「営業やらないで、売れるレターは書けないよ」

私の抱負は、

・目の前のお客様と本当の意味で徹底的に向き合うこと

・そのために失敗を恐れないこと

この2つに設定した。

お金が回る仕組みを知りたい!

この純粋な気持ちから、ただ目の前の仕事をこなす飲食業のアルバイトから、大学2年生の夏からインターンを始めた。私は起業したいだとか、独立して一人でやっていきたいという熱い思いこそなかったが、漠然とお金に困りたくない生活はしていきたいと思った。そのために仕事が出来ていろんな会社に求められるような人材になりたい。保守的な夢と思われるかもしれないが、今ではこれを叶えるためには非常に難しい社会だと個人的に思う。期待できない年金、人生100年時代で70歳までずっと働き続ける可能性もアリ。何より終身雇用も崩壊しており、内定が決まったからあとは大丈夫だ~なんて安心できない。この先リーマンショックのような出来事が起こらないなんてことも断言できない。その時に私がこの先お金に困らない生活をしていくために何が必要なのか? 

まず思い浮かんだのは営業力。トップ営業マンは雇われていても高収入のイメージがあるし、どんな商材でも対応できそう。でも、長い将来見たとき、それこそ70近い年齢で続けられるのか?と思ったときにちょっと難しそう。じゃあモノ作りは? これはその"モノ"に依存してそれ自体に需要がなくなったらたちまち破産してしまう。これから長く働き続けられて、それがお金に代わるもの。その答えは飲食のアルバイトをしているときにふと感じた。

飲食店の料金には原価分に載せた利益分がある。これで店の存続が成り立っているわけだが、2年間そこで働いてて当たり前だが私が利益を生み出してないなと思った。私たちアルバイトはただマニュアル通りに動いているだけ。すごいのは、お客様が入店してきたり、接客する人、料理が出てくること、このマニュアルを作って勝手に成り立つように仕組みを作った人が、ここの利益を生み出しているんだなとその時はそう思った。ここのお店でただ注文された料理を作り続けるのではなく、このビジネスが成り立つ仕組み、売れる仕組みを知りたいと思いインターンを始めた。

インターンを行ったウェブマーケティングの会社は、10人前後の社員数。私の席の隣には社長が仕事をしているため、どのように事業を動かしているのかとても近い距離で見れる絶好の環境だった。そこから2年半、0からの事業の立ち上げ、まだ何も商材がない状態(これから作る)でプレゼンして総額1億の売上を出すなど近くで体感することができた。私は当初仕組みづくりが最重要と考えていたが、今ではそれよりもっと考えるべきことは他にあると感じた。仕組みは自分たちで0から新たに作るのではなく、一つのベースである型を真似て、そこから売る商材によってちょっとずつ変えていくというようなイメージ。つまり、その商材の作り方・決め方が利益を自分たちでコントロールできる範囲だった。(これが社会一般の正解だとは思わない。あくまで自分の経験から。)もちろん、最終的に新たな仕組みを作ることはできるかもしれないけれど、それはいろんな経験を経て行うもので今のフェーズではないと思う。

この会社では月1のペースで新しいローンチを行っていた。この内容と商材を決めるのは基本的に社長で、どのように決めているか聞いた際「お客様が求めているもの」と一言。

本当の意味でのお客様目線

顧客第一、こんな言葉はマーケティングを勉強していたら耳にタコができるぐらいどこでも言われているような言葉で、もちろんそれが重要なことを私も知っていた。自分の業務は主にローンチに使う販売ページやメールのレターであったが、これを書く際もお客様の目線に立って書いていた。それでも、"自分の頭の中"で相手のことを考えるため結局は自分のものさしが入ってしまう。本当の意味で相手の気持ちに徹底的に立つことが最後まで難関だった。最初に比べたら多少マシにはなったが、やはり上司や社長のレターに比べると自分の思考が浅いことに気づかされる。ある日どうしたらそんなレターを書けるのか社長に聞いた。

