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AIと人が共存するために

突然ですが、あなたはアルバイトは何をしていますか?

私は大学入学時から海鮮丼のキッチンのアルバイトをしていました。自分にとって初めてのアルバイトで最初はすべてが新鮮で、とても楽しかったのを覚えています。人間関係も良好で仕事も早いと褒められ最高に居心地のいい環境でした。でも、2年で辞めました。作業のように同じことの繰り返しだったからです。
注文通りに料理を作ること、お皿をきれいに洗うこと、片づけをすること。
思い返してみれば、仕事の多くがテンプレート通りに動くことが求められていたと思います。
より効率的に動くためには、よりおいしく食べてもらうためにもちろん考えてやってみることもありましたが、2年続けてもうここで新たにできること、自信の成長に繋がることはもうないなと思ったからです。

少なくとも私が経験したあの仕事は、正直AIに代替可能のアルバイトでした。これに限らず他にもそういった仕事は溢れています。
自分の仕事は大丈夫、と楽観的になれるほど他人事ではありません。今日はAI時代に人である自分が活躍するためにはについて書いていきます。

AI時代の到来

加速する超高齢化社会により、労働力不足の問題はどの企業も抱えており、就活は売り手市場と呼ばれるまでになっています。
その人手不足を解消するのではないかと話題になっているのがAIです。人間の代わりに仕事を行うことで人手不足の解消と、効率化・生産性を高める期待も出来ます。しかし、同時にAIは近いうちに日本の労働人口の49%の仕事も置き換えられるとも報告されているのです。プラス要因として考えられていたAIですが、これでは自分の仕事がなくなってしまうと逆にマイナスに感じる人も少なくありません。どのような能力を身に着けていけばAI時代でも活躍する人材になれるのでしょうか。『能力を磨く AI時代に活躍する人材「3つの能力」』の著者である田坂は、必要な能力について以下の通りに述べています。

""現代の知的労働に求められる能力には、「基礎的能力」「学歴的能力」「職業的能力」「対人的能力」「組織的能力」の5つの能力があるが、
このうち「基礎的」と「学歴的」の2つの能力は、確実にAIに代替されていく。一方、「職業的」「対人的」「組織的」の3つの能力は、それを高度に磨いていくならば、AIに決して代替されない能力となる。""

またエン・ジャパン株式会社調べの「AIに代替されなくなると考えられる職種を教えてください。※複数回答可、20ポイント以上の項目のみグラフ化」のアンケートでは以下の回答が得られました。

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田坂の指摘通り、なくなるであろう職種の上位には、マニュアル化・ルーチン通りしやすい基礎的能力が必要とされるものでした。そのため、「職業的」「対人的」「組織的」この3つの能力をそれぞれ深堀し、具体的にどんなスキルが求められているか自分で考えていきます。

AIをさらに発展させる創造力

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まず第一に知識量では確実にAIに負けますし、正確性でもAIにかないっこないでしょう。完璧主義を目指した瞬間、私たちはAIには勝ち目がないのです。

それよりも私たちは多くの経験を通して、その場その場で必要な知識や情報をインプットしていくこと。間違ってしまっても、次に正解の道を探せばいいんです。私たちはAIに取り込む今までにないマニュアルを作り出すんです。今より効率化になるような、新しい仕組みづくりを。この創造する力は人間だからこそできるものだと思います。

共感で信頼を得る

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何より私は、コミュニケーション能力こそAIにとって代われない部分だと思うんです。コミュニケーション能力と言ってもたくみなトークスキルや語彙力ではなく、表情の変化や、言葉の"間”、目線、癖、空気を読むなど、そういった聞き手の読み取り能力は人間の方が秀でていると思います。また、AIには共感する、ということはできません。もちろん言葉で共感の意をあらわす発言自体はできます。それでも共感は相手のバックグラウンドなどの経験や、心、そういったものがあるからこそ初めて相手にも共感されたと思います。人の心を動かす、という点では多くのビジネスで必要なスキルです。また、個性や個人のキャラクター性で相手を惹きつけたり、そういった信頼構築に必要なスキルは人間だからこその特別な力だと思います。

相手への思いやりの気持ち

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AIは常に合理的な判断をするでしょう。私情などもはさみません。これは仕事においてもちろん良いことですが、同時に悪い面もあります。会社という集団の組織において、少なからず人同士の関わりはあります。時には合理的でなくても部下をかばったり、誰かを守るため、傷つけないようにするために理不尽なことも受け入れる必要があるときだってあると思います。このような思いやりの感情は、人だからこそできる行動です。AIを導入したとてしても、この一種「人間味」のある文化は組織づくりに絶やしてはいけないものだと思います。

まとめ

私が考えるAI時代で活躍するために、

・AIをさらに発展させるための創造力

・共感などの対人能力

・非合理的でも思いやりのある判断

これらがAIと共存していくために必要な力だと思いました。AIと仕事の奪い合いをするのではなく、一緒により良い世の中にしていくために、良好なビジネスパートナーとなるためには、お互いのできること、できないことを補完し合う関係であり続けたらいいと思います。