上げた人たちがいたからこそできたのです。作中では、与党が支持者を維持するために脱原発を掲げていたことも語られており、それほど市民の運動が政治に圧力をかけたということが分かります。

日本にはどのような運動が必要?

では私たちは日本で、脱原発のために何をすれば良いのでしょう?
「日本の市民は無関心だからだめだ」「日本ではそんなに大きな運動はできない」
多くの人がこのように絶望しているかもしれません。でも、なぜ市民が声を上げないのか、なぜ大きな運動が起こらないのか。
それは社会問題に関心を持ち、学び、行動するための余力がないからなのではないかと考えます。日本では低賃金長時間労働が当たり前で、労働をする市民、つまり労働者は精神的にも体力的にも既に疲れきっています。

一方で、そんな日本でも3.11以後、脱原発を訴える市民運動が盛り上がりました。現在も原発に限らず核ゼロを目指し活動している団体が数多く存在しています。しかし、それぞれの団体や運動の繋がりが希薄で、十分な連帯ができていないようにも思います。

つまり、大きな運動を起こすには、まず市民の生活の質を改善することが先決です。賃金を上げるとか、長時間労働をなくしてやりたいことに割ける時間を増やすとか、メンタルヘルスのケアが受けやすい環境整備とか。
それが揃ってやっと市民は「声を上げ」出すのではないでしょうか。
そしてその暁に、それぞれ独立している運動同士が連帯すれば、政治や権力に対して圧力をかけられるくらい大規模な運動を産み出すことができるのではないでしょうか。

学生ユニオンでは、8月に長崎で開催される原水爆禁止世界大会に参加する予定です。
一刻も早く核のない、平和な世界が訪れることを願って、今後も活動を続けていきます。


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