「落合さんは営業経験がないからそれはまあ、難しいと思うよ」

お客様の立場に全然なれてない。この仕事ではセミナーを除いては基本的にウェブ軸で完結するため、お客様と向かい合って話することはない。そのため、会ったこともない相手を想像しながらその人に刺さるよう書いていく必要がある。そのためにはやはり営業の経験の有無はかなり変わってくる。

「レターだって営業トークと同じ。話ことばを書き言葉にする必要こそあるけど伝えることは同じ。むしろ目の前にお客様がいる営業の方が分かりやすくていいかもね。営業やらないで売れるレターを書けないのは当然だよ」

私が就職はウェブマーケティングの仕事で探していたときに言われた言葉。まず営業を経験しておくべき、というメッセージだった。

今、自分に必要な力

この仕事を始めて環境を選ばずにパソコン1台持っていればいつでもどこでもできるウェブマーケティングには魅力を感じていた。逆にこれしかまともに仕事をやったことがなかったけれど、自分にとって初めてやりたいと思えた仕事だ。その矢先、まず営業を勧められた。もちろんいきなりウェブマーケティングをしてレターをかける人もいると思う。それでも今の自分の実力を知ってくれている人から、このままじゃウェブマーケティングで成果を出すのは難しいと言われたのがなにより悔しかった。自分の力不足と向き合うのはつらい。そのため受け入れきれない自分がいた。

もう一つ、ウェブマーケティングを行いたい理由の本音の一つ。社外の人間とかかわりを持つことが少ないからだ。正直言って私は人と話すことが苦手。昔よりは改善されたと思うがまだまだ劣っているという自覚はあるし、初対面の人と話をするとどっと疲れる。こんな自分が営業なんてできるわけがない、むしろしたくないという気持ちがあったため、そんな話をされたときは正直認めたくないという気持ちがあった。

しかし、営業の根幹たるコミュニケーション能力、これはビジネス関わらずまず人間としてまず備えておくべき力だということは自分でもうすうす感づいている。また、前回取り上げたAIが発達する社会になっても、重要な能力としてコミュニケーション能力は上位3にあがっている。

人工知能(AI)の活用が一般化する時代における重要な能力

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(出典)総務省「ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究)(平成28年)

また、営業をやりたくないとい気持ちより、これから25歳、30歳となっていくのにいつまでたっても人前で満足に話せない自分を想像した時とてつもない恐怖感を感じた。中学生の頃は大人になれば自然と身につくだろう思っていたがもう22歳。十分いい年齢で、まだ人前であがってしまう。このまま何もしなければ30歳になっても変わらないというのは残念ながら容易に想像できてしまう。

当初、営業能力は長期的に見て長く使えないなんて思っていたが、重要な仕組みづくりを創るためにはまずここは絶対必要。お客様あっての仕事のため、そこのニーズをはかることは無視できない重要な要素だろう。

苦手なものこそ早い段階で

ウェブマーケティングをやりたい!でも、最終的にそこに行きつくためにはまず営業をやることがなにより自分を伸ばすためにも必要なんだと思う。

営業が苦手で、うまくいかないことばかりなのは何より一番自分が分かっている。だからこそ、失敗がゆるされる新卒1発目にまずここをクリアしていく。そのため、私の抱負は

・営業で目の前のお客様と本当の意味で徹底的に向き合うこと

・そのために失敗を恐れないこと

この2点を掲げて、新生活挑んでいきたい。

その先に、自分にやりたい仕事を目指したり、売れる仕組みを作り出すことが出来るものだと考えている。ニーズを常に追い求め、それを効果的に提供する場を作り続けること、これが稼ぐ力だと大学4年生の私は思っている。今後実際に現場で働いてみて考えが変わるかもしれない。それでも今はこれを信じて、いつかどんな商材でも人の心に刺さるような、欲しいと思われるようなレターをかけるマーケターになることを目指して頑張りたい。